森永卓郎が解説~消費税ポイント還元はどの電子マネーがいちばん高いか

「垣花正 あなたとハッピー!」(10月2日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。1日に消費税が10%となり、還元制度をどう利用するかという報道が目に付く。ここではどこの電子マネーがいちばん還元率が高いかを解説する。

コンビニエンスストアに貼られた、キャッシュレス決済でのポイント還元を知らせるポスター=2019年10月1日未明、東京都品川区 写真提供:産経新聞社

消費税増税後のポイント還元の現状

消費税増税が実施されて、メディアではいかにポイント還元制度をうまく活用するかということが盛んに報道されていますが、私は大学の周りや八丁堀の周りの小売店を回って、独自調査をしました。

中小小売店は5%還元となっているのですが、私が調べたところによるとポスターが貼ってあって、5%還元しているのは全体の2割くらいでした。還元は電子決済のみで、現金ではありません。商店街の方などは、電子決済がわからないという方が多かったです。お店の人がわからないと導入に踏み切れないし、説得されて導入したとしても、役所に申請しなければいけません。その申請に時間がかかっていて、スマホ決済はできるけれど還元はできないというところもあります。コンビニ大手傘下のフランチャイズ店舗は2%で、店頭にマークがあるということです。還元策自体が期間限定で、2020年6月末までとなっていますが、私は2021年の3月末いっぱいまで延長されるのではないかと思っています。

店舗例(吉野家-Wikipediaより)

還元のない吉野家ではキャッシュレス関係なく10%引き、大手スーパーも目玉商品で対抗

コンビニはほとんど対応したので、2%の即時還元が適用されています。食料品は軽減税率が適用されていますから、実質、前の月よりも2%値段が下がります。キャッシュレスでコンビニ2%引き、中小小売店5%引きで、黙っていられないのはそれ以外の大手です。ここで戦争が起こると思っていますが、吉野家では10%引きののぼりが立っていて、キャッシュレス関係なく通常料金の10%引きです。大手スーパーも対抗策で、目玉商品をどんどん打ち出しています。

見逃せないドコモのd払いは20%還元キャンペーン~10月14日まで

問題は政府還元の2%、5%ではなく、スマホ事業者がやっているキャンペーンです。たとえばNTTドコモがやっているd払いは、ドコモユーザーだけでなく、ソフトバンクでもauでもできます。だからd払いのアプリをインストールして、支払い用のクレジットカードを登録すれば使えます。これは急がないといけません。なぜなら、いま20%還元キャンペーンが行われていて、10月14日までだからです。還元額の条件は、期間中の上限は3000ポイントまで。買い物で言うと20%なので、1万5000円までです。1回の買い物で還元されるのは1000ポイントまでなので、5000円までです。5000円のものを3回買うのがいちばん合理的です。d払いが使えるコンビニや家電量販店で使えるので、2週間で1万5000円はいいラインだと思います。

QUICPayでは12月15日まで20%還元キャンペーン~でも設定が難しい

QUICPayでは、JCBのクレジットカードと紐づけると、12月15日まで20%還元です。ただ、利用するにはQUICPayのアプリではなく、アンドロイドの人はGoogle Pay、iPhoneの人はApple PayにQUICPayをつけるということをしなければなりません。ここからが難しい。QUICPayでカードを利用するように設定するのですが、ここは素人には難しいです。信用できる若者、またはITに強い中高年に任せましょう。これは1万円が還元上限なので5万円まで使えるため、こちらの方が大きいです。

わかりやすい楽天ペイのキャンペーン

いちばんわかりやすいのは楽天ペイで、2%還元の店、5%還元の店、そうでない大手のどこで払っても5%還元で、差額はすべて楽天ペイが払います。

PayPayとLINE Pay

PayPayは10月から1.5%還元に下がったのですが、これは中小だけ大優遇していて、合計で10%還元です。LINE Payはおとなしくしているのですが、これから東京オリンピック記念のVISAカードを発行します。当初は何を買っても3%還元です。

初心者は還元率の大きいQUICPayとd払いから

各社キャンペーンを行っていますが、初心者の方はとりあえず還元率の大きいQUICPayとd払いからはじめて、少しずつ増やせばいいと思います。ちなみに私は8つやっています。

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

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米朝実務協議を韓国が期待する理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月2日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。1日に発表された米朝実務協議について解説した。

南北軍事境界線がある板門店で握手するトランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月30日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

10月中に米朝実務協議

北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1次官の談話を発表し、10月中に北朝鮮とアメリカが実務協議を開催することで合意した。協議を行う場所については明らかになっていない。

飯田)2月のハノイでの米朝首脳会談は物別れに終わって、6月末も板門店で会談がありましたが、そこでは2~3週間以内の実務協議再開で合意したとされていました。しかし、しばらく交渉はしませんでしたが、動き出すのでしょうか?

「ロイター」「プラス」 米朝首脳会談 ドナルド・トランプ米大統領、金正恩朝鮮労働党委員長、米朝首脳会談、拡大会合、第2回米朝首脳会談、アメリカ、北朝鮮=2019(平成31)年2月28日、ベトナム・ハノイ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

米朝交渉で必要なのは「トップダウンでない」交渉

佐々木)ニュースで実務協議と聞くと地味でつまらなそうだと思いますが、これはとても大事なことです。これまで米朝協議は、トップダウン協議しか行っていませんでした。最初の金正恩・トランプ会談では握手して仲よくなり、次のハノイでは物別れして口もきかないというような状態でした。常にリーダーの気分に左右されて、一向にものごとが進まない。トランプ大統領の外交はそこがいちばんの問題なのです。彼は自分の交渉が上手く行くと信じ込んでいるから、何でもトップダウンでやりたがるけれど、実際にやってみると失敗が多い。いまこそトランプ政権を、実務家が回す方向に戻さないといけない状況になって来ています。だから北朝鮮の問題も同じで、実務協議できちんと非核化の話を議論していただいて、トランプさんと金正恩さんにはあまり出て来てほしくないというところではないでしょうか。

飯田)前回のハノイのとき、直前で実務家のポンペオさんなどが詰めようとしたけれども、最終的には詰めきれなかったということですかね。

ボルトン米大統領補佐官(左)と握手を交わす河野外相=2019年7月22日午後、外務省 写真提供:産経新聞社

米中が仲よくなることをいちばん望むのは韓国

佐々木)そうですね。ちなみに、この協議をいちばん期待しているのは韓国です。韓国は中国とアメリカの間にいて、非常に困った状況にあります。ここで米中間の対立が広がると、どちらかにつかなければいけなくなります。基本的に日本やアメリカはシーパワーの国です。一方ロシア、中国はランドパワーの国で、これらはなかなか相容れない。韓国のような半島という立地は、地政学的に中途半端な立地です。大陸側でもあり、海側でもある。かと言って両方に足をかけて外交ができるかと言うと、だいたい上手く行かないので、どちらかにつかなければいけなくなります。そこで対立が深まるよりも、北朝鮮・中国側とアメリカ側が仲よくしてくれると、どっちつかずでも何とかなるという読みです。今後は距離が近づいてくれると、朝鮮半島統一に向けて北朝鮮と韓国の対話も進みやすくなる、という話だと思います。

飯田)トランプ大統領のまわりにいた、ボルトンさんという強硬派が解任されました。北朝鮮はこれを歓迎しているという話もありますが。

佐々木)強硬過ぎて、トランプ大統領と合わなかったという。後任はまっとうな人なので、より穏健な方向に戻るのではないかと言われています。ただ、トランプ政権は常に強硬なナショナリスト派と、どちらかと言えばグローバルに協調して行こうとする派の両派がいて、グローバル派はだいぶ追い出されてしまった。強硬派ばかりが残っている状況なので、ボルトンさんがいなくなったからと言って、安心はできません。

飯田)基本スタンスは変わらないと。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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