遠藤周作生誕100年特集~イタズラが大好き!思わず笑う、遠藤周作ユーモア小説2連発!

遠藤周作が3月27日に生誕100年を迎えることを記念し、ラジオ日本の朗読番組『わたしの図書室』では3月9日から4週にわたり、遠藤周作の短篇小説2作品を紹介する。朗読は声優界の重鎮・羽佐間道夫と日本テレビアナウンサー・井田由美。

遠藤周作は1923年(大正12年)東京生まれ。幼年期を旧満州で過ごし、離婚した母に連れられて帰国。その母の影響で12歳の時、カトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科を卒業後、フランスに留学。帰国後に作家活動を始め、1955年に「白い人」で芥川賞を受賞。その後「海と毒薬」、「沈黙」、「死海のほとり」などの代表作で数々の賞を受賞している。戦後登場した日本文学の新世代として、安岡章太郎、阿川弘之、吉行淳之介らと「第三の新人」と呼ばれた。日本の精神風土とキリスト教を追求するシリアスで重厚な秀作が多い一方、イタズラ好きでも知られ、「狐狸庵」と称して軽快でユーモラスなエッセイも多数残している。1996年に肺炎からくる呼吸不全で都内の病院で死去。享年73歳だった。

第1弾「俺とソックリの男が…」

3月9日と16日の2週にわたって紹介する第1弾は「俺とソックリな男が……」。1973年に発表された「ユーモア小説集」の中の1作。税務署員の「俺」は、妻に隠れての浮気の後、雨の街で自分と瓜二つの男に出会う。なにからなにまで俺とそっくりな男。ある日、その男が自分の名を語って悪さをしていることが判明。
「とっつかまえてチョキンチョキンにしてやる!」
俺は男が住むという街に乗り込んでいくのだが・・・。
抱腹絶倒の物語を、こちらもかなりイタズラ好きの羽佐間道夫が朗読する。

第2弾「生きていたコリンヌ」

3月23日と30日の第2弾は「生きていたコリンヌ」。単行本未収録の貴重な作品を集めた「秋のカテドラル」の中の1作。意表を突く結末まで、井田由美が淡々と朗読。

パリに留学中の「私」が夏休みに出会った北欧からの留学生。彼に誘われていかがわしい霊媒師を訪ねた私は、とんでもない事実を告げられる。10年前、日本の青年たちの心を熱く捉えながら非業の死を遂げた、女優コリンヌ・リュシェールが実は今もパリの片隅で生きているというのだ!!そんなわけはないだろう!でも、もしかしたら……。ちなみに、1938年にフランスで公開された映画「格子なき牢獄」で一世を風靡した女優、コリンヌ・リュシェールを、遠藤周作は「われわれの青春時代の象徴」と呼んで愛した。遠藤の死後、若き日にペンネームで書いた短編小説「アフリカの体臭―魔窟にいたコリンヌ・リュシェール」が発見され話題を呼んだ。

わたしの図書室
放送局:ラジオ日本 他2局ネット
放送日時:毎週木曜 23時30分~24時00分
※放送局によって日時が異なる場合があります。
出演者:羽佐間道夫(声優)、井田由美(日本テレビアナウンサー)
番組ホームページ

※該当回の聴取期間は終了しました。

鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



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4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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