大橋ちっぽけ、ヤングオオハラ、Rude-αが三者三様の才能で魅せた 、ROCK KIDS 802 ライブイベント

『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!- TSUTAYA New Discovery LIVE』 ©FM802 Photo by 森好弘

FM802毎週月曜日から木曜日21時からDJ落合健太郎がオンエアしている「ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON !!-」。その番組内のコーナー「ROCK KIDS 802 × TSUTAYA New Discovery」でピックアップしてきた注目の新人アーティストが登場した『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!- TSUTAYA New Discovery LIVE』。
2月5日(火)に開催され大橋ちっぽけ、ヤングオオハラ、Rude-αが登場。
注目の3組が出演するにもかかわらず、入場料は無料ということもあり会場のMusic Club JANUSには多数のオーディエンスが集まりました!
それぞれの個性が光ったショーケースライブの様子をレポートでお届けします。

 

2019/2/5(火)@心斎橋 Music Club JANUS
出演アーティスト:大橋ちっぽけ/ヤングオオハラ/Rude-α
■Text by 奥“ボウイ”昌史
■Photo by 森好弘

FM802の人気プログラム『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON !!-』(月~木21:00~)にて、毎週月曜22:00よりオンエアされているコーナー『TSUTAYA LET'S MUSIC!』。その中で、FM802DJ落合健太郎、番組スタッフ、そしてTSUTAYAが毎月1組、注目の新人アーティストをピックアップする企画『ROCK KIDS 802 × TSUTAYA New Discovery』が発展、スペシャルショーケースライブ『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!- TSUTAYA New Discovery LIVE』として、2月5日、大阪・心斎橋JANUSにて開催された。

まずは、TSUTAYA ROCK KIDS 802店・店長こと落合健太郎と、実際に4年間TSUTAYAで働いた経験があるという、同じくFM802DJの高樹リサが登場。大橋ちっぽけ、ヤングオオハラ、Rude-αと、今後のブレイクが期待される3組が集った宴をトークでも盛り上げる。

そして、心地いいアコースティックギターの音色と、深く優しい歌声が寄り添うように始まったのが、大橋ちっぽけのライブだ。ギター1本と歌声のみでオーディエンスを釘付けにしてみせた「君と春」から、シンガーソングライターとしてのポテンシャルと存在感をまざまざと見せつける。

「ほとんどの方がはじめましてだと思うんですけど、僕は愛媛出身の20歳で、大学に通いながら音楽をやっています。今日はこれからの活躍が期待されるアーティストということで非常に恐縮ですが(笑)、よろしくお願いいたします」

続く「テイクイットイージー」、「地元の歌をやります」と奏でた「マツヤマ」でも、ギター、歌、メロディというミニマムな要素で、その街の匂いすら感じさせるような情景とノスタルジーを描き切るソングライティングが、本当に素晴らしい。拳を上げるわけでもなく、シンガロングするわけでもなく、心のもっと奥の方の気持ちを共にする。そこにいる全ての人々が歌詞に耳をそばだて、物語を共有するような独特の一体感。合わせ鏡のようにオーディエンスのフィジカルに反応させる即効性ではなく、メンタルに深く潜って突き刺さる「ダイバー」は、音楽だけでちゃんと1つになれることを見事に証明している。

そんな空気を作った後に、「僕はネクストブレイクできるのかな?(笑) 今日はそんなライブができていたらいいなと思います」とはにかんだ彼に、会場からは大きな拍手が贈られる。ラストは、大学受験の際に書いたという「オレガノ」。青春の葛藤が言葉の1つ1つから伝わってくるような苦さと瑞々しさが、その時代を楽曲に永遠に刻み付けたようなエバーグリーンさで胸に迫りくる。

目の前には、一見どこにでもいそうな20歳の青年。だが、放たれた音楽は、ここにしかない確かな輝きを魅せた全5曲。彼がMCで語った不安など軽々と吹き飛ばす、まばゆき可能性を見せた大橋ちっぽけのステージだった。
 

ISSEIの切れ味抜群のヒューマンビートボックスに乗せ、たたみかけるようなマシンガンラップでいきなり度肝を抜いたのは、沖縄発の新世代ラッパー、Rude-α。自伝のような「19」でまくし立て、そのままシームレスに突入した「Mirror Ball」ではオーディエンスも思わずハンズアップ。「Everybody! 楽しめるヤツはどれだけいるんだい!?」とその手を緩めずぐいぐいと熱を上げていくその光景に、先ほどとはまたガラリと雰囲気が変わったJANUS。「大阪、調子はどうですか!? みんなの声を聴かせてほしいんです!」とブチ上げた「この夜を超えて」でも、「みんなのバイブスが俺を熱くさせるから」と、絶えることなく観る者を鼓舞し巻き込んでいくこのエネルギーたるや。初見の人も多かったであろうショーケースでここまで声が上がるのは、彼の真剣なまなざしと沖縄で育まれた人懐っこさの成せる業か。

「スケベDJと社会不適合者でワーワー言うてますけど(笑)、東京に住んで3年、親元を離れて寂しいことも、うまくいかないこともあって。そのとき、末期ガンだったじいちゃんに相談したら、“自分の決めたことを後悔しないようにやれ”って。あの言葉があったから今、大阪で歌ってるし、別れはすごく悲しかったけど、最近、友達の子供が生まれたり、嬉しい出会いもある。だから、そんなみんなの感情の変化のそばにいる歌を、これからも歌っていきたい。愛を込めて歌います」

上京後の人生に訪れた紆余曲折と悲喜こもごもを、ポエトリーリーディングさながら切々と綴った「Happiness」。その言葉の持つ力とRude-αという1人の人間の生き様には、心を揺さぶされて仕方ない。3月にCreepy Nutsと韻シストを迎え、大阪で初めて開催される自主企画『TEEDA』について熱心に語る姿しかり、この男は何かと人を惹きつける。

そして、クライマックスに披露したのは「Boy Meets Girl」。アーバンなトラック上で軽やかにラップするこの曲では、ステージを所狭しと横断するRude-αの熱いパフォーマンスに応えるウエーブが生まれる。「OK、そのバイブスのままこのトレインに乗り込んでくれ!」と、ラストは「Train」でフロアをフックアップ! 最後の最後まで情熱を燃やし続けたRude-αのライブに、大器の片鱗を感じたオーディエンスは少なくないだろう。
 

あの「Y.M.C.A.」のご陽気なSEを背に最後にステージに登場したのは、トリを務めるヤングオオハラ! この日唯一のバンド形態での出演となった彼らは、しょっぱなの「新」から疾走感漂うロックンロールでオーディエンスの身体を揺らし、「改めましてヤングオオハラです! 調子どう? 踊れそう!?」(vo&g・ハローユキトモ、以下同)と間髪入れずに「サマタイ」を投入。ハローユキトモ、ヨウヘイギマ(g)、ミツキング(b)のフロントラインのコーラスが抜群に機能するダンスチューンは、4ピースバンドというオーソドックスなフォーマットにも関わらず、独特の語感とグッドメロディの黄金配合がとにかくクセになる。

「俺らと一緒にもっとキラキラしようぜ!」と煽った「キラキラ」でもそのセオリーは健在で、かと思えば、ノリバルカン(ds)の力強いビートに丁寧に言葉を乗せていくようなミドルナンバー「中南海」など、バンドの懐の深さを感じさせる様々なテイストの楽曲を、これぞライブな熱量とグルーヴで鳴らしていく。これでまだ結成して2年半、平均年齢20.75歳とは、いやはや恐れ入る。ブルーの照明を浴びながら、ボーカリストとしてのスケールを感じさせるハローユキトモの鋼の歌声が、JANUSの隅々まで包み込んだ「HANBUN」といい、ロックシーン云々なんて範疇では語れない才能に溢れた楽曲群には、未来しかない。

「こんなごちゃまぜのメンツのイベントはなかなかないし、お前らは音楽が好きだからここにいるんだろ? 最高だよ! 全力で拳を上げろ~!!」

最後の「美しい」では、ハローユキトモがハンドマイクでオーディエンスの魂に焚きつけ、「また遊ぼうね!」という言葉とフィードバックノイズをステージに残し、全6曲30分を全力疾走で駆け抜けたヤングオオハラ。その強烈な余韻が身体から離れない超新星たちの三者三様のライブは、ネクストブレイクの期待にたがわぬきらめきに満ちていた。

ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON !!-
放送局:FM802
放送日時:毎週月曜~木曜 21時00分~23時48分
出演者:落合健太郎
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



----------------------------------------------------
4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

Facebook

ページトップへ