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ポプコン出身のシンガーソングライターで、"選曲家"の松崎真人がお送りするSTVラジオ『MUSIC☆J』（RCCラジオ同時ネット）。'70～'90年代の日本のポップスを中心に、厳選･フルコーラスでお届けしています。放送日の2月4日は、山下達郎の69歳の誕生日でした。リスナーからも山下達郎の楽曲に多くのリクエストを頂きました。そうした中で松崎真人が選曲したのは…。（文中敬称略）

M24「希望という名の光／山下達郎」(2010年4月14日発売）

松崎：この曲がリリースされるというアナウンスがあった時、僕は割と東京に拠点があったので、せっかくだから一度、噂の「ペット･サウンズ･レコード」に行ってみたいなと思って、いつものレコード屋さんじゃなくて、武蔵小山にある「ペット･サウンズ･レコード」（※註）というところにわざわざ、この曲の発売日に買いに行きまして、初回限定のやつを買ったのを覚えています。（※註：「ペット･サウンズ･レコード」東京･品川区にある老舗のレコード店で、オールデイズや山下達郎や大滝詠一など日本のポップス創成期のミュージシャンの作品も多く取り揃える、音楽通の間では有名なショップ）

松崎：この曲は、普通に映画の主題歌としての依頼を受けて書かれた曲で、山下達郎も、まさかその後に「3･11」が起こって、その後のみなさんの気持ちの中に広がっていく歌になるなんてことまでは予想もしていなかった、という風なことをコンサートのMCでも語っておられます。

松崎：僕は最初に聴いた時、その後付けの理屈じゃ無くて、「あ、山下達郎のもうひとつの『蒼氓』だ」と思ったんです。『蒼氓』という、とても素晴らしい曲があるんですが、やはり達郎は、普通に生きて働いている人がいちばん尊いという理念から絶対に離れないんだよね。そのテーマを「もいういちど何度でも繰り返せば」と歌ってますが、それをそのまま実行した曲だなと思っていたら、あれよあれよと国民的な愛唱歌というか、テーマソングになったのだと思います。いまの現況に於いてもとても貴重な曲だと思います。

松崎：お誕生日、おめでとうございます、山下達郎さん。あなたが生まれてきてくれて、本当に良かった。
　

【編集後記】
「キャノンボール／中村一義」　　今で言う「宅録ルーム」を「状況が裂いた部屋」を名付け、自己を追い込みまくって作ったデビュー曲「犬と猫」を聴いたとき、こりゃまたすごい才能が出てきたなあ！と衝撃を受けた。ボブ・ディラン〜レノン＝マッカートニー直系の、言葉選びのセンスひとつとっても櫻井和寿クラスの巨大な埋蔵量。その後、バンド「100s」とともに活動するようになって、才能はぐんぐん開花していった。ちなみにこのバンドはSUPER BUTTER DOG が母体となっていて、あの「レキシ」の池田貴史もキーボードで参加している。セールスいかんに関わらず、「日本語のロックを進化させた功績」という点では90年代以降のトップ5に入る人だと思う。いつ再評価ブームが盛り上がってもおかしくない人。（
松崎 真人）

2月4日のプレイリスト～「キャノンボール／中村一義」は19曲目

M01「春咲小紅／矢野顕子」
M02「ハイスクールララバイ／イモ欽トリオ」
M03「気分上上↑↑／mihimaruGT」
M04「DAN DAN 心魅かれてく／FIELD OF VIEW」
M05「悲しみよこんにちは／斉藤由貴」
M06「でも、何かが違う／鈴木ヒロミツ」
M07「赤い狩人／町田義人・演奏：ゴダイゴ」
M08「おんなになあれ／森川美穂」
M09「空よ／陣内大蔵」
M10「TWO PUNKS／THE MODS」

M11「おまえにチェックイン／沢田研二」
M12「泣きやまないで、LOVE AGAIN／伊藤銀次」
M13「いとしのテラ／杉真理」
M14「心から好き／宮沢りえ」
M15「木蘭の涙／高畑充希」
M16「春雨／村下孝蔵」
M17「歌人／村下孝蔵」
M18「GAME／L⇔R」
M19「キャノンボール／中村一義」
M20「シャングリラ／チャットモンチー」

M21「もう一度キスしたかった／B’z」
M22「Against All Odds(Take a Look at Me Now)／Phil Collins」
M23「さよならだけどさよならじゃない／やまだかつてないWink」
M24「朝陽の中で微笑んで／ハイ・ファイ・セット」
M25「そんな暮らしの中で／風」
M26「余韻／大久保一久」
M27「希望という名の光／山下達郎」
M28「CRAZY!／Birthday Suit」
M29「さすらい／小林旭」

STVラジオ『MUSIC☆J』（毎週 火~金 19:00～22:00）　★RCCラジオ同時ネット

※該当回の聴取期間は終了しました。