涙で画面が見えなくなる!?注目映画「インサイド・ヘッド2」

クリエイティブプロデューサー・三好剛平氏 ©RKBラジオ

昨日、8/1(木)から劇場公開となったディズニー&ピクサーによるアニメーション映画『インサイド・ヘッド2』。人間の心の中の「感情」を登場人物に仕立てたユニークな物語で米アカデミー賞で長編アニメ映画賞も受賞した2015年の1作目『インサイド・ヘッド』の続編だ。「最後には画面が涙で見えなくなるほど感動させられてしまう一作に仕上がっている」とRKBラジオ「田畑竜介GrooooowUp」に出演したクリエイティブプロデューサーの三好剛平さんは語る。

「インサイド・ヘッド」について

まずはこの『インサイド・ヘッド』というシリーズについて。2015年に発表された第1作では11歳の少女ライリーの頭の中にいるヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという5つの感情がそれぞれキャラクターとなって登場し、親の転勤で遠い街へ引っ越してきた戸惑いと不安に揺れるライリーの心の中の世界を描いた冒険ファンタジー映画でした。当時この映画のあらすじを聞いたときには「今度のピクサーは感情をキャラクターにして心の中を描くんだって」ということで、ピクサーってなんて実験的でとんでもない発想の映画づくりをするものだろう、と心底驚かされたものでした。しかし公開してみればその隙のない脚本と、驚きと感動に満ちた演出の見事さも相まって、世界で愛される名作となったのでした。

 

そして本日から公開される『インサイド・ヘッド2』は、その続編です。1作目で11歳だった少女ライリーが、本作では高校入学を控えた中学校3年生。1作目で転校してきた学校にもすっかり慣れて親友も出来ていたライリーですが、今後の進学のことや、思春期を迎えこれまでの5つの感情に加え新たな“大人になるための新しい感情”が芽生え始めるところから、前作以上の大ピンチを迎えます。

 

思春期を迎えライリーの心の中に新たに登場する感情たちは、最悪の未来を想像してしまう「シンパイ」、誰かを羨んでばかりいる「イイナー」、常に退屈&無気力な「ダリィ」、いつもモジモジして恥ずかしがっている「ハズカシ」という4つのキャラクターたちです。やがてそれら新しい感情たちの登場によって、文字通りライリーの心の中では「感情の嵐」が荒れ狂うことになります。

 

シリーズ2作目となるこの『インサイド・ヘッド2』ですが、日本に先駆け6月14日から全米そして世界各国で公開されるや、アニメーション史上歴代No.1オープニングとなる大ヒットスタートを切り、その後ついに、世界興行収入も14億6276万ドル(約2,245億円)を突破し、これまでNo.1dあった『アナと雪の女王2』(14億5368万ドル)を追い越し、アニメーション映画史上世界No.1の歴史的快挙を達成、というとんでもない記録を更新しているなか、いよいよ待望の日本公開となりました。

 

物語について

さて映画のことについても、もう少しだけ。もともとこの『インサイド・ヘッド』シリーズの創作のきっかけは、1作目で監督を務め今回も制作総指揮で関わっている、現ピクサーのクリエイティブ最高責任者ピート・ドクターさんの実の娘さんがインスピレーションだったといいます。それまで無邪気な少女だった娘さんが、10代にさしかかり無口で無気力に振る舞うようになった様子から、彼女の心の中ではいったい何が起きているのだろう?と思ったことがすべてのきっかけでした。しかしそこから、ただ登場人物の感情をキャラクターにして映画に都合の良いだけの物語をつくるようなことをしないのが、天下のピクサーです。この『インサイド・ヘッド』シリーズでは、1作目から心理学者や科学者など心や感情を専門分野とする有識者たちへの入念なリサーチも徹底しており、ここで新たに語られる物語が、人間の感情の観点からも科学的な裏打ちがきちんと成されるように見事に構成されていきました。

 

今回の『インサイド・ヘッド2』でも、新しく感情のキャラクターを登場させるにあたって思春期に新たに芽生える感情は何か?というところからリサーチ。そこから導かれたのがシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシだったわけです。なかでも“起こるかもしれない未来を想像しては不安を膨らませ続ける”「シンパイ」が、それまで「ヨロコビ」が中心に握っていたライリーの、高校入学を目前にした感情の操縦桿を奪い取る、というのは、誰が聞いても共感を感じざるを得ない、さすがのアイデアですよね。

 

しかし本シリーズに一貫する、何より素晴らしい点は、それらマイナスにも思える感情たちも私たちには不可欠のものである、と改めて気づかせてくれる点にあります。第1作目ではヨロコビがカナシミを遠ざけ、ライリーの人生をヨロコビ「だけ」で満たそうとすることで起こってしまう心の機能不全から、やがてカナシミという感情もまた私たちの人生には不可欠なものであることを認めていくことでライリーも感情たちも成長する物語でした。

 

そして今回の第2作でも大きな構造は同じで、新たに登場する心配や羨望、無気力や羞恥といった感情もまた私たちにはやっぱり大切なものだと教えてくれます。のですが、本作がすごいのは、そこに留まらないところです。さらにその先にある、ものすごく深くてまた普遍的な、ほとんど人間讃歌と言っても良い、とても大切なメッセージを届けてくれる作品になっています。

 

本作をご覧になるお子さんはお子さんの目線から、いつかやってくるであろうこうした感情の嵐との付き合い方が見つかってきっとずっと生きやすくなることでしょう。しかし本作は何よりも、そうした年頃のお子さんをお持ちの親御さん、そして私たち大人一同が見るべき映画でもあります。

本作の作り手たちは「この映画は私たちのこどもたちに贈ります。私たちは、そのままでいるあなたたちを愛しています」と発するわけですが、実際は「親と子」という関係だけには決して留まらない、本作の作り手からすべての人類、すべての観客へ向けたメッセージなのだとさえ信じさせてくれるような、圧倒的な包容力と愛に満ちた一作になっていました。

 

さぁ、本日からです。どうか覚悟して劇場へお越しください。冒頭に申し上げた通り、私はもう終盤にいたっては画面が見えないほどの号泣で大変でした。笑

 

軽やかにシリーズとしてまた大傑作を作り出してしまった『インサイド・ヘッド2』は各劇場で8/1(金)より公開中です!くれぐれもお見逃しなく!

映画「インサイド・ヘッド2」

田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田畑竜介、田中みずき、三好剛平
番組ホームページ
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※放送情報は変更となる場合があります。

刑事ドラマのマエストロ・内藤剛志も苦悩する「私生活での危機管理」

野村邦丸アナウンサーが大将を務める「くにまる食堂」(文化放送・毎週月~金曜9時~13時)。1月23日(木)の最初のコーナー「ニュース一番出汁」では、邦丸アナとパートナーで俳優の内藤剛志が、長野市で起きた無差別殺人事件について意見を交わした。

野村邦丸アナ「昨日の夜8時頃、JR長野駅前でバスを待っていた男女3人が刃物のようなもので襲われ、長野市の会社員・丸山浩由さん49歳が左の脇腹を刺されて死亡しました。別の30代の男性が大けがをした他、40代の女性は軽いケガをしました。
男は刃物のようなものを持って現場から逃走したということで、警察は男が無差別的に襲撃したとみて、殺人や殺人未遂の疑いで行方を追っています」

内藤剛志「うーん……」

邦丸「物騒な事件が多いんで、気を付けないといけない。でも今回もそうでしょ? 無差別に襲撃という……どう気を付ければいいんだ。あの、福岡のファーストフード店で中学生2人が襲われて、女の子が命を奪われました。これにしたって、どう気を付ければいいんだと。昔は暗い道を歩くのは気を付けましょうね、これは今でもそうですけども。今回は夜の8時の駅前ですよ!」

内藤「バス停ですよねえ。8時って、『早い夜』といえる時間ですか、まだ。深夜ではもちろんないわけだから、背後から来られたらわからないしっていうのはありますよねえ。ただ、でもねえ、少し気を付けるってことは、敏感にならざるをえないんじゃないですか? 例えば、列に並んでいる時に、一番後ろにいる時は背後を気を付けるとか。それで全部防げるとは思いませんけども、何もない前提ではなくて、何かあるかも知れないと。いいことじゃないですよ? いい気持ちしませんけど、そう思うしかないような気がしますよね」

邦丸「例えば、電車に乗ろうと駅のホームにいた時に、今ホームドアがついている駅は多いですけど、何もない駅で一番前に立っていて、前もありましたね、後ろからドンと押されてそのまま線路に落ちちゃってっていう。俺も最前列に並ぶことがあるんですよ。『山手線、混んでんな~、じゃあ次の列車にしようかな』って一番前に並んでいる時に、変なことを思っちゃうんですよね。『もしも押されたらどうしよう』とか。そうすると後ろの人をジロッと見るわけにもいかないけども、『何でこんな気持ちになっちゃうんだろう?』っていう、イヤ~な感じがするなあ』

内藤「僕も横断歩道で一歩後ろに立とうとしますもん。もしかしたら車が暴走してくる可能性があるから。一番前で青を待つよりは、一歩下がっていた方が安全かなって気はしますね」

邦丸「ですね」

内藤「亡くなられた方は本当に残念ですけども、危機管理のレベルを上げていくしかないんじゃないですか? 『安全だよ!』っていうことに頼るわけにはいかないような世の中になった気はします」

邦丸「内藤剛志さんの場合役者で、刑事の役が多いじゃないですか。そうすると『身に覚えはありませんか?』とか、『恨まれていることはありませんか?』とか、そういうような刑事ドラマにおける展開がありますよね。実際に『捜査一課長』でもあったし」

内藤「基本的には人間関係の中で起きるものが事件だと思うんですよ。『恨む』とか『羨ましい』とか『憎む』とか。でも、今回のようにそういうのはまったく関係無いと。イライラしているから、目の前に来る人を……みたいな事件に関しては、動機がわかったとしてもそれをどう学びに展開できるかってなると、難しいですよね。だったらもう、守る側が、守る感度を上げていくという結論しか、無いように思いますね」

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