浦井健治「愛を叫び求める姿が印象的」ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を語る

J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。8月2日(金)のオンエアでは、俳優の浦井健治が登場。主演ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』について語った。


■作品に込められているメッセージ

浦井は、8月31日(土)から上演されるロックミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で主演を務める。1997年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで上演され、2001年に映画化。共にジョン・キャメロン・ミッチェルが脚本・監督・主演を務め、2015年のリバイバル公演では「トニー賞」名誉賞を受賞。今回の日本公演は2012年の再演以来7年ぶりとなる。

<あらすじ>
愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(怒りの1インチ)」が残ってしまったロックシンガー、ヘドウィグ。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿を描く。

浦井:ヘドウィグという役自体も大変でしたし、この作品に込められているメッセージがすごくソリッド。切れ味がたまらない。

日本公演は4度目の再演となる。これまでヘドウィグ役を、三上博史、山本耕史、森山未來が務めてきた。

浦井:ハードルは高いけど、演出を担当する福山桜子さんと共に、今回のヘドウィグを目指していけたらと思っています。

中井は、2004年の初演を観劇していたと言う。

中井:僕が芸大時代に青井陽治さんの授業を受けていて、青井さんが演出を担当した初演をPARCO劇場で観ました。
浦井:それ、すごくない?
中井:青井さんが誰かもよくわからないで授業を受けていました(笑)。その際、公開ゲネプロに呼んでいただき、作品を観て僕は放心状態でした。いわゆるバンドっぽい舞台で、三上さんがずっとしゃべってバンドと絡んでいて。その絡みがあるからこそリアリティがあるというか、その中で起きている出来事や過激な言葉が生で僕らに伝わってきました。


■ど派手なメイクと衣装は攻撃であり防御

浦井は、ヘドウィグを以下のように解説する。

浦井:ヘドウィグは「きれいさ」を目指しているとは思うけど、実際はおぞましくて、汚らしくて、どうしようもない。でも、それが攻撃でもあり防御でもあり、心も傷だらけだけど、そうやって生きていかなきゃいけなくなった人物の集大成です。

浦井は、「『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、のちにヘドウィグとなるハンセル少年が、人生の片割れを探すロックミュージカルだ」と続ける。

浦井:ハンセル少年がいろんな出会いとか別れを経験しつつ、傷つき倒れそうにもなるんだけど、自分の存在意義を問いかけて、愛を叫び求める姿が印象的だと思います。実はピュアなんですよ。
中井:僕もそう思います。防衛するためのきれいさであり、自分が自分でいることを守るためで、虚勢を張るけれど一番求めているのは片割れだし、愛ですよね。
浦井:そう。それがヘドウィグの母だったり、恋に落ちたトミーだったりルーサーだったり。自分から離れていってしまったきれいなものたちが、ヘドウィグにはずっとつきまとっているし、それが自分を作ってくれたとも思っている。もともとヘドウィグは女装しようと思っていたわけではないし、性別適合手術をしようと思っていたわけではないと思うんです。それが、やらざるを得ない状況になってしまった。
中井:映画版の性別適合手術のくだりが苦しくて。自分の意思ではなく、そのときに愛していた人から「そうしたらどう」って言われてやったら「アングリーインチが残っちゃったよ!」って。
浦井:切ない話ですよね。

4度目の再演となる『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で、浦井はどのようなヘドウィグを演じるのか。ぜひ劇場に足を運んでみてほしい。
 


また、番組の最後では中井智彦の新作LIVE CD『魅惑の宵』から『I Got Rhythm』を紹介。LIVE CD『魅惑の宵』は、9月3日にリリース予定。

 

 

LIVE CD『魅惑の宵』


この番組をラジコで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』
放送日時:毎週金曜 22時30分−23時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/musical/

 

 

タグ

鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



----------------------------------------------------
4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

Facebook

ページトップへ