沖縄慰霊の日~普天間基地を辺野古に移設すれば事足りる問題ではない

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月24日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。普天間飛行場の移設問題について解説した。

沖縄全戦没者追悼式で、平和宣言を読み上げる玉城デニー知事(左端)。右端は安倍首相=2019年6月23日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園 写真提供:共同通信社

沖縄慰霊の日

6月23日、沖縄は慰霊の日を迎えた。74年前の太平洋戦争末期、壮絶な地上戦で県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦の慰霊行事が各地で開かれた。最後の激戦地となった糸満市摩文仁にある平和祈念公園では県主催の沖縄全戦没者追悼式があり、玉城デニー知事が平和宣言を読み上げ、安倍総理も出席した。

飯田)玉城知事はアメリカ軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を進める政府を、宣言のなかでも強く批判しています。一方で式典後、安倍総理は記者団に対して次のように述べています。

安倍総理)辺野古への移設は基地を増やすものではありません。普天間飛行場の3つの機能のうち、1つに絞って辺野古に移します。1日も早い普天間飛行場の全面返還に向けて、全力で取り組んでいきたいと考えております。

飯田)沖縄慰霊の日ですけれど。

須田)慰霊の日ぐらいは怒号や批判的な言動は控えて、心穏やかに式典を行えたらよかったとは思いますが、声を上げざるを得ない人たちがいることも間違いないですね。

国交相決定に関し、取材に応じる沖縄県の玉城デニー知事=2018年10月30日午後、東京都千代田区 写真提供:共同通信社

普天間基地を辺野古に移設すれば事足りる問題ではない

須田)辺野古問題を真摯に考えると、普天間基地の移設は小泉政権のときに決まったのですよ。どういう経緯で辺野古に決まったかと言うと、もともと辺野古への移設は言われていて、沖合なのか、海上案、陸地案なのかというところで議論が行われていた。ただ、当時の小泉政権下では自然環境なども含めて考えると、埋め立ては必要だけれど陸地案が最も適当だろうということになった。当時の名護市、沖縄県知事や沖縄県、日本の官邸、そして防衛庁と元防衛庁長官の額賀さん。またアメリカ国防総省、およびアメリカホワイトハウス。この両者がすべて合意して、バランスを取りながらようやく決まったのですよ。それが一気にひっくり返された経緯がある。
アメリカとも約束して一旦決めたことをひっくり返すには、日本政府としてもそれなりの交渉がいる。一方的にひっくり返すわけにはいきませんからね。そのなかで米軍再編、あるいはグアムへの海兵隊の移設など、すべて連携して来る話なのですよ。単純に普天間基地を辺野古に移設すれば、それで事足りる問題ではない。グアム移設にあたって費用の一部を日本が負担するとか、そういったことも含めて全部動かして決まった話なのですね。それを御破算にするのは大変な作業なのです。
一方で、沖縄の民意や住民投票の結果も意識しなくてはならない。そのなかでどうするべきなのか、反対派、賛成派、移設推進派もいま1度考える必要があると思います。

【沖縄県民投票】投票締め切りと共に配布された地元紙の「反対多数」の号外を見る人たち=2019年2月24日午後、那覇市 写真提供:産経新聞社

一旦決まった約束を見直すことは難しい

飯田)海兵隊にはかなり泣いてもらったということが、後の証言では出て来ています。3つの機能のうち1つを辺野古に移すとなると、アメリカサイドの言い分からすれば、「うちも譲歩したのにどうして進まないのだ」となって来るのですか?

須田)アメリカサイドとしては、大幅に譲歩したという意識があるのですよね。加えて、例えば日本もグアム移設にあたり、どういう形で日本政府としてバックアップができるのか。海外の軍隊、アメリカの軍隊や施設ということになるから、予算でお金を出すわけにもいかない。そこも国際協力銀行などの支援を受ける形で、いろいろと知恵を絞ったのですよ。そういうことからゼロベースで見直す、新しい形で組み立てるのは相当難しい作業だと思います。だからと言って、やらなくてもいいわけではないですからね。

飯田)現状これを続けて行くとなると、今度は普天間の危険性の問題が必ず出て来ますものね。

須田)その一方で、とんでもない議論だとは思うけれど、いま沖縄サイドから沖縄独立論などが高まっているのを見ると、強引に進めることが是なのか非なのか考えなくてはいけないと思いますけれどね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



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4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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