「ジャニーズ性加害は人権問題」松尾潔が法整備の必要性を訴える

音楽プロデューサー・松尾潔氏

ジャニーズ性加害問題をめぐり、国連人権理事会の専門家が8月4日記者会見し「数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという深く憂慮すべき疑惑」と説明した。この問題についてRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』でたびたびコメントしている音楽プロデューサー・松尾潔さんは、同月7日の放送で「ジャニーズ性加害は人権問題」とし、法整備の必要性を訴えた。

ジャニーズ事務所だけの問題ではなくなった

国連人権理事会の「ビジネスと人権」ワーキンググループが8月4日、日本記者クラブで会見を開きました。とりわけ注目を集めたのが、ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏による性加害問題についてです。いくつか重要な指摘がありました。

また、それを受けて同じ会場で、ジャニーズ性加害問題当事者の会も会見しました。ジャニーズ事務所も声明を出しています。これまでも、音楽プロデューサーという立場でこの番組でも断続的にこの問題を取り上げてきましたが、こうした動きを受けて、改めて私の意見をお伝えします。

まず、今回の問題はジャニーズ事務所に限ったことではないと前置きをしておきますね。やはりジャニーズ事務所は、日本のエンターテインメント業界の筆頭企業の一つ、リーディングカンパニーです。この会社の体質が、この国のエンターテインメント業界全体に及ぼした影響は非常に大きく、ゆえにこれほどまでに社会問題化しているのです。

提言は『24時間テレビ』が終わったタイミング?

国連人権理事会の記者会見で触れられたジャニーズ性加害問題の要点は、以下のとおりです。ほぼ2週間にかけて行われた被害者との面談などを通しての報告でした。

・数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれているという深く憂慮すべき疑惑が明らかになった

・日本のメディアが、数十年にわたってこの不祥事と呼べるできごとのもみ消しに加担してきた

・ジャニーズ事務所の特別チームの調査については、透明性と正当性に疑念が残っている

これを受けてジャニーズ事務所は声明で「今月末ごろには特別チームが再発防止の提言を行う見込み」と言っています。この今月末というタイミングに関しては、日本テレビの『24時間テレビ』でジャニーズ所属タレントのキャスティングが予定されているため、その放映(8月26、27日)を終えてからを意味するのではという指摘があります。

確かに、いささか遅めのこのタイミングにはそうした疑念を抱かざるを得ません。スピーディーな対応も、被害者に対する誠意のひとつだと僕は思います。

それはともかくとして、ジャニーズ事務所は「作業部会の見解を厳粛に受け止め、被害を申告されている方々と真摯に向き合い、丁寧に対応を続けていきたい」と、以前にも聞いたことがあるような声明に終始しています。

一方、当事者の会の皆さんからは、もっと体温の伝わるようなコメントが出てきましたね。代表の平本淳也さんが、人権理事会の記者会見を別室で聞きながら、感極まって泣き崩れる姿を、テレビで見た方もいるでしょう。

メディアとエンタメ業界が性暴力を不問に

もうひとつ、人権理事会が指摘したとおり、これはジャニーズ事務所だけではなく、政府そしてメディアの責任である、つまりこの国全体の問題であるということです。

メディア、とりわけ民間放送は、スポンサーありきで動いたり、エンタメ業界と協働して、コンテンツを作ったりしています。結果的に、メディアとエンタメ業界が一緒になって「性暴力を不問にする」という文化を守ってきたのです。

60年間ずっと口に出せなかった

8月5日、TBSテレビ『報道特集』で、元コンサルタントの松崎基泰さん(79歳)がジャニー喜多川氏に性被害を受けたと告白していました。当時小学生、つまり60年前のことをずっと口に出せなかったと。

1950年代の日本には「男の子はそういうことを口にするものではない」という雰囲気がありました。(松崎さんが性被害を60年間告白できなかったことは)そこから透けて見える「男はこうあるべし」とか、もっと言えば家父長制などが当時の背景としてあったのです。

被害者たちが口をつぐんできたのは、その当時の空気があったことが理由のひとつでしょう。日本が抱えてきた宿痾、あるいは膿だと思います。このタイミングでそれを出し切るきっかけにできたらと思います。

人権の問題、法整備を

今回のジャニーズ性加害問題は(英BBCの番組や国連人権理事会という)「外圧頼み」ということになっていますが、そうでもしなければ動かなかったということを、私たちは強く自覚すべきだと思います。子供の性被害に対して、これまであまりに目配りが足りなかったのではないでしょうか。

性被害は人権問題です。人権の問題である以上は、やはり法律の整備がないと、抜本的には変わっていかないと思います。いま、児童虐待防止法が時代にフィットしているのかどうか、論議を呼んでいます。なぜならこの法律が、(現行法では虐待を保護者からの行為と規定しており)そもそも「第三者による加害」を考慮していないからです。

性被害は人間の心に関わります。ゆえに「それは人によって考え方が違う」みたいにもなりかねません。だからこそ、共通の指針として実効性のある法律の整備が求められます。

メディアと法律、この2つの側面から、解決に向かう歩みを止めないことです。

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田畑竜介 Grooooow Up
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:田畑竜介、武田伊央、松尾潔
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※放送情報は変更となる場合があります。

DISH//橘柊生「2人でああでもないこうでもないと言いながら…」泉大智と作曲を担当した新曲「朝、月面も笑っている」制作裏話を語る

山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。4月30日(火)の放送では、4人組ロックバンド・DISH//(ディッシュ)の橘柊生(たちばな・とうい・DJ/Key.)さん、泉大智(いずみ・だいち・Dr.)さんが登場。新曲の話や個人の活動について話しました。


(左から)橘柊生さん、パーソナリティの山崎怜奈、泉大智さん


◆“曲を育てていく”全国ツアー

全国ツアー「DISH// HALL TOUR 2024『GARDEN』」を開催中のDISH//。今回のライブでは、これまで作ってきた楽曲のなかから“育てていきたい曲”を中心にセットリストを組んでいるそうで、橘さんは「これまで150曲ぐらい作ってきたんですけど、ライブで1,2回しかやってこなかった楽曲もあるので、そういった曲たちを(今回のセトリに)入れて“水やりをして花を咲かせよう”というツアーですね」と説明します。

また、2人は個人としても活動しており、泉さんは3月29日(金)にファーストEP『INQUIRING MIND』を配信リリース。ソロプロジェクトではギター・ボーカルとして活動していますが、「ギターは19歳の頃に人前で弾く機会があって、それからずっと続けています」と話します。また、制作中にインドに行ったときにカルチャーショックを受けた気持ちも曲に反映されているそうです。

一方、橘さんはDJイベントに出演したり、“ゲーム好き”が高じて、不定期ながら自身のYouTubeチャンネルでゲーム実況などもおこなっており、「最近は、観てくれている方と会話をしながら生配信していることが、僕のなかでの“癒やしの時間”ですね」とコメントします。

◆新曲は「めざましテレビ」新テーマソング

DISH//の新曲「朝、月面も笑っている」が4月26日(金)に配信リリースしました。同曲は、朝の情報番組「めざましテレビ」(フジテレビ系)の新テーマソングになっています。

DISH//は、メンバー全員が作詞・作曲できるのも魅力の1つですが、同曲では北村匠海(きたむら・たくみ・Vo./Gt.)さんが作詞、泉さんと橘さんが作曲を担当。橘さんは「もともと大智が作ったデモ曲があり、『これ、ちょっとテンポとかコード進行を変えたら、めちゃくちゃ良い曲になるんじゃない?』っていう話になって、そこから2人でああでもないこうでもないと言いながら作っていきました」と語ります。

また曲づくりは、「好きな曲・作りたい曲の方向性が、基本的にメンバー全員同じなので、僕らが話し合ったことを他のメンバーに投げかけたら“それ良いね”って(スムーズに進む)」と橘さん。このエピソードに、れなちは「(お互いに)信頼しているというか。そこの違和感が全然ないのが、(バンドが)長続きする理由なんだろうなと感じました」と納得していました。

<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/darehana/

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