杏が興味津々の「寝食を忘れてのめり込める本」 大倉眞一郎が渾身の一冊を紹介

J-WAVEで放送中の番組『BOOK BAR』(ナビゲーター:大倉眞一郎・杏)。毎週ナビゲーターの2人が「今読むべき本」として、おすすめの本を持ち寄っています。最終回となる3月30日(土)のオンエアでは、リスナーのメッセージをもとに、大倉と杏が本を紹介しました。


■短時間でサクッと読めて気分転換になる1冊

まずは、杏と同じ3姉妹のお母さんからのメッセージを紹介しました。

自分の時間があまり取れません。夜も娘と寝落ちして、朝に「また、やってしまった」の繰り返し。『BOOK BAR』で紹介していた本を図書館で借りたり、買ったりしていますが、なかなかそれが読めずストレスになるばかりです。娘たちはもちろんかわいいし、手がかかるこの時間はいくばかりもないということはわかっています。贅沢な悩みなのです。ただ、少し今の生活から抜け出してみたい。短時間でサクッと読めて気分転換になるような本はありますか?

:わかる。子どもの寝かしつけで一緒に寝落ちするのは寝てるんじゃないの、あれは気絶。これは声を大にして言いたい。だから、疲れも取れないし、そのあと起きて「仕事とか家事とかをやらないと」って思っても、脳みそが働かなくてだるい感じになってしまう。
大倉:いったん気絶しちゃうとね。
:不本意な気絶なんです。そんなときに「一緒にゴロゴロしてていいじゃん」なんて言われたら……。
大倉:「そんなこと一言でも言ってみろ」ってなるよね。

そこで、杏が紹介したのはキム・ウンジュさん著、ヤン・ヒョンジョンさんがイラストを担当した『+1cm(プラスイッセンチ) たった1cmの差があなたの世界をがらりと変える』です。

見開きでひとつのトピックが完結しているこの本は、かわいいイラストとともに、いろいろな問いかけをしています。たとえば、「空色」と言えば何を思い浮かべるか、というもの。

:だいたいの人は空色を水色と答えますが、朝焼けはオレンジだし夕焼けはちょっと赤く、曇り空はグレーで夜の空は黒ですよね。そんな「とらわれない発想をちょっとしてみて」っていう。「想像してみて」とか「ちょっと発想を変えてみて」っていうメッセージです。

この本はストーリーがなく、気分転換にパラパラと読める本なので、「忙しいと思うけど合間合間に読めるんじゃないかな」とおすすめしました。
 


■大倉「この本を読まずに死ねない」

続いて、48歳の主婦で図書館の司書として働いていたこともある読書家リスナーからのメッセージを紹介しました。

はじめて読む作家の本を手に取るものの、心を揺さぶられなくなりました。読書をしてガッカリすることが何よりも苦手なので、ついお気に入りの本を再読したり、同じ作家の本を読んでばかりいます。なんとなく似たような、同じような話ばかりで、最近「寝ないで読み切ってしまった」ということがなくなりました。そこで、時間と現実と寝食を忘れるような一冊を教えてください。

そこで大倉が紹介したのは、半村 良さんの伝奇小説『妖星伝』。

大倉:この本を読まずに死ぬな。死ぬのはこの本を読んでからでしょ、という本です。
:寝食を忘れてのめり込める本なんですね。
大倉:100パーセント自信があります。

現在は3巻の文庫本として発売していますが、もともとは7巻の単行本であり、各巻で文字の色がちがうという非常に変わった本でした。

大倉:この本の内容は、地球というこんな星になぜ生まれてきてしまったのか。これだけの命が咲き乱れているなか、お互いにむさぼり食い合いながら成り立っているのはなぜか、ということから半村さんが大風呂敷を広げてストーリーを展開しはじめます。歴史も絡むし、ちょっとエッチな部分も入るし、ありとあらゆるエンタテインメントがこの本に詰まっています。
:時代モノでもあるんですか?
大倉:一応舞台は江戸なんだけど、その前の時代から、そしてその後の時代まで、「これ一体、どうするつもり?」っていうくらいの本です。スーパーエンタテインメントだけど最後は哲学の話になります。

大倉は「ジャンルは関係なくのめり込んでほしい」とリスナーにおすすめしつつ、この本を杏にプレゼント。杏は「持ち歩くには難しい厚さだから、家で没頭します」と喜んでいました。

 

 

大倉眞一郎・杏


■杏「本って果てがない」

11年にわたりお届けしてきた『BOOK BAR』も今回で最終回。大倉と杏はこれまでを振り返るとともに、「これまで番組を続けてこられたのは、みなさんのおかげ」と感謝を伝えます。

:まだまだ紹介できていない本もたくさんあるし、読んでいない本もたくさんあるから、本って果てがないですね。
大倉:はじまりがあるから終わりがあるけど、終わりがあるからはじまりもあります。
:私と大倉さんは、実はお互いが紹介してきた本をほとんど読んでいないんです。これからは、その本たちを読んでいく新しい世界がはじまりますね。

4月からは、大倉と原カントくんがナビゲートを務める、好きなものがブクブクと溢れ出す番組『BKBK(ブクブク)』がはじまります。オンエアは火曜26時30分から27時。こちらもお楽しみに!

この番組をラジコで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『BOOK BAR』
放送日時:土曜 22時−22時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/bookbar/

 

 

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補欠選挙の結果を分析。「保守王国」と呼ばれる島根に変化が?

4月29日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは政治ジャーナリストの角谷浩一さんに、4月28日に行われた補欠選挙の結果を解説してもらった。この記事では島根1区に関する部分をピックアップする。

長野智子「選挙区ごとに分析などいただければと思います。まずは唯一の与野党対決となった島根1区です」

角谷浩一「亀井(亜紀子)さんは一度現職もやられていたので返り咲きということになりますが、島根が『保守王国』といわれますよね。1区はずっと細田(博之)前衆議院議長が地盤を守っていて」

長野「小選挙区制度の導入以降、ずーっと。勝ち続けた」

角谷「2区は、もう亡くなりましたけど竹下亘さんがずっと議席を持っていた。つまり保守王国というより、細田さんと竹下さんがずっとやっていたと。ある意味で当たり前だった。それがお二人ともご存命でなくなって、時代が変わってきて、新しい人が。それも自民党の人が引き継ぐものだと思っていたら、こんなことに、と。細田さんがお亡くなりになったための選挙ということで、自民党も候補者を立てました」

長野「はい」

角谷「ただ細田さんは(旧)統一教会との関係が取り沙汰されたり、じつはセクハラ問題というのがあったり。それに安倍派を細田さんはずっと守っていた、ということも。いま問題になっていることを全部抱えていた、みたいな問題があった。お亡くなりになったので自民党は候補者を立てたけど、そんなに簡単ではなかった、ということ」

長野「きちんと説明されないまま、亡くなられてしまったわけですね」

角谷「今回負けたけど、次はもう有権者は自民党に帰ってくる、という声も地元にはあるんだと思います。今回も県会議員がほとんど動かなかった、という話もありました。一方で世論調査、事前のいろんな調査ではかなり引き離されていて、亀井さんが強かった。でも(岸田文雄)総理は2度入ったんですね。最後の土曜にも入られると。総理が最後に入るのは、逆転できそうなとき、というのが不文律でした。数字の差が既にあるのに、総理は入った」

長野「はい」

角谷「これは岸田さんの独特なやり方というかな。突然、政倫審に出ると言う、派閥を解散すると言う……。岸田さんは誰かと相談して揉んで決めるというよりは、直感的に決められるんですね。島根1区は自民党が唯一出していたところだから、小渕(優子)選対委員長はずっと張り付いていました。国会開会中でしたけど、ずっと」

長野「はい」

角谷「岸田さんは2度も入った。茂木(敏充)幹事長は入らなかったんですね」

長野「それはなぜですか?」

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「岸田さんとの仲が微妙だという話も……」

角谷「ただ選挙に勝てば微妙どころか、戦うところで『茂木さん、よくやった』となりますよ。一生懸命、入らなかったというのは、幹事長自らが諦めていたんじゃないだろうか、とか。もっと言うと第一声。泉健太立憲民主党代表は、初日に島根で第一声、声を上げているんですね。ところが茂木さんは行かなかったと」

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