巨大IT企業への規制を強める新法実施へ。違反企業には売上高の20~30%の納付を命じる方針

4月17日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、スマートフォンの巨大IT企業への規制が強まるというニュースについて意見を交わした。

スマートフォンのアプリ市場で支配力がある巨大IT(情報技術)企業への規制が強まる。公正取引委員会が今国会に提出を予定する新しい法律では、アプリストアの独占行為を事前に禁じるほか、違反企業には売上高の20%の課徴金納付を命じる。それでも違反を繰り返すと30%にするという案が出ている。
先行する欧州(ヨーロッパ)型の規制を整えて、競争を促す。
規制の概要は「アプリストアや決済システムで、他の会社の参入を阻害する」「端末の購入時に初期搭載されたアプリを消去しにくい仕様にする」「検索で自社のサービスを優先表示する」「OSの運営を通じて知った他社のデータを、自社のアプリに活用する」といった行為を禁じる。
この規制により、消費者には「多様なアプリを安い値段でダウンロード出来るようになる」などの利便性が期待されるが、巨大IT企業には公正取引委員会などに順次状況を定期的に報告するよう求める。違反行為があった場合には、公正取引委員会が排除措置命令、課徴金納付命令といった行政処分を実施する。

寺島尚正アナ「この巨大IT企業に対して規制していこうじゃないかという動き、森永さん、いかがですか?」

森永康平「そうですねえ、消費者にとっては、これが実際にちゃんと実行されればメリットもあるなと思いますけども、ただなかなか難しいですよね。そもそもアップル自体は、スマホのOSのシェアではもう半分近くを握っているわけですし、例えばね、今回広告云々というのがきっかけになっていますけど、グーグルなんかで言うと、検索で言ったら世界で9割ぐらいのシェアを持っちゃってますから」

寺島「9割ですか……」

森永「だからそこに対して法整備でどれだけ規制をかけられるかというね、そこのところはちょっと疑問ですよね。あとは、こういう規制が出てくると、規制の前の段階に合わせて色んなサービスを展開していた企業が一気に潰れたりとか業績悪化したりすることがあるので、そのあたりをどう見ながら……いきなりガン!とキツくやっちゃうと、別に悪いことしてない会社が、業績が大きく凹んだりするので、そのあたりの締め付けのキツさの柔軟性をどこまで持たせるかって言うところが、次のポイントなんじゃないかと思いますね」

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何も考えないようにすればするほどなんか考えちゃうのはなぜ?

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。今回の質問は・・・

Q. 人って、何も考えないようにすればするほどなんか考えちゃうのはなぜですか?(栃木県 たえちゃん 10歳 小学5年生)

(回答した先生)恩蔵絢子さん/脳科学者

向井おにいさん:たえちゃん、どんなときにこの質問を思いついたんですか?

― 気づいたらぼーっとしていて、もう一回ぼーっとしようとしてみたらできなくて、不思議になったからです。

向井おにいさん:そうか(笑)。何も考えずにぼーっとしたいなあって、すごく考えちゃったんだ。

― はい、そうです。お母さんもそうだよね?

向井おにいさん:えっ、近くにお母さんもいるの?

― はい。

向井おにいさん:お母さんもやっぱり「わかる」って言ってた?

― 言ってます、言ってます。

恩蔵先生:たえちゃん、大発見したねえ。本当に面白い質問ありがとう。

― どういたしまして。

恩蔵先生:うふふふ(笑)。なんかぼーっとしなきゃしなきゃって考えちゃった・・・すっごく面白すぎて(笑)。私が考えたことを伝えてみるね。

― はーい。

恩蔵先生:例えば、向井さんのことだけは考えてはいけませんって言われたら、向井さんの顔が浮かんじゃう?

― うーん、なんか意識しちゃいます。

恩蔵先生:意識しちゃうよね。これだけは考えちゃいけないって禁止されるとかえってそれをもっと求めちゃうっていうのは、実は心理学者の偉い人が最近発見したの。だから、その偉い心理学者と同じことをたえちゃんは小学5年生で発見してる。

― ヘへーっ!

恩蔵先生:ははは! すごいね(笑)。その人の説明では、何か考えないようにしなきゃいけないって思うと、頭が「今、向井さんのことを考えていないよね」って頭の中の隅々まで点検するんだって。

― へええ。

恩蔵先生:そうすると「向井さんのことを考えてるところはないか?」って、ずっと呼びかけられちゃうの。

― へえ。じゃあ最終的に気にしちゃう?

恩蔵先生:そうそう。だから結局、禁止されるとずっと向井さんを気にするようになっちゃうんだって。

― ええー。

向井おにいさん:なるほどえ。

恩蔵先生:それが、ぼーっとするっていうことにも当てはまるかどうか、ちょっと今考えてみてるんだけど・・・。たえちゃんはなんでぼーっとしたいの?

― 何も考えなくてちょっと楽。

向井おにいさん:そうだよね。普段いろいろ考えて生活しているからこそ、ちょっと疲れちゃったときとかは頭を真っ白に・・・。

恩蔵先生:休みたいなあって思うんだ?

― そうです。

恩蔵先生:なんかね、学校に行って何かに集中していると、そればっかりやるじゃない。それで、家に帰ってきて休もうとすると、脳はそこで初めて今日学んだことを整理し始めるんだって。

― ええーっ、知らなかった!

恩蔵先生:だから休んでいるときは、実は脳って忙しく働いちゃうものなの。

― へえっ?! そうなんだ!

恩蔵先生:だから脳が休んでるときってないんだって。

― えー、大変!

向井おにいさん:大変だねえ(笑)。じゃあ我々がぼーっとして何もしてないって思っていても、脳は働き続けてはいるんですか。

恩蔵先生:そうなんです。整理している。

― そうだったんだあ!

恩蔵先生:そうなの。だから寝てるときでさえ、本当に何も考えないってことはないのよ。

― ええぇっ!

向井おにいさん:はははは(笑)。ちょっとびっくりだね。

― すごい。

恩蔵先生:そうなの。だからいちばんいいのは、たえちゃんがリラックスしているかどうか。気持ちいいかどうか。本当に休んでるってときも脳はいっぱい働いていろんなことを考えているんだけど、お風呂に入って「あぁ気持ちいいなあ」とか「今日は何があったっけ」って考えてるような状況が、脳にとってはお休みしているっていう状態。

― へええーっ。じゃあ今度はお風呂入ってるときにぼーっとしてみます。

向井・恩蔵:あはははは!

恩蔵先生:またプレッシャーになってる(笑)。

向井おにさん:お風呂入ってるときにぼーっとしなきゃって思うとまた脳が「頑張って働かなきゃ」ってなっちゃうんですね(笑)。

恩蔵先生:そう。だから「シャンプーの匂い気持ちいい~」とか「お湯が温かくて気持ちいい~」とか、そういう目の前のことを「気持ちいい」って思ってみるといいかもね。

― 確かに。やってみます。

恩蔵先生:うふふ。そう、緊張しない時間かな。思いつめない時間がほしいね。

向井おにいさん:たえちゃん、そんな時間を作ってみてください。

― わかりました!

向井おにいさん:たえちゃん、ありがとう!

― ありがとうございました。

向井おにいさん:脳みそっていうのは、完全に働いてない時間というのはないんですね。

恩蔵先生:ないですね。耳を塞いでも目を閉じても、何しても動いているっていう自発的な組織だから、そこが脳の驚きポイントなんです。

向井おにいさん:たえちゃんからの「ぼーっとできました」っていう報告を待ちましょう(笑)。

恩蔵先生:そうですね(笑)。

(回答者プロフィール)恩蔵絢子さん。脳科学者。人間の意識や気持ちの動きと脳の働きについて研究しています。著書に『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか 脳科学でわかる、ご本人の思いと接し方』(中央法規出版。共著)、『脳科学者の母が、認知症になる』(河出書房新社)など。

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