明石家さんまのラジオが熱い!"引き笑い"の葛藤も…お笑い怪獣の本音がポロリ

『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)、『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)など、数多くのバラエティ番組で多くの芸能人たちを仕切り、盛り上げている明石家さんまさん。名司会者として人気を博し、テレビのイメージが強いさんまさんですが、実はラジオとも深いつながりがあります。

今回は、さんまさんが担当する2本のラジオ番組をじっくりと聴取。気になる発言をピックアップしながら、"さんまのラジオ"の魅力を紐解きます。

レギュラー初登場は1979年!MBSラジオ『MBSヤングタウン』

明石家さんまさんが担当しているレギュラー番組は、MBSラジオで毎週土曜22時から放送中の『MBSヤングタウン 土曜日』(通称:ヤンタン、ヤン土など)。『MBSヤングタウン』は、1967年10月から現在まで続いているMBSラジオの長寿番組で、かつてはダウンタウンや今田耕司さん、東野幸治さんらもレギュラーでパーソナリティを務め、関西の若者ラジオ文化を作り上げました。

さんまさんと『ヤングタウン』との歴史は長く、1976年に初出演以降、1979年12月に土曜日でレギュラー初登場。その後は月曜、日曜担当を経て、1992年10月から再び土曜日を担当しています。現在はさんまさんに加えて、盟友・村上ショージさん、"ヤン娘。"の飯窪春菜さんとモーニング娘。'21・横山玲奈さんらがレギュラー出演しています。

60代のさんまさんにショージさん、20代のアイドルたちとの異なる世代間で生まれる化学反応が面白い『ヤングタウン 土曜日』。今回は、8月7日(土)に放送された『ヤン土』をじっくり聴取しました。

MBSヤングタウン 土曜日
放送局:MBSラジオ
放送日時:毎週土曜 22時00分~23時30分
出演者:明石家さんま、村上ショージ、飯窪春菜、横山玲奈(モーニング娘。’21)
番組ホームページ
公式Twitter

Twitterハッシュタグは「#yando」

※放送情報は変更となる場合があります。

記者も注目するオープニングトーク

さんまさんが世間の話題に今どんな想いを抱いているのか……その疑問に対する最新の見解を聴けるのがオープニングトークの掴みどころです。今回はサッカーアルゼンチン代表FW、リオネル・メッシ選手がFCバルセロナ(スペイン)退団のニュースを受けて、海外サッカー好きのさんまさんが心の底から残念がる発言がネットニュースでも取り上げられました。

毎週、予想できないさんまさんの本音や喜怒哀楽がほとばしる、この番組。番組内で飛び出すさんまさんの歯に衣着せぬ発言に、各メディアの記者たちが狙うのも頷けます。

舞台でのキスシーンはNG!?

各コーナーに寄せられるリスナーからのメールや、ヤン娘。が語る日々の出来事で登場したちょっとしたワードから、さんまさんの意外なこだわりや歴史が気まぐれに紐解かれていくのも番組ならではの魅力です。今回、ヤン娘。の飯窪春菜さんが出演舞台でキスシーンに挑戦したという話題から、さんまさんのキスシーンに対するこだわりが……。

さんま:舞台のキスシーンって、俺は断ってんねんけど(笑)。断ってるから……そんなもの無いねんけど(笑)。

村上:どのシーンでキスすんねん(笑)。

飯窪:どこに入れ込むんだろうなあ、さんまさんの舞台(笑)。

さんま:温水(洋一)と……(笑)。いや、あの、芝居もあるやんか。キスシーンがな。ものすごく照れるねん、舞台は。テレビは大丈夫やねんけど、舞台で知り合い同士がキスシーンするのがすっごい恥ずかしいのよ〜(笑)。

テレビドラマはOKで舞台はNGという、キスシーンへのこだわりを暴露したさんまさん。その理由が「知り合い同士のキスが恥ずかしいから」。こんなかわいらしい一面も、顔が映るテレビだったら発言を控えていたかもしれません。

さんまはプロレス少年だった!

この回のゲスト、モーニング娘。'21・牧野真莉愛さんが、幼い頃に野球名鑑を読んで漢字を覚えたというエピソードを披露。そこで、さんまさんが野球やサッカー以外のスポーツに熱狂していた意外な過去を明かします……。

さんま:小学校6年生で"魔豹"って書けたのは、俺だけやってん。それはもう、プロレスラーのペドロ・モラレスという選手が"魔豹"っていうニックネームだったんで、それをいつもノートに書いてたから"魔豹"だけ書けたという。

さんまさんが海外サッカーやメジャーリーグに明るい事は有名な話。さらに、かつてはプロレス少年だったという意外な事実がポロリと明かされました。現在のプロレス事情もチェックしているのかは謎ですが……。

トレードマーク"引き笑い"への葛藤と戸惑い

リスナーから寄せられた「生後5か月の息子が"引き笑い"をし出した」というメールを受けて、さんまさんが自身のトレードマークでもある"引き笑い"に抱いていた葛藤とは……。

さんま:"引き笑い"って最近でこそ有名になってるけど、ずっとやってんねんからね、俺。なのに今まで、その"引き笑い"をチョイスされず、ずうっと暮らしてきて、ここ10年くらいかな。"引き笑い"が世間に言われたり、真似する人が出てきたり。でも不思議やねん。それまでもテレビいっぱい出てるよ? "引き笑い"もしてきてんけど、なんか時代の……っていうのがあんねやろな。流れみたいな、不思議な事が起こってますよ。"引き笑い"に関しては。

「ははは」って笑うのと(笑いが)遅れるから、わざとらしい時あるんですよ。笑ってんねんけど、「ははは」っていくところを「はーっ」ってこのタイミングになるから、だから「わざと笑ってるんじゃないか」と言われる事もありましたけども。これはもう、しゃあないよねえ。持って生まれたもんやからなあ。作った訳でもないし。家族で誰も("引き笑い"は)いないしね。どういう環境で"引き笑い"になるのか、訳分からん。家族全員が"引き笑い"なら分かんねんけど、遺伝で。違うんですよ、これは。

さんまさんの"引き笑い"が注目を浴びて嬉しい反面、誤解を生じていた時期もあった事をポツリ。さらに、家族の中には"引き笑い"をする人はおらず、自身が"引き笑い"になった経緯も分からず戸惑っている事も吐露しました。いつも明るくポジティブなさんまさんも、ラジオではナイーブな一面を見せる事もあるようです。

大物芸能人の"結婚"とは

番組終盤で話題になったのは、市村正親さん・篠原涼子さん夫妻の離婚について。同じ傷を持つさんまさんは、LINEで市村さん宛にメッセージを送ったエピソードを語りました。

さんま:今回もね、市村さんがバツ2つ付いたんでLINEを送って、「おめでとうございます。バツ2つ。私を超えました」とか送ったんですけど。これで市村さんがすごいのは、「これでまた役者の迫力が出るかも分かりません」って最後に。やっぱり役者やねん。あの人が結婚してるのは芝居やねん。俺もそうやねんけど、俺はよく飯尾(和樹)に「笑いと結婚しましたね」とか言われるんですけども。笑いという妻を持つと、もうわがままで。ここで十分なんですよ。

大物俳優と芸人の生きざまを結婚と離婚のエピソードに重ね、ウイットを交えて軽やかに話すさんまさん。今回の放送で1番の聴きどころでした。奥深いですね。

奇跡の雪解けで実現!ニッポン放送『明石家さんま オールニッポンお願い!リクエスト』

さんまさんが過去にいろいろあったニッポン放送と和解し、2017年4月から年に数回、不定期でパーソナリティを務めているのが『明石家さんま オールニッポンお願い!リクエスト』。これまで15回、「恋バナ」や「ウソ」といったテーマを設けて放送してきました。番組ではリスナーと生で電話を繋いで、さんまさんがリスナーの話を直接聞き、リクエスト曲もかけていきます。

クリスマス恒例の『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系)のような、さんまさんとリスナーとの電話越しで繰り広げられる掛け合いが楽しい、お祭り感あふれるにぎやかな番組です。

カトパンの結婚相手は1年前に知っていた

今回は、6月14日(月)に放送された『明石家さんま オールニッポンお願い!リクエスト~“漁港の肉子ちゃん”公開記念!サイコウ家族・サイテー家族~』での気になる発言をピックアップ。放送当時、さんまさんとも共演歴が長い、"カトパン"ことフリーアナウンサー・加藤綾子さんの結婚報道があったばかりで……。

さんま:連絡はLINEだけで、実際には会ってないんですよ、加藤とは。結婚する前日に連絡くれて。「明日(結婚を)発表します」と「『めざましテレビ』で発表します」って言うけど、何で『ホンマでっか!?TV』でやってくれへんかったのか……。どうもあいつは『めざまし』の方に力を入れてるなっていう。『ホンマでっか』を生放送にしてね、結婚発表してくれた方が助かったんですけども。水曜日空けるっちゅう話や。

ほいで、1年くらい前にもう知ってたんです。その方と。その前にちょっと噂になった彼氏がいるんですけど、「(さんま)それは?」って言うたら「(加藤)別れました」って言うて、「(さんま)あ、彼と別れたん」って言うて、「(加藤)また新しい彼氏が出来ました」って「(さんま)早っ!!」って言うて。

女性との共演で心に決めている事

1年前から加藤さんのお相手の存在を知っていた事を明かしたさんまさん。加藤さんとの信頼関係の厚さがうかがえます。そして加藤さんの結婚話から、さんまさんが共演する女性に対して抱いている想いを告白しました。

さんま:我々はもうね、女という目であんまり見てないんですけども。

増山さやかアナウンサー:あ、そうなんですか?

さんま:ごめんなさいね、半世紀ちゃん。あなたも"共演者"として見てしまう。

増山:ああ。加藤アナウンサーに対してもですか?

さんま:もちろんもちろん。俺、共演者と結婚してえらい目に遭うてるやん。だから仕事がやりづらくなるから、あんまり……。長いこと心に決めてるんですよ(笑)。

増山:なるほど、そこからですねえ。

さんま:そうです。芸能界の人とあんまりね、そういう深い関係になると、もし次に共演した時に僕、ハラハラドキドキするんです。「この女、いらん事言い出したらどうしよう」と(苦笑)。そんな心配するのも邪魔くさい(苦笑)。

テレビ番組では多くの芸能人を相手にビシバシ仕切りまくるさんまさんですが、ラジオでは馴染みのスタジオで気兼ねの要らないメンバーと温かいリスナーたちを前にして本音をポロリ。戦闘モードをオフにした"お笑い怪獣"の意外な一面や、繊細でピュアな素顔を垣間見られるのが”さんまのラジオ”の魅力と言っていいでしょう。「テレビのさんま」だけでなく、「ラジオのさんま」もぜひチェックしてみてください!

この記事を書いた人

高田りぶれ(たかだ・りぶれ)

山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。

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サンタの衣装はなぜ赤色? 靴下にプレゼントを入れるのはなぜ?「クリスマス」にまつわる疑問に迫る

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。12月3日(日)の放送は、クリスマスカード・切手収集家の木村正裕(きむら・まさひろ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、木村正裕さん、宇賀なつみ



◆もうすぐクリスマス…日本と海外では祝い方が全然違う?

小さい頃からクリスマス好きだった木村さんは、6歳頃からクリスマスに関して自ら勉強するように。なぜなら、昭和40年代当時というと「日本でクリスマスをお祝いする文化が家庭のなかに入ってくるタイミングだったんです」と木村さん。

「実家では小さなクリスマスツリーを出してパーティーをやっていて、私が進行表を書いて、自分で司会をやって、それでクリスマスパーティーみたいなものを企画したのが最初の記憶ですね」と振り返ります。

クリスマスカードにはさまざまな絵柄があり、そこにはクリスマスアイテムが描かれているものもあるなか、「日本で作られているクリスマスカードと、ヨーロッパやアメリカで作られているクリスマスカードは根本的に絵柄が違うんですね。私が持っているクリスマスカードで面白いものは豚がたくさん描いてあるもの。クリスマスカードで豚が出てくる頻度って実はすごく多いんですよ」と木村さんからは意外な言葉が。

これに小山が「なぜなんですか?」と興味を示すと、木村さんは「クリスマスのときに豚を食べる習慣がある国が多いんです」と回答。さらに、「もともとは、冬の間に食料が少なくなってきて、秋に豚をハムなどの保存食にして取っておいて、クリスマスの時期に大切な食料をバーンと出してみんなで無礼講で食べる、という背景があります」と説明します。

そうした背景がある国のクリスマスカードには「豚がたくさん出てきたり、かわいい女の子が豚を抱えてにっこり笑っていたりします。“その後、この豚はどうなるんだろう?”って考えてしまうようなものとかもあります(笑)」と木村さん。


木村さん所有のクリスマスカード「贈り物を持つクリスト・キントとブタ」(スウェーデン 1907年使用)



そのほかにも、「馬の足に履かせる馬蹄(ばてい)ですね。幸運の印なので(カードに)描かれていたり、そういったクリスマスのアイテムが描かれることは結構ありますね」とクリスマスカードにまつわる話が次々と飛び出します。

続いては、サンタクロースの話題に。小山が「サンタの衣装が赤いのは、コカ・コーラの広告だったっていうのはよく聞きますけど、あれは本当なんですか?」と質問すると、木村さんは「その要素も多少はあると思いますけれども……」としつつ「俗説ですね」と明言。

というのも、「その前にも赤い衣装のサンタクロースはいたので。そのなかでコカ・コーラが赤い衣装のサンタクロースに目をつけて、大々的に宣伝をしたのだと思います」と見解を示します。

木村さんいわく、赤色だけでなく、他の色を着たサンタも昔にはいたそうで「私が持っているクリスマスカードだと、緑色の格好をしたサンタクロースとか、灰色の膜みたいなものをかぶっているサンタクロースとか、いろいろなサンタクロースがいますね」と話します。

さらに小山が「(サンタが)煙突から入って靴下にプレゼントを入れるというのは、誰が?」と尋ねると、「もともとの物語の1つとしてあるのは、セイント・ニコラスという昔の聖人がいまして、いろいろな奇跡を起こす人と言われているんですけど。貧しい家庭に適齢期の娘さんたちがいて、その人たちの婚姻のためのお金が足りないというので、夜にそこの家を訪ねて、開けっぱなしの窓からポンと金貨を投げたら、吊るしてあった靴下の中に入ったという話が聖書外典という本に残っていまして、そこから話が来ているんですね。そして、北欧のほうでは小さな妖精の伝説もありまして。小さい妖精が煙突から入ってくるというのもサンタクロースのルーツの1つです」と真摯に答える木村さん。

一方、宇賀からは「よくアメリカやヨーロッパのドラマで、クリスマスカードを贈り合うシーンが出てきたりするじゃないですか。向こうのクリスマスカードって、日本でいう年賀状みたいな感じなんですか?」との質問が。

木村さんは「実はクリスマスというのが正式に終わるのは1月6日の公現祭と呼ばれる日なんですね。クリスマス当日から1月6日までがクリスマスの期間なので、年末年始も含まれるんですね。日本の場合はお正月にたくさんお祝いをしますが、どちらかというとヨーロッパのほうはクリスマスのお祝いをしてそれが1月6日まで続く……ということになるので、クリスマスカードで『Merry Christmas & A Happy New Year』と書いてあるものもあります」と話します。

さらには、「日本だとクリスマスが終わるとデパートの方たちが(装飾の撤去を)徹夜でやりますけど(笑)。クリスマスツリーを片付ける日が決まっている国もありますが、だいたいが1月6日くらいに片付ける感じですね」と海外との違いについて言及します。

それを聞き、「だから向こうは年が明けてもクリスマスツリーをしまわないんですね」と納得しきりの宇賀でした。


木村さん所有のクリスマスカード「子供たちにギフトを手渡しするサンタクロース」(英国 1913年使用))



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12月3日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年12月11日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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