「私について/EPO」アンジェラ・アキはこの歌を知っていたのか?"本歌どり"的2曲を聴き比べる

"本歌"とも言える「私について/EPO」(写真はベスト盤) ©STVラジオ

ポプコン出身のシンガーソングライター・松崎真人が、'70~'90年代の日本のポップスを中心に厳選してノーカットでお届けするSTVラジオ『MUSIC☆J』(RCCラジオ同時ネット)。この日は「聴き比べ」がひとつのテーマになった選曲がありました。まずは20時台の1曲目(M11)から。(文中敬称略)

M11「さらばシベリア鉄道/太田裕美」

松崎:太田裕美のこのバージョンは萩田光雄がアレンジをしています。歌詞カード無しで聴いて(歌詞の)意味が全部わかるのは大滝バージョンと太田裕美バージョンで言うと、曲を全く知らない人にパッと聴かせて歌詞の意味が先にわかるのは太田裕美の方です。字(歌詞)を切るポイントが、大滝は個性的な切り方を「ハッピーエンド」以来の松本隆との阿吽の呼吸で決めた、ちょっと変わったポイント、「切れ字」というポイントを作るんですが、太田裕美の方が日本語の単語の音節にピッタリ合った歌い方をしています。

松崎:「♪きみは近視、まなざしを読み取れない」とかも、大滝バージョンだと最初に聴いて、すぐに「ああ、きんしって近眼のことだな」ってことが判りづらいんです。それがまた魅力なんですけどね。両方を聴く機会があると思うので、太田裕美の「さらばシベリア鉄道」と大滝詠一の「さらばシベリア鉄道」はぜひ、聴き比べて欲しいです。

この日は、番組をお届けしたSTVラジオ第3スタジオでは「ノイマン」という、ミュージシャンにとってはレコーディングスタジオで目にするプロ用の最新マイクをテスト的に使っていました。恐らく太田裕美も当時、「ノイマン」のマイクに向かって「さらばシベリア鉄道」を録音したと思われます。そんなシーンを思い浮かべて、この後、太田裕美の歌い方について語ります。そちらはぜひ、radikoタイムフリーでお聴き下さい。そして、松崎の声の音質にも注目(注耳?)です。

そして、21時台では「手紙」つながりで、日本のポップスの名曲を2曲。聴き比べてみて下さい。

M25「私について/EPO」(1985年)
M26「手紙〜拝啓 十五の君へ/アンジェラアキ」(2008年)

この2曲について、松崎の解釈は【編集後記】にて。
【編集後記】
「手紙〜拝啓 十五の君へ/アンジェラアキ」・「私について/EPO」  私見なのだが、アンジェラアキはEPOの曲を知っていて、それを踏まえて「手紙」を書いたのではないか?。パクリというような下衆な話でなく、日本文化に連綿と続く「本歌どり」のようなクリエイティブな行為。そして当然、まったく別の名作として今に歌い継がれている。こんなふうに日本のポップスは磨かれてきたのだなあ……。(松崎 真人)

【12月17日のプレイリスト】
M01「The Stardust Memory(スターダストメモリー)/小泉今日子」
M02「Romanticが止まらない/C-C-B」
M03「いつかのメリークリスマス/B'z」
M04「Eternal Flame/The Bangles」
M05「あいにきて I NEED YOU! /Go-Bangs」
M06「ダンシング・セブンティーン/オックス」
M07「花・太陽・雨/PYG」
M08「結婚しようよ/よしだたくろう」
M09「赤色エレジー/あがた森魚」
M10「WINTER COMES AROUND(冬の一日)/TM NETWORK」

M11「さらばシベリア鉄道/太田裕美」
M12「レイクサイド ストーリー/大滝詠一」
M13「照ラセラセ/佐木伸誘」
M14「素晴らしいこの世界/佐木伸誘」
M15「恋バス/矢井田瞳&恋バスBAND with 小田和正」
M16「if/TRICERATOPS」
M17「光について/GRAPEVINE」
M18「冷たい花/the brilliant green」
M19「友だちでいいから/高橋由美子」
M20「組曲:冬の情景/所ジョージ」

M21「湾岸スキーヤー/少年隊」
M22「白い恋人達/桑田佳祐」
M23「白い一日/小椋佳」
M24「涙のレター/REOスピードワゴン」
M25「私について/EPO」
M26「手紙〜拝啓 十五の君へ/アンジェラアキ」
M27「素敵にジングルベル(Cause lt’s Christmas)/伊藤さやか」
M28「ラブレター/河合奈保子」
M29「スノースマイル/BUMP OF CHICKEN」
M30「悲しいね/渡辺美里」

STVラジオ『MUSIC☆J』(毎週火曜~金曜 19:00~22:00)/ RCCラジオ 同時生ネット

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MUSIC★J
放送局:STVラジオ 他1局ネット
放送日時:毎週火曜~金曜 19時00分~22時00分
※放送局によって日時が異なる場合があります。
出演者:松崎真人(まつざき・まこと):シンガーソングライター、選曲家。北海道札幌市出身。1984年ヤマハポピュラーソングコンテストで優秀賞を受賞し、85年「たわいないトワイライト」でデビュー。92年、佐木伸誘とユニット「Birthday Suit」結成。現在はソロでラジオパーソナリティやライブを中心に活動。
番組ホームページ

リクエストメール:mj@stv.jp
twitterハッシュタグ:#musicj 

70年代~90年代の日本のポップス・日本語のポップスを中心に"厳選かけ流し"でお届け。パーソナリティは、北海道出身のシンガーソングライター・松崎真人。音楽への深い造詣と知識に裏打ちされた含蓄あるトーク、選曲の幅広さでリスナーの支持を全国に広げている。松崎の"微妙な滑舌"も病みつきになります!。
★RCCラジオでも同時生放送(~21:50)

※該当回の聴取期間は終了しました。

中沢元紀、親から教わった「環境にやさしい行動」も今でも。SHELLYとSDGsを語る

俳優の中沢元紀とSHELLYがJ-WAVEで対談。中沢が普段から意識しているSDGsにまつわる行動や、SDGsについて考えるきっかけになった映画、豊かな未来のために取り組んでいることを語った。

トークを繰り広げたのは、“私たちの生活、未来のために、明日からすぐ行動できる身近なアクションのきっかけを作る”というコンセプトでお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。オンエアは毎月第4日曜。ここでは、3月24日(日)の放送回をテキストで紹介する。

同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に3回にわけて更新。

・ポッドキャストページ
https://spinear.com/branded-podcasts/itochu-dear-life-dear-future/

業務用スーパーでまとめ買いも

趣味の1つに「料理」を挙げた中沢は、「普段から自炊をして頑張っている」とプライベートを明かす。

SHELLY:何を作るのが好きですか。

中沢:ハンバーグだったり鶏肉のトマト煮だったり、最近は炊き込みご飯にハマっていますね。

SHELLY:何を炊き込んでいるの?

中沢:キノコや鶏肉のむね肉1枚をそのまま入れちゃったりとか、最近はショウガの炊き込みご飯にハマっています。ショウガを千切りして調味料とご飯と一緒に混ぜて炊き込むだけですけど、簡単でおいしいです。

SHELLY:おいしそう。昔から料理は好きなんですか。

中沢:実家にいるときから、自分で食べるものはたまに作ったりしていました。

SHELLY:今は一人暮らしで自分のご飯は作っているんですね。

中沢:そうですね。

そんな中沢は料理に関するSDGsにも取り組んでいるという。両親の教えをもとに「食べ物を無駄にしないために食べられるギリギリのところまで使ってフードロスをなくしたり、料理が終わって洗い物をするときは水をこまめに止めて節水をしたりしている」と語った。

中沢はSDGsの17の目標で特に興味関心があるものとして、目標2「飢餓をゼロに」、目標12「つくる責任、つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」の4つ目標を挙げる。

SHELLY:目標12の「つくる責任、つかう責任」だと、ものを買うときに意識したりしているんですか?

中沢:自炊をするのでスーパーに行くとエコバッグを持参したり、お肉とかもトレーに入っていないものを買ってみたり、そういうところは意識しています。

SHELLY:トレーね。わかる。もちろん衛生面とか便利さとか陳列のしやすさを考えるとトレーを使ったほうが便利だとはわかるけど……いらないよね。そうやって買うときにはトレーも意識しているんですね。

中沢:他にも業務用スーパーでまとめ買いをして、鶏肉を2キログラムくらい買って冷凍をしておくとか、そういうことはしています。

背景に貧困や差別が描かれている作品

中沢はSDGsについて考えるきっかけになった作品として、映画『最強のふたり』(2011年)を紹介した。

中沢:この映画は、不慮の事故で首から下が動かなくなってしまって新しい介護者を探している大富豪のおじいちゃんと、生活保護を申請するために不採用通知だけが必要で(介護者の)面接に行ったスラム出身の黒人青年との友情物語です。

SHELLY:立場も年齢も体のアビリティも全く違うけど、その2人が友だちになっていくと。

中沢:介護者と介護される方が垣根を超えてどんどん友情を育んでいくような話になっています。
映画『最強のふたり』あらすじ 事故で全身麻痺となり、車いす生活を送る富豪と、図らずして介護役に抜擢されたスラム出身の黒人青年。共通点はゼロ。高級住宅地とスラム、ショパンとクール&ザ・ギャング、超高級スーツとスウェット、洗練された会話と下ネタ、車いすとソウル・ミュージックに乗ってバンプする身体―。二人の世界は衝突し続けるが、やがて互いを受け入れ、とんでもなくユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく。
ギャガ株式会社ホームページより)


SHELLY:どういうところが心に刺さったんですか?

中沢:社会問題をメインテーマにしている映画ではないと思うんですけど、スラム出身のドリスとそのまわりにいる同じスラム出身の人たちと、大富豪のフィリップとの生活の格差が如実に(描写として)表れています。貧困問題だけではなくて障害者に対する偏見や差別も描かれているので、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」や目標10「人や国の不平等をなくそう」にも繋がってくるようなことが背景に描かれているような作品になっています。

SHELLY:確かに。それこそまわりに障害を持っているような人がいないと、なかなか考えるきっかけがなかったりしますよね。

中沢:障害を持っている方を「かわいそう」と思う方もいらっしゃると思うんですけど、それこそ偏見になってしまいます。でもドリスはその偏見もなく、1人の人として接していたので、そういうところは見習わないといけないなと思いました。

SHELLY:気を遣いすぎるのも変だし、だからといって何も状況を変えないのも良くないから、そこをみんなで考えていくことが大事ですよね。
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親の背中を見て覚えたSDGsな行動

「豊かな未来のために取り組んでいることは?」と質問された中沢は「本当に身近で簡単にできること」と前置きしつつ、自身の行動を紹介した。

中沢:ゴミの分別とか、これは母親がやっていたことなんですけど、使わなくなった服を切ってタオルにして再利用したりとか。

SHELLY:掃除に使ってね。

中沢:あとはシャンプーとかトリートメントとかは詰め替え用を買ったり、そういうものでゴミを減らすことはしていますね。

SHELLY:素晴らしい。そういうことは実家にいるときから意識されていたんですね。

中沢:親の教育というか、親がやっていることを見てって感じだったので。

SHELLYはリスナーから届いた「ご両親は厳しかったですか。自由でしたか。ご両親の子育てで覚えていること、今感じていることを教えてください」というメッセージを紹介した。

中沢:父親が先生をやっていて、でも厳しいと思ったことはそんなになく、優しかったですね。母親も厳しいと思ったことはないです。母親からは「世のため人のためになる仕事に就きなさい」ってずっと言われていました。それが頭の中にずっとありますね。

SHELLY:そういうところからきっとお母さまも家の中で環境のことを考えたり、まわりのことを考えたりしていることが子どもに伝わっていたかもしれないですね。

中沢:それは感謝していますね。

環境問題の取り組みがもっと大々的になる社会に

また、「まだしっくりくる夢や目標がない」という15歳のリスナーから「中沢さんの今の夢や学生の頃に抱いていた夢、今の職業で生きていこうと思ったきっかけがあれば教えてください」という質問が届いた。

SHELLY:15歳のときってどういう将来を想像していました?

中沢:まだ遊んでいたんじゃないかな。まだ将来のことを深く考えてはいなかったような気がしています。

SHELLY:俳優になりたいとはまだ思っていなかったんですか。

中沢:17歳くらい、高校生になってから薄々と思っていたことではあったので。

SHELLY:そこから「これ頑張ろう!」と思ったきっかけはありましたか?

中沢:小さい頃はいろんな夢があって、警察官とか先生になりたいと思っていたんですけど、これっていうものがなくて。でも小栗 旬さんの作品を観て、いろんな職業に就ける俳優って魅力的だなと思ったので、それで俳優になろうと思ったきっかけではありましたね。

SHELLY:そうやって誰かを見て憧れることもありますからね。私が15歳くらいのときはすごく現実的で、英語と日本語で育っているから通訳だったらできる気がするって(笑)。もちろん通訳になるのもものすごく大変なことなんですけど。まさかタレントになっているとは。

中沢:僕もまさか俳優になっているとは。でも俳優になれて良かったと思います。本当にすごく楽しいので。

最後にSHELLYは「10年後はどんな自分になっていたいか。また10年後はどんな社会になってほしいか」と中沢に質問した。

中沢:5年後のことも想像できないんですけど、希望としては俳優という職業を続けていたいですね。このまま10年間でいろんなことを経験して、吸収して、第一線を走っている俳優の1人になれていたらうれしいなと思っています。

SHELLY:じゃあ、10年後の社会は?

中沢:僕もまだまだなんですけど、やっぱり一人ひとりのSDGsへの関心が増して、環境問題の取り組みがもっと大々的になる社会になっていたらうれしいと思います。

SHELLY:徐々にそういう方向にみんながシフトしているなって感じますよね。ゴミを分別していたりエコバッグを持ち歩いたりとか。

中沢:増えましたよね。

SHELLY:何年か前までは当たり前ではなかったから、そういう風に徐々になっていったら10年後はきっと変わっていそうですよね。

中沢元紀の最新情報は、トライストーン・エンタテイメントの公式サイトまで。
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オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO

SHELLYがナビゲートするプログラム『ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』の放送は毎月第4日曜日の22時から。

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