「J-POPの幅を広げる」が目標のa子、音楽ルーツの椎名林檎を語る

シンガーソングライターのa子が、音楽のルーツや、楽曲『ジェラシー』に込められた思いを明かした。

a子が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは5月9日(月)、10日(火)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。

『ジェラシー』は上京したばかりの頃の等身大の歌詞

兵庫県出身のa子は、子どもの頃からギターと作曲を始めた。2020年に自主レーベル・londogから1st EP『潜在的MISTY』を発表。今年1月にはEP『ANTI BLUE』をリリースした。「SONAR TRAX」にはたびたび登場しており、宅録アーティスト特集や、今年1月のディレクターが“この1年でヒットするであろうアーティスト”をプレゼンする企画でも名前があがっていた。

そんなa子は、シングルとしてリリースされたばかりの作品『ジェラシー』に、どんな自分らしさを込めたのか?

a子:この曲は高校生の頃に、ギターとメロディだけで作っていて、上京してから今のバンドメンバーに出会い、アレンジを施しました。インディーズさを保ちつつ、ポップな感じにしたいとも思っていて、そのバランスを整えることはすごく意識しました。

私はインディーな雰囲気の楽曲も大好きで、一方でJ-POPや海外のポップスも大好き。自分の好きな曲の範囲は広いと思っていて、プログレからインディーポップ、ドリームポップ、オルタナティブロックも大好き。そういった幅広い楽曲を上手く組み合わせて、自分の個性として昇華できるように、いつも考えながら作業しています。

この曲はタイトルの通り「ジェラシー=嫉妬」について歌った楽曲です。歌詞は上京したての頃に書きました。その当時、新しく出会ったミュージシャンやアーティストに対する気持ちをそのまま反映しています。

上京したばかりの頃の私は“本当に何も持っていない”というネガティブな気持ちに苛まれていました。そんな中で、そのときに出会ったミュージシャンたちは互いに切磋琢磨していて。音大に通ってしっかり音楽について勉強している子もいたし、みんながそれぞれ真剣に自分の将来を考えているように映りました。

そんな中、私は音楽についてあまりにも何も知らなくて。例えば、不快な音を指す「ハウる」って言葉の意味すら知らなかったんです。「嫉妬」と言ったら少しダークに聞こえるかも知れませんが、ちょっとしたジェラシーを抱えていたのは事実で、この曲はそういった気持ちをそのまま表現しましたね。

椎名林檎に影響「自分がやりたいことを全部やっている」

最近では88risingによるラジオ「88rising Radio」が選出するアジアの最注目アーティスト「THE ROOKIES OF 2022」にも選ばれた。国内外で注目されているa子の表現の源はどこから来ているのか? ルーツとなる音楽の出会いについて聞くと、日本のレジェンド女性アーティスト・椎名林檎の1曲をあげた。

a子:洋楽だとメン・アイ・トラスト、クレイロなどなどが好きで、J-POPだとYUIさん、サカナクションさんなんかを好んで聴いているんですけど、中でも私のルーツと言える1曲は椎名林檎さんの『浴室』です。

私には“J-POPというジャンルの幅を広げる”という目標があるんですけど、『浴室』にはそういうものを感じます。上京する前から椎名林檎さんのことは知っていたんですけど、自分がやりたいことを全部やっていると薄々感じていたので、怖くて聴けない時期がありました。ちらっとは聴いてたんですけど、ちゃんと聴くと影響されすぎてヤバイだろうなみたいな(笑)。

上京してからはしっかりと聴くようになりました。やっぱり私のやりたいことを全部やっていたけれど、もうここからは“林檎さんを目標にして頑張るしかないな”と思えました。

誤解を恐れずに言うと、林檎さんって“厨二病感が気持ちいい”というか(笑)、そういう心をくすぐられる歌詞が書かれていると思うんです。インタビューを読んでみたら「辞書を買ってきて、端から端まで読んでそれを歌詞にしていた」みたいなことを仰っていて。私も初めて歌詞を作ろうと思ったときに辞書を買って“こういう風に作っているのかな”と考えながら、作業しました。そういう意味ではモロに影響を受けていますね。

今は林檎さんサウンドのアレンジのかっこよさというのもやっとわかるようになってきました。初めて聴いた当初は“新しい”としか思えなくて、実際は何がすごいのかよくわかっていなかったんです。今はアレンジがスゴいことはもちろん、演奏が上手すぎることなど、いろいろわかるようになりました。それはすごくうれしいことですね。

椎名林檎との出会いは、影響を受けるのが怖いと思うほどのものだった。しかし、そのネガティブな感情から逃げずに自分を高めたことで、新進気鋭アーティストとして注目される今があるようだ。



アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。

・公式ページ

https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/

(構成=中山洋平)
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江口のりこ×中条あやみ×笑福亭鶴瓶 大いに泣いて笑って元気になれる人生賛歌!『あまろっく』

ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」(日曜朝5時~)で、おススメの最新映画をご紹介しているコーナー『サンデー早起キネマ』。4月14日は、家族の絆と愛を描いた3本をご紹介しました。

その1本は、「人生に起こることは何でも楽しまな!」 関西出身の豪華キャストで贈る、笑って泣いてロックに生きるご実家ムービー『あまろっく』。

『あまろっく』  (c)2024 映画「あまろっく」 製作委員会

舞台は兵庫県尼崎市。ここには、船舶が通行できる日本一大きな尼崎閘門があって、“0メートル地帯”に海水が流れ込むのを防ぎ、水害から街を守っているのです。閘門は、英語でロックゲート、だから愛称は“尼ロック”!

この街で町工場を営む能天気な近松竜太郎の娘・優子は、「父のようにはなりたくない」と幼い頃から何でも頑張り、堅物だけれどエリート街道をまっしぐら! しかし、理不尽なリストラで失業し、39歳・独身にして尼崎に戻ってきます。昼間はゴロゴロ、夜は幼馴染がやっている駅前のおでん屋台でほろ酔いの日々。

そんなある日、65歳の父が突然「お父ちゃんは再婚します」と言いだし、なんと20歳の早希を連れてきます。役所で働く早希は、孤独な幼少期を過ごし、誰よりも“家族だんらん”を夢見ていたのです。ずっと年下の“継母”の登場に戸惑う優子は、共同生活を受け入れることができず、三人の日々は衝突と騒動の連続でした。

そしてある日、思いがけない悲劇が近松家を襲います。優子はこれまでの人生を振り返り、家族の“本当の姿”に気づいていくのです。

『あまろっく』  (c)2024 映画「あまろっく」 製作委員会

メガホンを取ったのは、小学生の時まで尼崎で育ったという中村和宏監督。数年前まで“尼ロック”の存在を知らなかったそうです。「日本一と言いながら知名度はほぼゼロで尼崎市民でも知らない人がほとんど。なんのアピールもせず、ただそこにいるだけで家族を守っている不器用な父親のようだと思った」といいます。そんな“尼ロック”の下で暮らすハチャメチャな面白い家族の物語を書きたかったとこの作品を作りました。

『あまろっく』  (c)2024 映画「あまろっく」 製作委員会

とても優秀なのに居場所がなくなる優子役は、江口のりこさん。愛想がなくて忖度もできないから、煙たがられて孤立してしまう……でも実は優しくて可愛い!という役が本当にピッタリでした。

若すぎる継母・早希には、中条あやみさん。家族になろうと一生懸命で「優子ちゃん、〇〇やで~」とグイグイと優子に切り込んでいく姿がキュート!中条さんのベタベタの関西弁も、魅力的。

そして、街の“尼ロック”のごとく、家族を見守る父・竜太郎役は、ニターっと笑う顔が憎めない笑福亭鶴瓶さん。最高です!「人生におこることは何でも楽しまな!」が口癖。

『あまろっく』  (c)2024 映画「あまろっく」 製作委員会

この作品を観ると、本当に、人生を楽しまなきゃっていう気持ちが沸々と湧いてきて、自然と胸を張り大きな歩幅でグングン歩いて行けそうな気になります。何があっても、そこから立ち上ってまた歩き出せるのが人間、支えてくれる家族や仲間がいれば尚更です。

大いに泣いて笑って元気になれる人生賛歌!この春あなたも元気をもらいに映画館に出かけませんか?

『あまろっく』  (c)2024 映画「あまろっく」 製作委員会

『あまろっく』
4月19日(金)新宿ピカデリー他 全国公開

江口のりこ 中条あやみ
松尾諭 中村ゆり 中林大樹 駿河太郎 紅壱子 久保田磨希 浜村淳
後野夏陽 朝田淳弥 高畑淳子 (特別出演) 佐川満男
笑福亭鶴瓶
監督・原案・企画:中村和宏
2024年 日本 /119 分 カラー シネスコ /5.1ch
配給:ハピネットファントム・スタジオ

(c)2024 映画「あまろっく」 製作委員会

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