松尾潔「私はタレントを守りたい」ジャニーズ社長に記者会見求める

音楽プロデューサー・松尾潔氏

ジャニーズ事務所の元所属タレントが、創業者のジャニー喜多川氏からの性被害を訴えている問題で、同事務所の藤島ジュリー景子社長が5月14日、自身の見解を動画と文書で発表した。この対応について、所属タレントの共演も多い音楽プロデューサーの松尾潔さんは、翌15日に出演したRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』でコメントし、記者会見の開催を求めた。

ジャニーズ事務所社長が公式見解

昨夜(14日)9時に、ジャニーズ事務所が性被害の度重なる告発に対して、藤島ジュリー景子社長が動画と文書で公式見解を発表しました。

まず評価すべき点は、ジュリー社長が顔を出したということです。歴代の事務所トップだった母親のメリーさん、そして叔父にあたるジャニーさんは、表に顔を出さないという姿勢を貫いていました。

ジュリー社長はドラマ『3年B組金八先生』などに出演していた女優でした。20年ぐらい前になりますが、NEWSというグループがデビューするとき、私は打ち合わせに出たり、その後、曲を提供したりしているので、ジュリー社長とは面識がありましたが、今回久しぶりにお顔を見ました。

話を戻しますが、ジュリー社長が、自分の言葉で語ったことは、これまでのジャニーズ事務所の対応からすれば、ずいぶんと大きな一歩だと思います。また「大きな落ち度があった」「問題がなかったとは思っていない」といった発言がありましたが、そこも今までの事務所の姿勢とは全くベクトルが違うところに来ていると感じました。

ただ、そういった発言が、このタイミングになったということに関しては、もやっとした気持ちはあります。

BBCの報道で動き出した

これまでの経緯を振り返ります。今年3月にイギリス・BBCで、ジャニーさんの性加害問題を告発する番組が放送されました。それを受ける形で4月に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが記者会見を開き、「週刊文春」の紙上でも元所属タレントたちが発言しています。

今月に入ると、ジャニーズファンの有志が、性加害の検証を求める1万6000筆の署名を事務所に提出しました。表現としてふさわしいかどうかわかりませんが、こういったことに少しずつ背中を押される形で、ジュリー社長は引っ張り出された、という感じですね。

自社サイトで動画・文書を発表するのではなく記者会見を

昨夜の公式見解発表直後に、私が投稿したツイートには、今朝までに「いいね」が約3,000件ついていました(午後3時の時点でインプレッション45万件以上)。その投稿内容を改めてお伝えします。

5月14日のTwitter投稿

まずは記者会見を。企業の不祥事は数あれど、文書と自社動画だけで謝罪を済ませた例はどれくらいあるのか。「エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て」る覚悟がおありなら、ジュリーさん、これを機に膿を出しきりませんか。才能ある所属タレントの未来を守るためにも。

ここは記者会見を開くべきでしょう。不祥事を起こした企業が、文書と自社サイト内の動画だけで謝罪を済ませた例は、私が知る限りほとんどありません。有名企業であればなおさらです。

ジュリー社長の見解には「エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て」というフレーズがありましたが、動画と文書による発表では、観測気球を上げただけではないか、という印象が私にはありますね。

一般企業であればとっくに詰んでいる

ファンの思い、そして所属タレントの未来を守るために今、するべきは、膿を出し切ることでしょう。その先に、会社が解散になるというシナリオがあったとしても、またやり直せばいいじゃないですか。才能のある人は移籍してもいいし、(経営陣は)改心して再組織化してもいい。

いまコメントしていることは「疑わしきは罰せず」という事実認定の考え方から踏み込み過ぎているかもしれません。ただ、今回の疑惑について芸能界以外の一般企業の論理で言えば、もうとっくに「詰んでいる話」です。

“被疑者死亡”というところで逃げ切るのも無理があるし、何よりも公式見解の文書を読んで感じたことは、ジャニーズ事務所に社会的責任が欠けている、ということです。ここが欠けているから、全て空疎に思えてしまうのです。

公式見解の要点は「4つのNO」

事務所が発表した文書を、私は何度も読み直しました。その要点は4つあると思います。①記者会見はしない、②事実認定をしていない、つまり性加害をきっちりとは認知していない、③第三者委員会の設置を否定している。その理由は、現および元所属タレントを守るためだというふうに言っていますが、私から見れば事務所の保身ではないかという疑いを捨てきれません。④経営陣の引責辞任に関しても否定。

つまり「4つのNO」ですね。記者会見はしない、事実認定をしない、第三者委員会は設置しない、引責辞任もしない、と。これで納得する人がいるでしょうか?

これは日本社会全体が抱える膿

私は、今回の疑惑を放置することは、ジャニーズ事務所だけの問題じゃないと思っています。一番の弊害は、今回の報道やマスコミの有り様を見た子供たちが、もし性犯罪・性暴力の被害者になったとき、「声を上げても無駄だ」という諦めの気持ちになるかもしれないことです。疑惑を放置することで、社会全体が諦めの気持ちを子供たちに植え付けかねないのではと怖れを感じています。

メディア、広告業界、芸能界だけでなく、みんながこの問題を直視しない限り、性加害や性暴力は、この先もなくならないでしょう。音楽業界に身を置く私も正直つらいです。ましてや、こういう世界に憧れたことがある、あるいは憧れている家族がいる、といった人たちも胸を痛めているはずです。

私たち一人一人が、この国が抱える問題として当事者意識を持ち、みんなで膿を出すというところに、舵を切るべきじゃないでしょうか。

音楽業界、芸能界で仕事をしている私が今、ここでこういう発言をしていることの意味について、察していただければと思います。ジャニーズ事務所のタレントと直接連絡を取ることもある立場にいます。彼らと番組で共演する機会も多いことをご存知の方もいるでしょう。私はタレントを守りたい。その立場でお話しさせていただきました。

田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田畑竜介、武田伊央、松尾潔
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※放送情報は変更となる場合があります。

アルピー平子、ネオ民謡シンガー・久嶋美さちから民謡の魅力を学ぶ

5月15日の「おとなりさん」(文化放送)は、ネオ民謡シンガーの久嶋美さちさんが出演し、活動内容や民謡の魅力について語っていただいた。

久嶋美さち「民謡ってどのくらい曲数あると思いますか?」

平子祐希「メジャーな民謡もあるし、メジャーデビューできてない曲もありますからね(笑)」

久嶋「口伝えで伝承されている民謡から、なくなっていった民謡もあるので、一説によると5万8千曲あるんですよ。例えば、阿波踊りは四国地方の徳島県のイメージがありますよね。でも、本当の発祥は熊本県なんです」

平子「へ~」

久嶋「熊本県の牛深ハイヤ節っていう、港に奥さんや娘たちが迎える時に歌われた民謡なんですが、その民謡を漁師が持って日本海に行くんです。日本海に行って、回りに回って変化して阿波踊りになるという」

平子「あと、民謡というと、南側だとアップテンポなイメージがあるんですけど」

久嶋「実は、逆なんです」

平子「逆なんだ!」

久嶋「沖縄をイメージしていただけると、海、波というところでいったら、ゆったりとしたイメージがあるじゃないですか。東北は寒いから、早く終わらせたいというのがあるんですよ」

平子「寒いから早く終わらせたいんだ(笑)」

久嶋「東北の津軽じょんがら節とか、演奏者が5度体温が上がるくらい、熱量を上げていく」

平子「体温上げて、テンション上げて歌わなしゃーない、みたいなね」

久嶋「そんな感じですね」

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