「幸福度が高い国」日本は51位、しかし30歳以下だと…? 世界ランキングから見えたこと

J-WAVEの番組『STEP ONE』には、気になる海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは2024年3月にオンエアされた同コーナーから、イチオシトピックを紹介する。

今回は「世界幸福度ランキング」に注目した模様をテキストで紹介する。

【オンエア:2024年3月25日(月)/ナビゲート:サッシャ・ノイハウス萌菜】  

最新の「幸せな国ランキング」で見えてきたことは?

今回、サッシャは国連の「世界幸福度報告書」2024年版に注目。オリジナルの膨大な調査資料、発表資料を確認したところ、興味深いポイントが見えてきた。

今年の世界一幸福度が高い国はフィンランド。首位に選ばれたのは7年連続となる。2位はデンマーク、3位はアイスランドが続く。

サッシャ:ちなみに日本は、全143か国中、51位です。真ん中よりは上ですけども、微妙なラインです。そして、今年の幸福度ランキングは年代別の幸福度にも着目したんですよ。そうすると、世代別にまったく違う姿が見えてきました。

全体1位のフィンランドだが、30歳以下で見ると、幸福度は世界7位。依然として高い順位だが、30歳以下の1位にはリトアニアが選ばれた。

サッシャ:ちなみに、30歳以下で見ると日本は73位と下がってしまいます。逆に60歳以上に絞ってみると、1位はデンマーク、2位はフィンランドで、日本は36位まで上がります。このように、年代によっての幸福度の違いが国ごとにはっきりしているんですね。

調査は年代別に4つに分かれている。全体1位のフィンランドの内訳は以下の通りだ。

・フィンランド幸福度ランキング
30歳以下:7位
30~45歳:1位
45~60歳:1位
60歳以上:2位


サッシャ:若い人が、少しだけ上の年代ほど幸せを感じていないんですね。

一方、30歳以下でトップだったリトアニアは、世代別の差が開く結果となった。

・リトアニア幸福度ランキング
30歳以下:1位
30~45歳:7位
45~60歳:20位
60歳以上:44位


サッシャ:全体だと19位で、若い人ほど幸福度が高い結果になりました。これは東ヨーロッパ全体的に見える傾向です。理由は不明なのですが、もしかすると民主化されたあとに生まれた世代は今を幸せに思っているのかもしれません。しかし、その前の世代を知っている人たちは「昔がよかった」と思うのかもしれませんね。

60歳以上でトップだったデンマークの世代別幸福度は、以下の結果となった。

・デンマーク幸福度ランキング
30歳以下:5位
30~45歳:3位
45~60歳:4位
60歳以上:1位


サッシャ:上の世代にいくほど微妙に高いという結果ですが、こちらは比較的先進国に共通している点です。

ノイハウス:やはり、若い世代が将来に不安を感じているのでしょうか。

サッシャ:先進国のなかでは社会保障どんどん削られて、そういう傾向にあるのかもしれません。

一見すると悲しい結果のように思えるが、コロナ禍を経て、人々の内面にプラス傾向となった調査内容もある。

サッシャ:コロナ禍を経て、その前後でどう行動が変わったかという世界全体の調査がありました。どの年代も一致して「他人を助ける」「寄付をする」「ボランティアをする」の指数がどれもアップしているんですよ。幸せ度合いは、国と世代によって色々ありますが、コロナ禍を経て人々は少し優しくなったのかもしれません。

ノイハウス:自分も苦しい体験をしたからこそ、他の人に手を伸ばしたいという気持ちがあるのでしょうね。

サッシャ:共生していく、共に生きていくということをより感じたのであれば嬉しいなという、希望も持てる調査でした。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
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村上春樹「自分のカヌーは自分で漕げ」学生時代にカート・ヴォネガットの小説で出会った言葉

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。4月28日(日)の放送は「村上RADIO~村上の世間話4~」をオンエア。好評の「村上の世間話」シリーズ第4弾は、クスッと笑える“世間話”を、村上DJが選曲したグッドミュージックとともにお届けしました。
この記事では「今日の言葉」について語ったパートを紹介します。



◆The Sandpipers「Chotto Matte Kudasai」
サンドパイパーズが歌います。「ちょっと待ってください」というのが曲のオリジナル・タイトルなんです。マジで。

◆TSF「Salade de Fruits」
TSFというフランスのボーカル・グループが「フルーツ・サラダの歌」を歌います。

トマト・サラダも好きだけど、フルーツ・サラダもいいですよね。マンゴー入りのサラダが僕の好物です。



◆<クロージング曲>
Barney Wilen「As Time Goes By」

今日のクロージング音楽、フランス人のベテランテナーサックス奏者バルネ・ウィランが「As Time Goes By」を演奏します。いいですねえ。決めの歌詞、「月の光とラブソングが、時代遅れになることはない」。本当にそのとおりです。

ちなみに今日おかけした音楽は、すべて僕が最近中古屋さんのバーゲンで買い込んできたCDです。値段は100円か200円か、高くて300円。そんなものです。バーゲン・コーナー、こまめに探すとけっこう素敵なものに巡り会えますよ。

さて、今日の言葉は、
「Paddle Your Own Canoe(自分のカヌーは自分で漕げ)」です。

これはボーイスカウトのモットーにもなっていますが、もともとは英国の古い格言です。でも僕がこの言葉を初めて知ったのは、学生時代にカート・ヴォネガットの小説『スラップスティック』を読んだときです。その中でこの言葉はとても印象的に使われていて、今でもよく覚えています。『スラップスティック』、愉快な小説ですよね。先日久しぶりに読み返して、あらためて感心しました。

「自分のカヌーは自分で漕げ」。要するに自分のことは人に頼らずに、自分でしっかりやれということですよね。

でも「自分のことは自分でやれ」と言うと、身も蓋もないというか、ごく当たり前の「ご教訓」になってしまいます。でも「自分のカヌーは自分で漕げ」って言われると、そのシチュエーションが目の前に浮かんできますよね。実際にカヌーに乗って、パドルを手にして、1人で急流を乗り切っているような、そんな具体的な気持ちになります。「がんばらなくちゃ」、みたいな。

言葉の力って、表現の力って、結局そういうことなんですよね。生きた具体的な共通イメージを、送り手と受け手の間に起ち上げること。僕はいつもそのことを頭に置いて文章を書いています。それって大事なことです。

「自分のカヌーは自分で漕げ」

漕いでください。



番組では他にも、ほとんど夢を見ないという村上さんが鮮明に覚えているという“夢の話”から、近所をジョギングしているときにある動物に遭遇したときのエピソード、学生時代の夏休みに一人旅をしたときの思い出などについて語る場面もありました。

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4月28日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 5月6日(月・祝)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO~村上の世間話4~
放送日時:4月28日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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