益城町の最年少防災士 防災バッグの中身に「ウシのぬいぐるみ」その訳とは

益城町の防災士 田中次男さん(右)孫の陽仁くん(左) ©RKBラジオ

北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBによるコラボ番組『ローカる!』。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。4月は熊本県熊本市にある「熊本シティエフエム」とのコラボでお送りした。16日の放送では、熊本地震で大きな被害があった益城町に向かった。(報告:『ローカる!』ディレクター荒木風花)

益城町は熊本地震で震源となり、多くの被害があった。その益城町で、おじいちゃんの田中次男さんと孫の陽仁くんが防災士として活躍していると聞き、二人に会いに益城町の寺中地区緑地公園に向かった。

寺中地区緑地公園 ©RKBラジオ

荒木:お二人は地震発生当時、何処で何をしていたんですか?

次男さん:どちらも家で寝ていた時でした。たんすが倒れてきて地震に気づきましたね。一緒に住んでいる母は地震を怖がって3日ほど車中泊しました。

陽仁くん:僕も寝ていて、地震に気づいて起きたら電気がつかなくなっていました。おじいちゃんの様子をすぐに見に行ったことを覚えています。

自身から数年後、二人は「防災士」になった。そのきっかけは?

陽仁くん:最初、おじいちゃんが区長さんに「防災士にならないか?」と誘われて、勉強していました。それを聞いて、熊本地震のような地震がまた来るかもしれない、その時に活躍したいと思ったので一緒に勉強を始めました。

勉強したことは「防災バッグ」の中身にも生かされている。

陽仁くん:防災バックは枕元に置いて、すぐにこの寺中地区緑地公園に避難できるようにしています。バッグの中には食べ物、水、懐中電灯、電話をかけるための10円玉、簡易トイレ、ウシのぬいぐるみです。ウシのぬいぐるみは自分が安心するために入れています。そして、避難所で小さい子供に貸して安心させられたらなと思っています。

二人に話を聞いた益城町の寺中地区緑地公園は、地震の後整備された公園で町の一時避難場所になっている。益城町の地区ごとに整備されているそうだ。一時避難時に役立つ施設もあった。

公園内に整備された「防災井戸」 災害時に使える仕組み ©RKBラジオ

陽仁くん:これは防災用井戸です。災害が起きたときにレバーを引くと生活用水に使える水が出てきます。普段はベンチとして使っている椅子も、災害時に椅子の天板を取ると、中に収納ができるようになっています。もう一つのベンチは椅子の天板を取るとかまどになります。

天板をはずすとかまどになるベンチ ©RKBラジオ

二人が防災士として伝えていきたいことは?

次男さん:ラジオは手元に置いておいてほしいなと思います。普段もラジオを聞いていて、それを習慣にしていくことで、災害時にもラジオで情報を取ってほしいと思います。

陽仁くん:地震などの災害はいつ起こるか分からないので、いつ起きても対応できるように備えてほしいです。

寺中地区緑地公園にある災害時に役立つ施設は地区ごとに説明会があり、近くに住む住民が誰でも使えるようになっているそうだ。町全体で防災意識を高め、いざという時にすぐ連携が取れることも「防災」につながると感じた。

ローカる!
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週日曜 11時00分~11時15分
出演者:荒木風花
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