名バイプレイヤー・田中哲司のセリフの覚え方「ブツブツ言いながら街を歩く」

J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。4月6日(土)のオンエアでは、俳優の田中哲司さんが登場。作品への取り組み方や、趣味のガーデニングについて訊きました。


■オファーがきたら「自分が演じる意義があるかどうか」を考える

田中さんは名バイプレイヤーとして映画、ドラマ、舞台、CM、ナレーションなど、さまざまな分野で才能を発揮しています。以前は複数の作品を同時に受けていたものの、セリフが入らなくなってきたりするようになり、1本に集中するようになったそうです。

市川:その1本はどのように選びますか?
田中:オファーがきた順番で選んでいて、あまり自分の好みは出しません。ただ、自分がやる意義を考えて「僕がやるのはどうかな」という役はお断りします。
市川:その“意義”というのは、自分にしかできない、ということですか?
田中:「俺ならこれをうまくやれる」っていう感じですね。とにかくセリフを覚えるのが大変なので、セリフの量もチェックします。なぜかセリフが多くて厳しい役が多いんです(笑)。

セリフを覚えるときは、「歩きながら」なのだとか。

田中:台本を持って、ブツブツ言いながら街を歩くとめちゃくちゃ入るんです。集中して必死に覚えるというよりは、景色を見ながら覚えています。散歩が好きなので、散歩しながら台詞が入るのはいいなと思います。
市川:演技をする上で心がけていることは何ですか?
田中:その作品全体の中で、自分の役がどのような役回りかを考えます。めちゃくちゃにしたほうがいいのか、抑えたほうがいいのか、とか。
市川:なるほど。
田中:あとは何パターンか考えて現場に臨み、監督に言われることを100パーセントやれるよう努力します。監督に「もう少し速く言って」って言われることがあって、セリフが相当体に入っていないとNGを連発してしまうんです。


■俳優に向いているのは「キラキラした人」

田中さんの実家は造園業を営んでいて、三重県の山の近くの田舎で育ったそうです。

田中:テレビや劇や映画に携わっている人がいなかったので、なぜ、俳優の道を選んだんだろうって思います。今でも3回に1回は「向いてない」と思います。
市川:俳優に向いている人はどんな人だと思いますか?
田中:キラキラした感じの人です。舞台でも「はやくお客さんに見せたい」といってキラキラしてる人もいるんです。僕は「なんで役者をやったんだろう」と、そういうことばかり考えてます。

田中さんは日本大学芸術学部演劇学科の出身ですが、受験した理由などは、あまり覚えていないそう。入ったからには続けるしかない、との思いで今に至ると話します。

市川:お芝居を仕事にしようと思ったきっかけはなんでしょうか?
田中:大学の発表会があって、自分たちで一本の舞台を作って上演しました。僕は役者で出たところ、何回か先生に褒められたんです。「いい声してる」とか「立ち姿がいい」とか。そういう単純なところですよ。
市川:先生は褒め上手ですね。
田中:向いているんじゃないかって、そのときに勘違いしちゃったんですね。

20代の頃は、向いてない、辞めようと思ったこともあるそうですが、大学まで行かせてもらった両親への申し訳なさを感じ、方針を変えられなかったとか。その後、田中さんが役者で生活していけるようになったのは30歳くらいからでした。

市川:ガツガツしていた時期はありましたか?
田中:20代、30代はめちゃくちゃガツガツしてましたよ。とにかく仕事がほしくて。人の作品を見ては「俺のほうが上手くやれる」といった感じでガツガツしてました。


■ヒール役が続いているので…

今後、演じてみたい役を訊くと……。

田中:このところヒール役が続いているので、優しい役をやりたいです。ヒール役の方が楽しいんですけど、続きすぎてるなと。
市川:優しい役をやったら物足りないんじゃないですか?
田中:物足りなくなって、ヒール役をやりたくなるかもしれないですね。この前、飲み屋で飲んでて、隣にいた知らないおばさまが「ちょっと言わせてもらっていいですか? 朝ドラ(『まんぷく』)のあなたに腹が立った」って言われて。「すみません」って謝っておきました(笑)。
市川:どうしても言いたくなったんでしょうね。


■趣味はガーデニング

田中さんの趣味はガーデニング。実家の造園業を手伝っていたことも影響しているようです。バラ、オリーブ、ブルーベリー、木蓮、桜などを、バルコニーであまり大きくしないように鉢植えで育てています。

田中:大きくしないようにするの難しいんです。育っちゃうんで。虫がすごいです。
市川:そうですよね(笑)。
田中:虫を見つけるのは上手いんです。糞を見るんです。地べたに落ちてるから分かるんです。大きさも分かります。

育てた花が綺麗に咲いたときは、とても癒されてリフレッシュできると語りました。仕事への向き合い方から、日常のことも伺えるオンエアとなりました。

田中さんの最近の出演作は、木曜ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日)が放映中。映画『新聞記者』は6月28日(金)に公開されます。ぜひご覧ください。

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【番組情報】
番組名:『TRUME TIME AND TIDE』
放送日時:毎週土曜 21時−21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/timeandtide/

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鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



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4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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