財津和夫、ステージで失敗したら「1週間ぐらい布団かぶって、さめざめと泣いてます」
TULIP・財津和夫が、時にはミュージシャンとしてのペーソスを語るRKBラジオ『財津和夫 虹の向こう側』。12月1日の放送では、ギター講師の方のお便りをもとに「先生」と呼ばれる立場を振り返ったり、10月からのソロコンサートへの質問に答えたりと、いろんな話題を取り上げます。
ソロコンサートの相棒はツッコミ甲斐がない不思議人間
10月にTULIPのメンバー姫野達也をゲストに迎えて4週連続で放送したトークには、数多くの感想を頂戴しました。
財津「ありがとうございます。本当に、姫野人気に驚きます」
下田「いえいえ、財津さんと姫野さんのコンビネーションですよ」
財津「(10月からの)ソロコンサートにも毎回ゲストとして出るんですけど、最初に僕が登場して、拍手がパチパチパチってあるじゃないですか。で、その後に『姫野達也』と紹介するとワ~!と凄い歓声が…私はこれからどうやって世の中を見ながら生きて行ったらいいか…凄いな、あいつ!」
たくさんのお便りの代表として、その一つを財津が読みます。
『財津さんと姫野さんの掛け合いが自然体で素敵でした。息が合っているようでいないようなマイペースなお2人。互いを思いやる優しさを感じました。そして下田さんのツッコミ具合が楽しかったです』
下田「本当にその通りですよ。息が合ってるようでないような、ボケとツッコミなのか、ツッコミとツッコミ?ボケボケ?どっちかな」
財津「あいつはですね、ツッコミ甲斐がないんですよ。ツッコミどころはいっぱいあるんですけれど、突っ込んでもでも突っ込んだ奴が失敗したみたいな感じで「はぁ」とかって返事されるんです。あの男は不思議人間ですよ」
財津のソロコンサートでも、ゲストの姫野達也とのこの不思議なやりとりが楽しめるのでしょうね。
今回の放送では、番組のエンディングの部分で、ソロコンサートについての質問にもこのように答えています。
財津「今回のソロコンサートはちょっと新しいことをやってみようと思っています。今まで、自分の歌ばっかり歌うソロコンサートをやってきたんですけど、なんだかもう飽きちゃって…僕が作った曲よりももっと良い曲がいっぱい世の中にあるんです。僕は60年代に青春時代だったんですけど、いっぱい曲聞いたんでそれが身体の中に沁み込んでいるんです。それを思いっきり歌ってみたいっていうので、今回企画しました」
財津「ですから、カバーも結構たくさんあります。どちらかというと、僕のオリジナル曲よりもそっちを聞いて欲しいなと思います。洋楽(中心)ですが、邦楽もありますよ。それがまたいい曲なんですよ、何の曲だとはここでは言いませんけど、会場に来て確認して頂きたいと思います」
10月の3人のボケツッコミトークの時よりも、しっかりとPRできたようです(?)
『隣の芝生は青く見える』と言うけれど
『小学生の時にTULIPのファンになり、ミュージシャンを目指していたが夢かなわず、でも40歳の頃から23年間ギター講師を務める事で音楽に携わり人の役に立つことができたのはTULIPのおかげです』という少し長文のお便りが届きました。
財津「長いお便りですけど、読みがいがありますね。いや、僕から言わせればギター講師の方がカッコ良い。僕には変な年下のメンバーいるけど(笑)、弟子はいないもん」
下田「今からお弟子さん取りませんか」
財津「いやー無理無理、教える力もない」
TULIPでも財津のソロツアーでもサポートメンバーとしてリードギターを担当している尾上サトシ氏は、ギター教室の教え子から「先生」と呼ばれているとの事。財津はその先生を従えて歌っている訳ですが、「やはり先生の方が良いな」と羨ましがる財津。
下田「自分で演奏して歌を歌うのと、演奏を教えるって違うんでしょうか」
財津「違うでしょうね…先生はちょっと間違えてもごまかせるそうじゃない。『こういうふうにしちゃ駄目だよ』みたいに取り繕えるし。ステージは無理ですよ。ちょっと失敗したら深―い心の傷になりますからね」
下田「そういう時どうやって挽回するんですか」
財津「出来ません。1週間くらいは布団かぶって、さめざめと泣いてますね」
下田「でも、作詞講座では先生ですよね」
財津「あー、先生って言われたりもしますけど…昔から言うじゃないですか、『先生と呼ばれる程の馬鹿でなし』って。『センセイ』って言われると、なんか周りから馬鹿にされてる感じがして、『センセイって呼ばないでよー』とお願いするようにしているんですけど、それも面倒くさくなっちゃって。いちいちそれにこだわっているのも、恥ずかしい気がしてきて」
他人だと「先生」の立場を羨ましがりながら、自分が「先生」と呼ばれる事にはすごく気恥ずかしがる。大阪芸術大学では教授として講座を持っている立派な先生なんですけど、そこが『財津先生』らしさなのかもしれません。
下田「お便りの方は先生として23年間ギターを教えていらっしゃるという事なんですけど、やっぱり音楽との関わりって、人それぞれ人生があるんですね」
財津「ミュージシャンになれなくて、後悔してらっしゃるようなこと書いてらっしゃいますけど、いやいや絶対ギター講師の方が良かったって思います。ミュージシャンって、本当に余計なところで苦労するからね。うまくいくアーティストなんて、本当にもう指折り数えるぐらいしかいないじゃないですか。その中に入って成功したとしても、いろんな過去の忌まわしい思い出が蘇ってくる日々ですよ。それよりも穏やかに、ギター講師やられた方がいいと思います」
今日の一曲は、夏川りみ『虹のかけら』。作詞・作曲とも財津和夫、2014年4月に配信形式で発売され、同年6月のアルバム『虹』にも収録されています。
次回12月8日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定です。
「生き甲斐」について、お話を進めます。
- 財津和夫 虹の向こう側
- 放送局:RKBラジオ
- 放送日時:毎週日曜 18時15分~18時30分
- 出演者:財津和夫、下田文代
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※該当回の聴取期間は終了しました。