「中島みゆき/時代」坂本九は当時から"この子の将来"を判っていたと思う

山崎まさよしとは"因縁"も…。 ©STVラジオ

シンガーソングライターで"選曲家"の松崎真人が、'70~'90年代の日本の曲・日本語の曲を中心にイントロからアウトロまでノーカットでお届けするライブ・プログラム、STVラジオ『MUSIC☆J』(火~金 19:00~)。この日は、ポプコン(ヤマハ・ポピュラーソング・コンテスト)の上位大会でもあった「世界歌謡祭」から3曲を掛けしました。ポプコン出身で、世界歌謡祭の舞台にも立った松崎真人のトークは、この時間帯こそ真骨頂です。(文中敬称略)
  
M08「出発の歌〜失われた時を求めて〜/上條恒彦と六文銭」(第2回世界歌謡祭)

松崎:この曲は1971年ですので、リアルタイムでは僕は知らないのですが、この頃は、ポプコンのグランプリが世界歌謡祭に行くという形がまだ出来ていない時なので、世界歌謡祭は世界歌謡祭、ポプコンはポプコンでそれぞれでしたので、この第2回世界歌謡祭には殆どプロ、「トワエモワ」とか「赤い鳥」とかが出場していました。ただ世界歌謡祭にも伝統があって、ポプコンのグランプリ曲と言えども、曲想の大きさ、曲のスケールの大きいものが相応しいんじゃないかというイメージは受け継がれていくんです。

松崎:そう言う意味で、1980年のこの曲は、あまり今オンエアはありませんが、僕の中にはスゴく印象深く残っています。ソロ歌手としてエントリーです。

M09「愛を心に/エディ山本」

松崎:久しぶりに聴いた!という方と、知らない!という方に別れると思いますが、1980年のグランプリです。(編註:ちなみに編者は前者であります)。ジャケット写真を見ると、ちょっと二枚目で、鹿賀丈史に顔が似てるんです。なので骨格が似てるんで、声も似てますよね。

松崎:次ですが、もう曲想が大きくて、みんな知っていて、世界歌謡祭に出てグランプリというともう、これです。今回は、通常のラジオ番組ではあまりオンエアしない形式でお送りします。 
 
M10「時代/中島みゆき」(ライブver.)

松崎:世界歌謡祭の実況録音のもので、ジュディ・オングと坂本九の司会です。僕もあの武道館で、同じように坂本九とジュディ・オングに曲タイトルをコールされて歌い始めた人間なので、そう言う意味でも感極まるものがあります。たぶん坂本九はこの時、この子(中島みゆき)は将来、どうなるかってことは、あれほどの方ですから、判ってたと思うんです。そう言う意味でも、歴史的なMC・曲紹介だたったと思います。
 

そしてリスナーから、山崎まさよしの曲にリクエストがありました。山崎まさよしは今「Netflix」で配信されている『奇跡の人』という、かつて日本テレビ系で放送されていたドラマに出演しています。そのことも踏まえて松崎は、山崎との浅からぬ縁を語ります。
 
松崎:彼は、取り替えの利かない人なんです、役者としてもミュージシャンとしても。実は因縁があってね、山崎まさよしは全然、覚えてないんだけど、「月とキャベツ」という彼の転機となった映画よりももっと先に彼のことをちょっと知っていて、「月とキャベツ」を試写会で見たんです、(東京の)新橋の小さい試写室で。で「この人はなんだ?!」と思ったのが出会いのきっかけです。

松崎:その後で、私がやっていた「Birthday Suit」の『オールナイトニッポン』が終わり(※編註1)、後にパーソナリティを引き継いだのが、山崎まさよしでした。「禍福は糾える縄の如し」(※編註2)と言うわけでして…。

松崎:その時から、(山崎の)演技も"素人演技"とかじゃないんですよ。なんか独自の存在感のある方なんですよ。だから作品も選んでいると思うんですけど、『奇跡の人』もナイスキャスティングだったんだと思います。

M25「僕はここにいる/山崎まさよし」

(※編註1:番組中では『オールナイトニッポン』と言っていますが、正しくはSTVラジオの『アタックヤング』のこと。1995年10月に火曜日パーソナリティが「Birthday Suit」から「山崎まさよし」に交代)(※編註2:禍福はあざなえる縄のごとし=幸福と不幸は交互にやってくるものだ、と言う意味の故事成語)

【編集後記】
「おどるポンポコリン/B.B.クイーンズ」は現在、新アレンジで再び「ちびまる子ちゃん」オープニングとなっているが、好対照なのが「サザエさん」のオープニング曲。林春生:作詞 筒美京平:作曲で文句ない名曲なのだが、テレビから流れてくるバージョンは終盤で明らかにピッチが狂っている。当時の編集技術ではどうしようもなかったのだろうが、今なら自然に編集ポイントをなだらかに正しいピッチに修正できる。なぜこれをかたくなに変えないのか? 絶対に(こだわりの)理由があるはずなので、ぜひ長谷川町子先生の関係者にお話を伺ってみたい。(松崎 真人)

【11月16日のプレイリスト】
M01「7 COLORS -Over The Rainbow-/PERSONZ」
M02「GLORIA/ZIGGY」
M03「月ひとしずく/小泉今日子」
M04「夜の海を走って月を見た/高野寛」
M05「月の裏で会いましょう/ORIGINAL LOVE」(アルバムver.)
M06「忘れ得ぬ君/ザ・テンプターズ」
M07「夜明けに消えた恋/ザ・ブルーインパルス」
M08「出発の歌〜失われた時を求めて〜/上條恒彦と六文銭」
M09「愛を心に/エディ山本」
M10「時代/中島みゆき」(ライブver.)

M11「おどるポンポコリン/B.B.クイーンズ」
M12「咲き誇れ愛しさよ/Wink」
M13「Don’t wanna cry/安室奈美恵」
M14「季節が君だけを変える/BOOWY」
M15「Cloudy Heart/BOOWY」
M16「赤いアンブレラ/もんた&ブラザーズ」
M17「胸が痛い/憂歌団」
M18「寒い国から来た手紙/泉谷しげる」(ライブver.)
M19「over/V6」
M20「White Love/SPEED」

M21「約束の橋/佐野元春」
M22「労働 CALLING/怒髪天」
M23「大きくなったら/FLYING KIDS」
M24「秋色化粧/上田知華+KARYOBIN」
M25「僕はここにいる/山崎まさよし」
M26「虹/高橋優」
M27「真夜中の虹/Birthday Suit」
M28「虹の彼方に/美空ひばり」
 
STVラジオ『MUSIC☆J』(毎週火~金 19:00~22:00)★RCCラジオ生ネット(~21:50)

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MUSIC☆J
放送局:STVラジオ 他1局ネット
放送日時:毎週火曜~金曜 19時00分~22時00分
※放送局によって日時が異なる場合があります。
出演者:松崎真人(まつざき・まこと):シンガーソングライター、選曲家。北海道札幌市出身。1984年ヤマハポピュラーソングコンテストで優秀賞を受賞し、85年「たわいないトワイライト」でデビュー。92年、佐木伸誘とユニット「Birthday Suit」結成。現在はソロでラジオパーソナリティやライブを中心に活動。
番組ホームページ

リクエストメール:mj@stv.jp
twitterハッシュタグ:#musicj 
(番組OA中は、マニアックな話題で盛り上がります)

70年代~90年代の日本のポップス・日本語のポップスを中心に"厳選かけ流し"でお届け。パーソナリティは、北海道出身のシンガーソングライター・松崎真人。音楽への深い造詣と知識に裏打ちされた含蓄あるトーク、選曲の幅広さでリスナーの支持を全国に広げている。松崎の"微妙な滑舌"も病みつきになります!。
★RCCラジオでも同時生放送(~21:50)

※該当回の聴取期間は終了しました。