Nulbarich、メンバーを固定しない理由は? JQが語る「僕が飼育員みたいな」

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。2月7日(木)のオンエアは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお届けしました。

日替わりナビゲーターがお送りするコーナー「DAILY SESSIONS」。この日は、NulbarichのJQさんと水野の対談模様をお届けしました。


■楽曲作りで大事にしていることは?

JQさんが楽曲作りで大事にしていることを伺いました。

JQ:自然と音に乗れるかというか、リズム感みたいな部分は、楽曲で一番ポイントにしてるかもしれないですね。
水野:Nulbarichは、英語と日本語が混ざった感じがありますよね。言葉のチョイスとか、特に言語にこだわらず、意味合いにもなだらかにしている。それは、リズム感を大事にしているから?
JQ:曲の中にパンチラインが連続すると、自分の中で疲れちゃう部分があって。シームレスに英語で聴ける音楽のなかに、日本語がポンと入ってきたほうが説得力があるんじゃないかと、なんとなく思っています。
水野:聴いていて、「この流れる感じはなんなのだろう」って、すごく思ったんですけど、あえてパンチラインを避けてるんですね。
JQ:そうですね。基本的に、言いたいことは1曲の中でひとつあればいいかな、と思っています。あとは、曲の見える景色とか、そういうものが作ってくれると思うので、同じことをずっと言われるよりも、順を追って景色を作ってから言ったほうが、説得力があるのかなと思って。
水野:へえ〜。
JQ:意外と曲のパンチラインは、Dメロとか、オチとしてメッセージを落とすことが多いです。

楽曲は歌詞から作り始めることが多いとのこと。1個のキーワードに対するビートを打っていくそうです。



■メンバーを固定しない理由

メンバーが固定されていないNulbarich。バンドとして変わったカタチですが、どんな意味があるのでしょうか。

水野:パートごとに何名かいて、JQさんが求めたことに対して、その場ごとにある種のセッションチームが組まれていく感じですけど、これは最初からそうだったんですか?
JQ:最初からそうです。もっと自由なバンドを作りたくて。やっぱりバンドとなると、主張しなきゃいけないとか、その人のポジションとか、政治的な要素が必ず出てきちゃうから、「隠しちゃえ!」という感じです。
水野:(笑)。
JQ:ライブも、誰がいくとか決めずに「じゃあ、おまえいく?」みたいな。音楽室でなんとなくセッションをしている感じのままプロになりたいっていう。ありえない理想なんですけど……。
水野:いや、一番いいカタチだと思います。
JQ:そうするためにはどうしようと思って、最初は僕だけがフロントマンというか、プロモーションとか。ほかのメンバーは超自由なので、僕が「おまえこれやれ」とか言うんじゃなくて、僕が飼育員みたいな、猛獣を扱うみたいな感じです。
水野:メンバーからアクションがあるという感じなんですか?
JQ:逆に、メンバーからのインプットを整えてコンポーズしていくことが多いです。たとえばうちは、鍵盤とギターとベースとドラムが何人かずついるというスタイルで、曲のアレンジを投げるときに「これ、鍵盤いらなくね?」みたいなことがあったんです。グッドミュージックにフォーカスしてるから、曲を作る段階では自己主張みたいなのが入ってないんです。そのときに自分がいないほうがいいんだったら、いないほうを選ぶという感じでなので、一緒にいて面白いですね。
水野:メンバーはある種、Nulbarichを遊び場みたいに考えてるんですか?
JQ:ひどいですよ。いや、「ひどい」って言っちゃうとよくないけど(笑)。メンバーでもあるし、僕のことを裏切ることを楽しみにしてるんじゃないかっていうぐらい、演奏もちゃんとやってくれないというか、セッションでやっていく感じ。いじめてくるんです。でも、僕は予期せぬことが起きたほうが楽しいし、想定外のことにビビッとくるから、メンバーのアクションとか、ライブ中にイラつくこともあるけど楽しいんです。
水野:ライブ中の本番で、想定外のことがくるんですね(笑)。
JQ:そうなんです。鍵盤とかギターとかもそうだけど、トップノートを変えられるとピッチがとりづらくなっちゃって。普通にテンションコードとかを入れてくるから。
水野:「ちゃんとルートを弾けよ!」みたいな。
JQ:ベースの小節をまたいで一小節目までフィルインを入れてきたりするから、「めっちゃ歌いづらいな」と思うんですけど、なんだかワクワクしちゃうんですよね。


■ライブでは音源を再現せず、新たなアレンジを追い求める

Nulbarichは3rdアルバム『Blank Envelope』をリリースしました。アルバムの初回限定版には、キャリア初の日本武道館単独ライブ「Nulbarich ONE MAN LIVE at NIPPON BUDOKAN-The Party is Over-」全22曲分の映像や、公演に向けたリハーサルの様子も収録されています。

水野:リハーサルも全然違うってことなんですよね。
JQ:そもそもリリースされている音源を全然再現しないんです。
水野:そんな予感がします(笑)。
JQ:「このメンバーが集まってやるんだったらどうする?」っていうのを話し合って、そこで別のノリを作っていく感じなので。
水野:公演ごとにメンバーが違うんですか?
JQ:公演ごとではないです。ツアーごとです。前回は3カ所ずつとかでやって、「大変だね。やめよっか」って。
水野:JQさんが一番大変そう。
JQ:曲が変わるので。とはいえ、鍵盤がひとり入れ替わったりするだけで、ノリがすごく変わるじゃないですか。誰かが軸になって、そのノリについていくと、全然違う曲になるから、個人的にはそれが楽しみではあります。
水野:再現性がないというか、自分でコントロールしきれないじゃないですか。同じ曲をやってるんだけど、毎回違うことに対して、フラストレーションはないんですか?
JQ:“ドM”なのかな? 僕はリミックスとかがすごく好きで、ヒップホップが自分の根本にあるんですけど、リミックスがオリジナルを超えることがけっこう多いので、「壊されてなんぼ」みたいな感覚があるんですよ。
水野:固定化してることには、そんなに価値を置かないというか。
JQ:そうですね。一緒に育っていくみたいな感じがあるかもしれないですね。
水野:その育ち方も、自分が想像していたものと全然違ってくることがあるっていうことですね。
JQ:「ジャンル感とか変わってきてるね」みたいなのもあります。
水野:そこまで?!
JQ:最初は2番だけアレンジを変えたりするんですけど、結局「そのノリが一番よくない?」ということになって1曲まるごとそのノリになるとか。本番でトライしていたフレーズがよかったということになったら、次からはマストにするとか。ライブをやりながらアレンジができあがっていって、尽きてきた頃に次のアルバムを出していくみたいな。
水野:相当濃いファンの方は、全公演観たいんじゃないですか。
JQ:毎回違うことに喜びはあるんですけど、全部観てもらうとなんか恥ずかしいですね(笑)。全部観られちゃった感じ。

■グッドミュージックは「いい音楽を研究し続けること」

最後に、水野の対談企画恒例の質問「あなたにとって“グッドミュージック”とは?」。JQさん「研究し続けること」と答えました。

JQ:かっこいい音楽は、日々変わっていくじゃないですか。一生のテーマというか、みんなで共有できる音楽というのは、果てしない道のりだと思うので、僕たちも、しっかりとそこにまっすぐ進んでいけたらいいなと思っています。
水野:かっこいいなー!

対談を終えた水野は、藤田とともに改めて、こう振り返りました。

水野:メンバーを固定化してないところに一貫性があって、それがライブでもあります。
藤田:僕らは仕上がってるものを観てるけど、あんなにバチバチにせめぎあっていたんですね。
水野:いつの間にか、ポップスとかは音源に固定化されたものを神格視しがち。でも、音楽ってそうじゃないじゃないですか。リミックスの文化もあるから「そうか」って思わせることがすごく多かったです。

Nulbarichは3月から全国ツアー「Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 -Blank Envelope-」が始まります。東京公演はすでにSOLD OUTですが、追加公演が5月9日(木)にTOKYO DOME CITY HALLで開催されます。こちらも要チェックです!

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番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時−24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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フジファブリック・山内が絶賛! 藤巻亮太がレミオロメン結成より前に作った曲を披露

J-WAVEの番組『GYAO! CLUB INTIMATE』。アーティスト同士が本音で語り合うこの番組。2月8日(金)のオンエアでは、藤巻亮太さんとフジファブリックの山内総一郎さんの対談をお届け。初めて作った曲や2019年の活動などの話題で盛り上がり、スタジオセッションも披露しました!


■藤巻が最初に作った曲は?

山内さんが藤巻さんに「最初に作った曲を覚えてる?」と問いかけると、意外なエピソードが飛び出しました。

藤巻:もともと僕はミュージシャンになりたいって思いはなくて、建築士になりたかったんです。でも志望大学に受からなくて、土木科に入ったんです。だからダムとかコンクリートとか道とか、そういう勉強をしているときに、音楽に目覚めました。そのときに初めて作った曲が、理系・土木科なので『コンクリート』って曲(笑)。
山内:えー! それリリースされてるの?
藤巻:レミオロメンの結成前、大学の友だちとやっていたバンドだから。すごく無機質な曲。
山内:ちなみに、どんな曲なの?

藤巻さんが『コンクリート』を披露すると、山内さんは「めちゃめちゃいい」と絶賛。さらに、山内さんも「詞は忘れた」と言いつつ、初めて作った曲を披露しました。「これ、フジファブリックでやったほうがいいんじゃない」と、そのメロディーのすばらしさに感動する藤巻さん。「この番組がきっかけで、この曲を発表できたらうれしい」と盛り上がるふたりでした。

その後、山内さんが最初に覚えたギターコード「G」を使って作った、ふるさとの曲『手紙』のセッションを披露しました。フジファブリックのニューアルバム『F』の収録曲です。
 

フジファブリック・山内総一郎、藤巻亮太

 

 


■山内「ニューアルバムは最高傑作をテーマに作った」

今年でデビュー15周年を迎えるフジファブリック。『F』は、「最高傑作を作ろう」というテーマを掲げて制作されました。

山内:バンドマンの亮ちゃん(藤巻さん)ならわかると思うんだけど、「最高傑作を作ろう」ってテーマを掲げるのは、なかなかハードルが高いじゃないですか。
藤巻:バンドを続けてくるとね。でも、このアルバムはすばらしいですよね。
山内:自分たちが興奮するくらい、いい作品ができたので、ぜひ聴いてもらいたいですね。

フジファブリックは、3月からツアー「フジファブリックLIVE TOUR 2019 "FEVERMAN"」を、10月からは「フジファブリック 15th anniversary SPECIAL LIVE at 大阪城ホール2019 『IN MY TOWN』」を開催します。


■レミオロメンの曲をリアレンジしたアルバム

藤巻さんはこの春に、レミオロメンの楽曲を弾き語り中心のアレンジでセルフカバーしたアルバムをリリース予定です。

藤巻:レミオロメンとソロで曲は変わるんですけど、地続きなんですよね。1曲1曲に向き合ってきて、みんなで頑張っていいアレンジをしてきて。「そこにある曲の一番シンプルなエッセンスって何だろう」ってことに向き合ってみたいと思いました。一番ミニマムだとアコースティックとか弾き語りなんだけど、レミオロメンの楽曲をリアレンジして、アルバムにして、みんなにもう一回聴いてもらいたいです。オリジナルの曲をもう一回聴いてもらえる手助けになったらいいなと思います。

藤巻さんは、4月から弾き語りツアー「藤巻亮太 弾き語り LIVE TOUR 2019」がスタートします。

山内:亮ちゃんの弾き語りってすごく感動するんですよね。歌に感情がグッと入ってるじゃないですか。いつもすごいなと思います。
藤巻:ありがとうございます。今思うと、バンドのときってすごく守ってもらってたなとか、助けてもらってたなってすごく思うんですよね。それは感謝しかないです。でもソロの場合、もちろんスタッフもいるので、1人でやってるとか大仰な気持ちはないんですけど、ただ、1人でやっていくことをすごく感じる時間が多い。誰かに生かされているので、1人で生きているとは思わないけど、組織の中の自分もいる。でも、本来は自分という人間として生まれたときに、「自分って何がしたいんだろう」とか「どういうふうに生きるべきなんだろう」とか、そういうことってまわりが教えてくれることでもないところがあるじゃないですか。
山内:そうやって自分で自分を掘っていかないと、自分の中になにか溜まってしまうよね。
藤巻:その戦いはその戦いであるような気がしていて、ソロになったときに「どっちの自分もいるよね」と思ったんです。ある意味、羊の群れの中の自分と、一匹おおかみのように生きていく自分と、ソロ活動をはじめて、今でもそれがせめぎ合う感覚がありますね。

そんなソロとバンドの自分がせめぎ合う感覚の曲として、藤巻さんは自身の楽曲『オオカミ青年』を披露しました。

2019年も藤巻さんと山内さんの活躍から目が離せません。ツアーやアルバムなど、ぜひチェックしてみてください!

GYAO!の特設サイトではトークの様子を動画で配信中です。こちらもぜひ、ご覧ください。

・『GYAO! CLUB INTIMATE』特設サイト
https://gyao.yahoo.co.jp/special/clubintimate/

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【番組情報】
番組名:『GYAO! CLUB INTIMATE』
放送日時:毎週金曜 23時−23時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/clubintimate/

 

 

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