日本で重症者数が増えない“3つの可能性”~新型コロナ

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月5日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。加藤厚労大臣が新型コロナウイルスの感染拡大のスピードが急激な場合には、再び緊急事態宣言を出すこともあり得ると発言したニュースについて解説した。

第2回新型コロナウイルス感染症対策分科会の冒頭であいさつする加藤勝信厚労相=2020年7月16日午後、東京都千代田区 ©産経新聞社

加藤厚生労働大臣が緊急事態宣言の可能性に言及~ここで言うことに生じる疑問

加藤厚生労働大臣は8月4日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大のスピードが急激な場合には、一般論として再び緊急事態宣言を出すこともあり得るという考えを示した。感染拡大のなか、自治体では独自に緊急事態宣言を出すなど、さまざまな対策が取られている。

飯田)各自治体で不要不急の外出自粛や、営業時間の短縮を要請する動きが出ていますが、菅官房長官は否定していました。

佐々木)緊急事態宣言が再び出る可能性があるということは、最初からわかっていた話で、いま言うことではありません。結局は、経済と感染症予防のバランスをどう取るかです。ずっと緊急事態にしていれば感染は防げますが、観光業を含め、経済がつぶれてしまうからやめました。でも、やめれば増え続けるのは想定の範囲内なので、どこかでもう1度引き締めなければいけません。これがいわゆる「ハンマーアンドダンス戦略」です。ハンマーを振り下ろさなければいけない時期が来ます。でも、この時期にわざわざ大臣が言うような話でしょうか。

連休最終日を迎え多くの人でにぎわう羽田空港の国内線出発ロビー=2020年7月26日午後、東京都大田区 ©産経新聞社

日本で重症者数が増えない3つの可能性~病床も逼迫していない

佐々木)現状を見ていると、感染者数が東京でも連日200人を超えて、300人以上になったりしています。相当増えていますが、大事なのは医療体制が崩壊しないかどうかです。いちばん重要な指標は感染者数ではなく、重症者数と空き病床数です。軽症者ではなく、重症者向けの人工心肺などの体制がどうなっているかですが、いまのところ重症者数は増えていません。4月上旬に、第1波の緊急事態宣言を出したころと比べると少ないです。病床も逼迫(ひっぱく)はしていません。東京は全体の病床数のなかで30%くらいまで行っていますが、まだ余裕があります。なぜ重症者数が増えていないのかはわかりません。4日に他の番組で、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸先生とやりとりをしました。「なぜ重症者数は増えていないのですか?」と聞いてみたら、「現状はよくわかっていませんが、考えられる理由は3つあります。1つは検査数を増やしたので感染者数が増えていますが、実態はそんなに感染爆発していないという可能性。2つ目は、もしかしたらウイルスが弱毒化しているという可能性。3つ目は夏場だからです。インフルエンザは冬に流行りますが、新型コロナウイルスもインフルエンザと似たようなものだから、夏は収まっている可能性があるかも知れない」と。どちらにせよ、どれが真実なのか現状ではわからないし、次の第2波、第3波が爆発する可能性は冬に来るので、そのときにならないと真相はわからないということでした。

飯田)条件が違い過ぎるということですね。

佐々木)少なくとも現状は、そこまで感染爆発する様子はなく、医療体制が崩壊する状況でもありません。だから緊急事態宣言が出ることはないと思います。加藤大臣がわざわざ言う必要はなかったのではないでしょうか。

飯田)ここで「言ったから」という、厚生労働省のアリバイづくりに見えてしまいます。

Go Toキャンペーン開始についての会見 安倍総理 総理大臣官邸 2020年7月22日~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202007/22bura.html)

政府が何を言っても批判の材料となってしまう

佐々木)野党やメディア側の問題もあります。緊急事態宣言を出さないと「遅い」と文句を言い、緊急事態宣言を出せば「経済を壊す気か」と怒る。何を言っても批判の材料となります。結局、誰が見ても、この先どうなるかはわかりません。いくらでも批判できるので、その都度文句を言うことができます。

飯田)後付けで、あのときはどうしたのかと言い続けることができる。

佐々木)そうすると政権批判をした気になるのです。立憲民主党の蓮舫さんあたりが乗っかって、ツイッターで言ったりすると、仕事をしている気になります。でも本当のところは、対策について見極めができるかと言ったら、誰にもできません。その都度、判断して行くしかありません。これは国民側も同じで、「Go To をやりましょう」と言ったら、「そんなことをすれば感染が増える」と言えるし、「やめます」と言えば、「観光業を殺す気か」と言えてしまいます。結局、「政府が決めて欲しい。決めてくれたら思う存分批判したい」という人が多過ぎます。もう少し自分で判断すべきです。今回のGo To に関しても、菅官房長官が「帰省はやめて欲しい、でもGo To で旅館に行くのはいい」と言ったことについて、「矛盾している」と批判しますが、高齢者と会って感染させたら大変です。それならば、まだ旅館に行って静かにしている方が、感染予防になるかも知れません。

飯田)もちろん、どんちゃん騒ぎはせずに感染拡大防止をした上で、ですね。

Go To トラベル、東京発着除外へ 記者団に応じる赤羽一嘉国交相、西村康稔経済再生担当相=2020年7月16日午後、首相官邸 ©産経新聞社

個人個人で判断するべき

佐々木)「3密にならずに大声を出さなければ問題ない」と、コロナ分科会の会長も言っています。高齢の親がいて、来年は会えないかも知れないというのであれば、顔だけ見に行くというのもありだと思いますし、それは個人個人で判断すればいいのです。

飯田)会い方にしても、外の公園で2メートルくらい間を取ってとか、感染防止をした上で短時間だけ会うならば、問題ないだろうと。

佐々木)とにかく国に判断させた上で、唯唯諾諾として従うか、そうでなければ思う存分批判するかのどちらかというのは、自主性がなさ過ぎます。批判している側も従う側も、お上主義から逃れられていない感じがします。

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鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



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4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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