10-FEET・TAKUMA「捨て身のバンド活動」「500%でやらな」ミュージシャンへの道を自ら切り開いた大学時代を回顧

FM大阪、TOKYO FMにて、毎週日曜13:55~14:00放送中のラジオ番組「マクセル meets カレッジナレッジ」。AKB48の元メンバーで、関西学院大学出身の山本瑠香がパーソナリティをつとめ、各大学の未来につながる取り組みを紹介しています。

1月8日(月・祝)の放送は、特別番組「マクセル meets カレッジナレッジ ~成人の日 ミライナレッジ〜」をオンエア。特別パーソナリティとして、京都出身のスリーピースロックバンド・10-FEETのTAKUMAさん(Vo/Gt)を迎え、新成人・若者から寄せられた悩み相談に“人生の先輩”としてメッセージを贈りました。この記事では、ミュージシャンへの道を自ら切り開いた大学時代を振り返ったパートの模様をお届けします。


山本瑠香、10-FEET・TAKUMAさん



◆自分の進路はどうやって見つける?

ーー今回の「オトナ大作戦」には、「就職活動」に関するメッセージも多数寄せられました。

<リスナーからの相談>
学校、制作、サークル活動、アルバイト、就職活動などをこなせば、気を休められる日がなかなかありません。そんな今も楽しいけれど、さまざまな環境に身を置いて追われる日々は、とても大変です。なので、早く社会人になって1つのお仕事に集中して時間を使えるようになりたいです。

でも、「こんな自分にできる仕事があるのか」「仕事をこなせるのかが不安……」と思うと、就職活動がに手にがつきません。「どんな場所で働きたいか」「どんなふうに働いているのか」といったビジョンがまったく見えないのです。

大人のみなさんは、どうやって自分の進路を決めましたか? 夢を追うことや生計を立てること、どんなことを重んじて道を選択してきたのか教えてください。



TAKUMA:わかるなあ。大変やもんなあ。

山本:学生って、やることがたくさんあって大変ですもんね。ちなみに、TAKUMAさんがミュージシャンになろうと決意したのはいつ頃だったのでしょうか?

TAKUMA:どうやろうなあ。うちの親父がもともとミュージシャンを目指していたみたいなんですけど、昔になればなるほど厳しい世界だったと思うんです。それで、親父は結局デビューを選ばずに就職をして、僕らを育ててくれたんですね。だから、よく「バンドはやらさへん!」って言っていたんですよ。

山本:そうなんですね。

TAKUMA:自分がロックバンドとかをやっていたから、余計に知っていて、ハマることも知っているから。そんなこんなで、僕が大学生ぐらいになると親の目も離れるし、大阪の学校の寮に入って、まんまとバンドをやり始めるわけなんですけど(笑)。そりゃあもう、どっぷりバンドをやっていました。

山本:バンドは大学生から始められたんですか?

TAKUMA:そうです。高校ぐらいから、ちょこちょこ歌ったり、ギターを触ったりしていたんですけど、部活が忙しかったんです。大学2年生ぐらいのときに、部活から遠のいていた時期があったので、そのときにバンドを始めました。

でも、好きなだけバンドをできるようになったけれど、「厳しい世界」だと言っていた親父の言葉が忘れられなかったんです。うちの親父ってギターも歌もめちゃくちゃうまかったんですよ。悔しいことに。それを見ていたから、余計に「親父でも無理なんやったら、俺なんか食っていけるわけないな」と本能的に感じていたんです。だから、ミュージシャンになれるとは思っていなかったんですよ。(バンドが)“大好き”やから続けていたんです。

山本:趣味の1つのような感じだったんですね。

TAKUMA:夢中になって、どこまでいけるか試して就職しよう、って始めたのが10-FEETだったので、(ミュージシャンになる決意をしたのは)やっていくうちにですかね。「ひょっとしたら……」って思うようになり、決心していった感じです。

山本:最初からプロのバンドになりたいと思っていたわけではなく、やっていくうちに少しずつ決断していったんですね。

TAKUMA:そうですね。だけど、(親父は)大好きなバンドとすごく向き合って、それでもプロにはなれへんとわかっていたから、「120%でやっても無理なんやから、500%でやらな!」ぐらいの勢いでやっていたと思うんです。どうせミュージシャンになられへんし、どっかで就職せなあかんから、気が済むまでやろうっていう、そういう“捨て身のバンド活動”が良かったのかもしれないですね(笑)。結局、僕の場合も大好きやったからこそ、そんなエナジーが出たわけで。好きじゃなかったら500%も出てこないんですよ。

山本:そうですよね。

TAKUMA:だからやっぱり、(大切なのは)「好きなものを見つけること」。好きなものっていうのは制作、サークル、アルバイトといろんなところで見つけられると思います。見つかるまで、あるいはビビッと来るまで活動すると、この先の自分の人生の選ぶ道も見つかるんじゃないかと思うので、僕はいいと思いますね。

番組では他にも、コメントゲストにGLIM SPANKYとPEDRO(アユニ・D)が登場。新成人に向けたスペシャルコメントを紹介しました。

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1月8日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年1月16日(火) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:マクセル meets カレッジナレッジ~成人の日 ミライナレッジ~
放送局:FM大阪、TOKYO FM
放送日時:2024年1月8日(月・祝)14:00~15:51(FM大阪)、16:00~16:50(TOKYO FMは50分版)
パーソナリティ:山本瑠香、TAKUMA(10-FEET)
マクセル meets カレッジナレッジ
放送局:FM大阪
放送日時:2024年1月8日 月曜日 16時00分~16時50分

※該当回の聴取期間は終了しました。

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「凌風丸」4代目に! 日本の海洋気象観測を担う

「報道部畑中デスクの独り言」(第369回)

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、4代目となった気象庁の新たな海洋気象観測船「凌風丸」について—

4代目凌風丸

気象庁の気象観測船「凌風丸」が4代目となり、内部が報道陣に公開されました。

4代目凌風丸(右) 左は啓風丸

4月24日、東京・台場の海岸に凌風丸はもう一隻の観測船「啓風丸」とともに停泊していました。新調されたばかりということもあり、白い壁面は鮮やか、内部のフローリング調の廊下は“新築マンション”のようなにおいがしました。

甲板から見たレーダーマスト

甲板に出ると、そのシンボルともいえるレーダーマストが見えます。レーダーが設置されたマスト……白い金属パイプの構造物ですが、その頂上部の端に直径約20cmの円盤が2枚設置されていました。これ、GNSSアンテナと呼ばれるものです。

マスト上端にある2枚のGNSSアンテナ

GNSSアンテナは本来、カーナビなどの測位システムに使われます。GPSなどの測位衛星から送信される電波を受信しますが、その電波は大気中の水蒸気によって遅れる性質を持っています(時差にして1億分の1の単位)。その差を利用し、大気中の水蒸気量を観測しようというものです。

昨今、出水期に顕在化することが多い線状降水帯、この予測に必要なのが、海上から流入する水蒸気量の把握です。このアンテナが線状降水帯の予測に大きく寄与するというわけです。

「これからの出水期、6月から10月は啓風丸と協力し、主に九州西方において、線状降水帯の発生に目を光らせる。線状降水帯の正確な予測につながり、わが国の大雨災害の減少、その下支えの仕事につながればと思う」(気象庁大気海洋部・矢野俊彦主任技術専門官)

女性区画に設けられた専用の浴室

凌風丸には時代に即した設計もいくつかみられます。今回、船内には女性専用の区画も設けられました。トイレ、浴室、洗濯機、そして、女性観測員室2部屋……この区画は「男子禁制」です。

女性の船員が増え、いまは6人乗船することもあるそうです。これまでトイレと風呂が小さいものが1つずつだったところ、今回複数できたことで、快適度がぐっと上がりました。

「非常に快適で楽。いろいろ考えなくていいので。風呂の時間がバッティングすることもない。洗濯もいつでもできる」

航海士の女性職員、長谷川紬さんはこのように話します。

ランドリーも女性専用スペースができた

実は7年前にもう一隻の観測船「啓風丸」に体験乗船する機会があり、小欄でも詳しく取り上げました。7年前の小欄を引用すると……観測船の女性参加が始まったのはごく最近で2016年のことです。かつて男性だけだったころは、入浴後、船員がタオル1枚で廊下を歩いていたこともあったとか。一方で女性船員は男性の個室前の廊下を何も考えず通り過ぎていたそうで、そんな“配慮”からも解放されそうです。いろいろ考えなくていいので……まさに実感だと思います。

「女性もたくさん乗ってもらっていろんな観測ができたらと思う」(長谷川さん)

操舵室

操舵室は当然、最新の機器が採用されていますが、ひときわ目を引いたのは海図です。これまでの紙海図から電子海図になりました。タッチパネルディスプレイで拡大や地図のスクロールも自由自在。運航業務の効率化や安全性の向上が期待されます。

操舵室には電子海図が導入された

紙は更新の際は赤を入れるなど煩雑な作業が必要で、書いたら書いた分汚れます。また、何といってもかさばります。電子海図は海上保安庁からの情報をインストールすれば更新されます。また、2地点の距離と時間の関係も、2点をプロットすれば自動的にわかります。一方、「使いきれていないところもあり、慣れていない」と話す担当者。電子化については慣れが必要であることはどんな仕事も同じのようです。

CTDの採水部 説明する矢野敏彦主任技術専門官

水質分析のために海水をくみ上げるCTD(Conductivity Temperature Depth Profiler=電気伝導度水温水深計)も公開されました。7年前の体験乗船のことを思い出しました。この装置の操作にはまさに職人芸が求められます。観測範囲は最大水深6000m、海水の流れを見ながらクレーンとワイヤーを使って装置を海中に沈めていきますが、この採水作業だけで約6時間かかるそうです。海底にこすって壊れたら一巻の終わり。採水後、分析用の瓶に海水を移し替える作業は極寒の環境で行うこともありますが、手袋をはめるとすべりやすいため素手で行います。肌が荒れても、ハンドクリームはご法度。分析の際にクリームの成分を混入させないためだということです。

水質を分析する観測エリア 理科の実験室の雰囲気

四代目となった凌風丸は報道公開から2日後の4月26日、すでに東京を出港し、本州の南方海域に向かいました。日本で観測船による海上気象観測が始まったのは1921年(大正10年)のこと、100年以上の歴史を持ち、今後も啓風丸とともにその重責を担うことになります。
(了)

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