峯村リエ「舞台上でセリフが真っ白になったとき」

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、女優の峯村リエが出演。演技をすることの怖さについて語った。

黒木)今週のゲストは女優の峯村リエさんです。舞台は1年間のなかで、どのくらいやっていらっしゃいますか?

峯村)大体2本で、多くて3本です。

黒木)体調管理はどうなさっているのですか?

峯村)最終的には睡眠ですね。よく寝ることだなと最近は思っていますけれども。

黒木)舞台に立つことへの恐怖はないですか?

峯村)あります。最初のころは本当にただ楽しいだけだったのが、だんだんと年数を重ねるうちに怖さが増えて行きますね。1回、舞台の上でセリフが真っ白になったときがあって。

黒木)セリフがどこかに行ってしまった…。

峯村)近くにいる人に何だっけと聞いたら、教えてくれて、それで思い出して言ったのですけれども。怖かったです。

黒木)怖かった? 一瞬ドキンとするのですよね。

峯村)相手の方が出て来ないときもドキンとしますよね。

黒木)相手の方が出て来ないときは、逆に度胸が据わります。「思い出せ、思い出すんだ」と、何となく思い出せるようなセリフを言います。

峯村)さすが、素晴らしい。

黒木)自分がなったときはすごく怖がるのだけれども、相手の方がなられたときにはもう「どんと来い」みたいな。「思い出せ」と。

峯村)いいですね、黒木さんとご一緒させていただくと。

黒木)でも、そういうものがあるとトラウマみたいになって…。

峯村)しばらくは少し怖かったです。そのうちだんだんとそれもなくなって来ました。ですが、きちんとできているのかという怖さは常にありますね。

黒木)キャリアも上がって来ると、やはりいいところを見せなければならないという、違う気持ちも入って来るので怖がるのでしょうね。

峯村)そうですね。期待していただいている、それに応えなくては、という気持ちですね。そういう怖さも確かにありますね。

黒木)今回の舞台はいかがですか、そうなりそうな個所はありますか?

峯村)今回は丁寧に丁寧に、みんなで作っているから、きちんと行っていればという自信があるので大丈夫ではないかしら。

黒木)本当にストレートプレイなのですか?

峯村)ストレートプレイです。

黒木)途中で歌があるとか。

峯村)ないです。歌ったら怒られます。

黒木)体調管理という意味で、食事はどうなさっているのですか?

峯村)稽古中、本番中は、野菜でお惣菜を作るお店を営んでいる知り合いがいるのですよ。その人に頼んで届けていただいています。

黒木)いいですね。

峯村)1人で住んでいるので、たくさんお野菜の種類を食べられないため、そこで作ってもらうといろいろなものを食べられて、バランスもいいなと思っています。

黒木)やはり野菜中心なのですか?

峯村)野菜中心と言っても、魚もお肉も食べます。お芝居が終わった後はどうしてもお酒をいただいてしまいます。

黒木)そのために頑張るというような。

峯村)そうですよね。せめて朝だけはバランスのよいものを食べています。


峯村リエ/女優

■1964年3月24日生まれ。東京都出身。劇団『ナイロン100℃』に在籍。
■子供の頃から芝居好きの母親の影響を受け、さまざまな芝居を観劇。高校卒業後、俳優養成所『五月舎』の演出部に入所。
■ナイロン100℃結成時からのメンバーとして活躍し、数々の舞台に出演。テレビドラマ・映画への出演も数多く、大河ドラマ『真田丸』では茶々の乳母、大蔵卿局を演じて大きな話題に。堤幸彦監督作品にも数多く出演されている。
■2019年8月からは舞台『ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~』に出演。

ENEOSプレゼンツ あさナビ
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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周防正行「サイレント映画について大変な勘違いをしていました」

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、映画監督の周防正行が出演。最新映画『カツベン!』の題材となったサイレント映画について語った。

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)今週のゲストは映画監督の周防正行さんです。周防監督の5年ぶりとなる最新作映画『カツベン!』が全国公開中です。『カツベン!』は、映画の始まりの時代を駆け抜けたスーパースターである、活動弁士の話なのです。

周防)日本に初めて映画が入って来たときに、「Motion Picture」という言葉をそのまま訳して「活動写真」と呼んだのですね。そのときは、まだ映画に音がなかったのですよ。スクリーンの横に人が立って、写っているものの説明を始めたのです。最初は物語映画ではなかったから、何が写っているかとか、どうして動くとか、まさに“写真が動く”ということは始めてのことだったので、世界中で流行るわけです。当時、日本ではそのように説明する人が、最初の日の上映からいたのです。

黒木)つまりは紙芝居みたいに「こういう物語ですよ」と、ト書きも言えばセリフも言うという…。

周防)最初は単なる出来事が写っていました。駅に列車が到着するとか、工場から人が出て来るとか。それがやがて物語を持つようになって、弁士は物語をきちんと説明することを始めました。こういう文化が根付いたのは日本だけなのです。アメリカやヨーロッパでも説明する人が立った記録はありますが、職業としては説明していません。アメリカ、ヨーロッパは生演奏の音楽だけで魅せていたのです。

黒木)『カツベン!』はオリジナルの作品ですが、どうしてこれを映画にしようと思われたのですか?

周防)僕が浅はかにも、ずっと無視をして来たから。

黒木)え?

周防)大学生のときに、サイレント映画をたくさん観ていました。そのときはサイレント映画だから音がない状態で、活動弁士の説明も音楽もない、まさに無音の動く画を観るというのが、サイレント映画の見方だと思っていました。活動弁士がいることも、音楽があることも知っていたのですが、それを無視していたのです。サイレント映画なのだから、サイレントで観ないと監督の意図は伝わらないのだと、ずっと思って生きて来た。でもつい最近、僕の助監督をして下さっていた片島章三さんが「こんな本を書きました」と、この映画の元になる台本を読ませてくれたのですね。

黒木)いつも周防監督は、ご自分でシナリオをお書きになりますよね。

周防)自分のシナリオではないのは、今回が初めてです。

黒木)そのシナリオを読まれてどうだったのですか?

周防)「僕はなんて勘違いをしていたのだろう」と思いました。当時、明治の終わりから大正昭和の始まりにかけて、無声映画をサイレントで観ていた人はいなかったのです。当然、映画監督は自分の作ったものが上映されるときに、生演奏があり、誰かの説明が入るとわかって撮っていたのですね。要するに、監督がサイレントで観てもらうことを前提に撮っていなかった。それを僕はサイレントで観ていたのですよ。「これはいけない」と。それも僕は映画監督なのに、なぜ日本映画史の重要なことを無視して来たのだと思って、大反省です。音がない状態で物語をつくり上げるというのは、映像を作る人間としての最高のテクニックだ、技術だと思っていたのです。それこそが映画の基本と言うか、映画の本質だろうと。

黒木)それが180度変わったわけですね。

周防)変わりました。

黒木)活動弁士という方々がいて、初めてサイレント映画は成り立つのだと。

撮影・下村一喜

周防正行(すお・まさゆき)/映画監督

■東京・目黒区出身。1956年生まれ。
■立教大学在学中に、高橋伴明監督の助監督を務めるようになり、以降、若松孝二監督や井筒和幸監督の作品に助監督として携わる。
■1984年に小津安二郎へのオマージュを含んだピンク映画で監督デビュー。
■1989年に『ファンシイダンス』で商業映画初メガホン。
■1992年の『シコふんじゃった。』で、日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞。
■1996年には大ヒット作『Shall We ダンス?』公開。日本アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞など13部門を総なめ。
■2006年には痴漢の冤罪裁判を描いた『それでもボクはやってない』、2011年にはバレエ作品を映画として収めた『ダンシング・チャップリン』、2012年には終末医療を題材にしたヒューマンドラマ『終の信託』、2014年には花街で成長する舞妓の姿を描いた『舞妓はレディ』を監督。
■最新作は、2019年12月13日公開の『カツベン!』。大正時代に全盛だった無声映画を個性豊かな語りで彩った「活動弁士」が主人公。活動弁士を志す青年・俊太郎を成田凌が演じ、ヒロインを黒島結菜が演じる。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(12月9日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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