アメリカに住んで16年、大江千里、デビュー40周年記念アルバムについて語る

TOKAI RADIO『Morning Delight』(日7:00~10:00 DJ川本えこ)5月21日の放送に、大江千里がリモート出演した。21日は大江が40年前にデビューした記念日。記念アルバムのことやニューヨークでの生活のことなどについて語った。

渡米して16年。ニューヨーク・ブルックリン在住。大江の一日は、朝5時に起きて、犬の世話をするところから始まる。食事、薬を与え、散歩をして、週に一度は一緒に風呂に入り、寝床の洗濯もする。まさに犬中心の生活。音楽活動のほうは、時間を決めてピアノの練習。新しいことをするときには、たっぷり時間をとる。曲ができたときは、手元にあるレコーダーを回して録音する。

自由に思える活動スタイルだが、音をヘッドホンで聴いていると、近所から思わぬクレームが入ることがあるそうだ。「せっかくジャズピアニストが同じ棟に住んでいるんだから、ヘッドホンしないで、ピアノの音を大きくして聴かせてくれよ」と言われたことも。日本とは事情が大きく異なる、それも、音が溢れるファンキーな街・ニューヨークならではのエピソードだ。

大江は、デビュー40年を迎えたことについて「ジャズやりたいと勝手にアメリカに渡って、そのままアメリカにいるわけだから、こんな僕が、好きに音楽をやって、今、好きなことしかやっていない、こんな商業音楽から離れた僕を、未だにこうやって(記念日を)祝ってくれたりするのがうれしくて。40年の月日で、ひとのありがたさ、暖かさみたいなことに、ホロリと来る年齢になった」と話した。

デビュー40周年記念アルバムのタイトルは『Class of ′88』5月24日リリース。ファンからのリクエストを参考にしたセルフカバー8曲と新曲3曲とで構成されている。大江は「80年代の自分とジャズピアニストとして生きている2023年とをつなげたアルバム。88年というのは、初めて小説チックなことをポップスに落とし込んだ作品を作ったし、音楽の旅をするタイトルに、何かひとつ80年代のどこかをつけようと思ったら88かなということ」

そして「85年から90年ぐらいの間に書いて歌ったポップスを、ジャズ・トリオにアレンジして、新曲をつけてと、そんな内容のアルバム。ノスタルジーというのも、もちろんあるが、それだけではなくて、新しい音楽の旅、そんなアルバム」とのこと。

さらに「当時録音した音源というのは変わらないので、それを参照しながら、どうやってジャズに変えていこうかと考えると、その頃は、それがすべてだと思って完結させて作った音を、それを自分が再現すると、武道館とか、いろんなところでコンサートをやって、ライブハウスでもやって、そのときの記憶が全身から蘇ってくる。そうすると、ポップス時代の大江千里の圧が強すぎて、ジャズピアニストの大江千里からすると、どうジャズアレンジしても、ポップスになってしまう。1年ぐらい前からこの企画は、自分で考えたが、ポップスに引っ張られて、なかなか具体的な案にたどり着けなかった」と明かした。

また「ブルックリンのスタジオでレコーディングしたっていうのも、半分寝間着で歯を磨きながら、そのままピアノを弾いているような、リラックスというか、日常の中で弾いていて、言い間違いや声が裏返るようなことも、それも音楽。今の大江千里ということで味わってチョー、そんなアルバムかな」と続けた。

9月には、東京と兵庫でコンサートが予定されている。大江は「みなさんが親しみを持って聴いてくれていた曲、アルバムを聴いてくれた方が『ライブではこんな風になるんだ!』と、息づかいを含めて存分に楽しんでもらえると思う」と話した。

Morning Delight
放送局:TOKAI RADIO
放送日時:毎週日曜 7時00分~10時00分
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