本屋さんの名物店長が教える、今読むべき話題作――芥川賞・直木賞からおすすめコミックまで

毎週木曜日のACTUS For Relax内で放送中の『HIT&RECOMMEND』のコーナー。
7/15の回では柳正堂(りゅうせいどう)イオンタウン山梨中央店の青柳店長にお話を伺います。

芥川賞は「ゾンビ回収婦」、直木賞は65歳の最高齢受賞!

柴田:「さて、先日発表された第175回の芥川賞と直木賞について教えてください」

青柳:「芥川賞は、小砂川チトさんの『ゾンビ回収』です。AIに仕事を奪われた女性が、VRのゲーム空間でノンプレイヤーキャラクター(NPC)になり、『ユーザーが倒したゾンビの死体を回収する』という現代的でめちゃめちゃな設定です」

アニメなどで映像化されそうな設定を、文章のみで表現しきる筆力とイメージ力の高さが評価されたのでとか。

柴田:「表紙も、可愛らしいけど少し不気味な女性のイラストで気になりますね!」

青柳:「直木賞は、朝倉かすみさんの『けんぐゎい』です。朝倉さんは43歳でデビューし、今回65歳で女性では最高齢となる受賞を果たしました。天然痘を患って痘痕(あばた)ができてしまった女性とその姉妹を主人公にした時代小説で、江戸時代の女性に対する厳しい環境での生き方を描いています」

柴田:「現代小説と時代小説、色が全然違ってどちらも読み比べるのが面白そうですね」

柳正堂書店 売れ筋ランキング!村上春樹の待望の新刊も...!

柴田:「それでは、お店(柳正堂書店)で売れている本のランキングをお願いします!」

青柳:「5位は『おいしい! イラストレッスン クレパスで描きました』。

著者がSNSで発信して話題になり書籍化されたもので、綺麗なグラデーションなどクレパスの描き方がわかる入門書です」

柴田:「絵が苦手な私でも、これを見たら上手に描けそうです!」

青柳:「4位は直木賞候補にもなった『多類婚姻譚』。何度も映画化されている人気作家の作品で、ファンの間で話題です。 そして3位と2位を独占しているのが、辻村深月さんの『ファイヤードーム』下・上巻です。累計30万部を突破する大ヒットで、著者は今回の直木賞の選考委員も務めていました」

柴田:「これだけ分厚い作品なのに、すごく読まれているんですね。そして堂々の1位は?」

青柳:「1位は、今月の頭に出た村上春樹さんの3年ぶりの新刊『夏帆─The Tale of KAHO─』です。初の女性主人公作品で、シンプルなベージュの背景に『夏帆─The Tale of KAHO─』と書かれた存在感を放つ装丁になっています」

柴田:「帯に書かれた『私はこの世界の出口を見つけなくてはならない』という言葉も、ちょっとドキドキしますね!」

可愛い絵柄で心をえぐるコミック『おりずる』

柴田:「今回、店長が特に注目しているアイテムは何ですか?」

青柳:「今日マチ子さんのコミック『おりずる』上下巻です。絵柄はすごく可愛くて柔らかいんですが、中身は純文学に近い作りになっています。舞台は現代で、原爆などの悲劇を生き延びた『奇跡の子』として特別視され、崇められる2人の女の子の物語です」

主人公の女の子は「亀(カメ)」と「クレイン(ツル)」の2人。周囲から平和のアイコンとしての役割を求められる中、2人は対照的な生き方を選ぶという。

青柳:「亀という子は、率先してその役割を引き受け、いわゆる『承認欲求の塊』のようになってしまいます。一方のクレイン(ツル)は、控えめに自分のペースで生きていくんです」

青柳:「様々な登場人物のエピソードを通じて、読み手はナイフでえぐられたような感覚を突きつけられます。直接的な戦争を描いているわけではないですが、今の時代の状況と合わせて考えさせられる作品です。ちなみにタイトルの『おりずる』の『ず』は、『つ』に点々ではなく『ず』に点々なんです。『折り』を取ると『ずるい』になるというメッセージが込められています」

柴田:「可愛い絵柄だからこそ、余計に心に残りそうですね」

「戦争と平和」をテーマに山梨読書会を実施します!

8月4日(火)に柳正堂書店イオンタウン山梨中央店で『山梨読書会』を開催します。

今回のテーマは『戦争と平和』で、参加者が本や絵本、コミックを持ち寄って紹介し合います。
青柳さんは『オリズル』を紹介する予定です!

「HIT&RECOMMEND」のコーナーは、毎週木曜日10時~放送中

実際に店頭に立っている方から、今何が流行っているのか?

何が人気なのか?をお聞きするコーナー「オトナレッジ」は、

『ACTUS For Relax』の毎週木曜日 午前10時頃~放送中です!

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次回もお楽しみに!!

ACTUS For Relax

ACTUS For Relax
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週木曜 9時00分~11時37分
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「国を守る名目で国民を監視する」神奈川県警の免許証不正流用

10月23日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後3時台「アップデート・コラム」のコーナーでは、「神奈川県警の免許証不正流用」というテーマで、ジャーナリスト・青木理氏に話を伺った。

神奈川県警の保土ケ谷署員が、運転免許更新で回収した旧免許証を持ち出していた問題があり、警察庁が調査状況を明らかにした。

長野智子「免許証って(期限が)切れるとパチンッと穴を開けて……」
青木理
「返却してくれるところもあるんです。たとえば警視庁なんかはそういうところが多い。僕も古い免許証をパチンッて穴開けて返却されて、記念に持つ人もいるだろうし、こんなもんいらないからっつってシュレッダーにかけちゃう人もいると思うんですけど、戻すところもある。ただ、神奈川県警の場合は、どうやら今回明らかになったのは、そうやって失効した免許証を警察側が預かると言って、交通課が免許証を管理しているわけですけど、交通課から警備課、警備課っていうのはいわゆる公安警察、つまり背後に政治的なイデオロギーとか政治思想みたいなものに基づくような犯罪の捜査をしたり、ある種、そういう犯罪の抑止を名目として監視活動・情報活動みたいなことをやっている部門に免許証を全部渡していたと」

長野「とんでもないですよね。過激派とか右翼といった関係者の顔写真の収集などの目的で流用していたっていうことも伝えられている、と」

青木「それだけ聞くと『過激派を捕まえるためだ、あるいは右翼を監視するためだ、そりゃあしょうがないじゃないか』っていうふうに思われてしまうかもしれないんですけれども、これはまず個人情報保護法に基本的に違反している。顔写真なんていうのは極度にプライベートな情報ですよね。いまはたとえば顔写真があれば、それこそカメラ映像に顔認証システムみたいなものと一緒に入れれば、どこで誰が写っているかなんていうのは一発でわかってしまう世の中なので、本当に防犯カメラ映像なんかと重ね合わせれば、その人のプライバシーが相当明らかになっちゃう。だから、個人情報保護法違反であるってことが一つ。それからこの過激派って、誰が過激派なのか、誰が過激派と捉えるのかっていうのは、これは警察がある種、考えるわけですよね。特に公安警察が考えるわけじゃないですか。そうすると本当にテロをしている人、あるいはどこかでゲリラ活動をしている人みたいなのを捕まえるっていう名目で使っているのか、それとも自衛隊の情報機関が、本当に一般市民の性的嗜好も含めたプライバシーデータを集めてたみたいなことと同様、そういうことをついつい情報機関とか治安機関っていうのは集める。つまり『国を守るんだ』っていう名目の下に、実は『国民を監視する』っていうようなところにすぐ落ち込んでいってしまうっていうのが、古今東西、政治体制の左右を問わない情報機関とか治安機関っていうものの本質だっていうことは歴史が教えるところで。だからこそこういう情報をきちんと適正に使ってもらわなくちゃ困るんだけれども、神奈川県警の場合は、免許証そのものを全部渡していたっていうのは、これはやっぱり非常に怖い市民監視社会みたいなものにつながりかねない、そこに無自覚であった神奈川県警の問題点っていうのは強く言わなくちゃいけない」

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