【ラジオな人】祝50周年!オールナイトニッポン 三代目JSB山下健二郎さんが語る3年前と今の変化、パーソナリティとしての目標【後編】

2017年の10月で50周年を迎えた『オールナイトニッポン』(月~土曜、25時~27時、ニッポン放送他)。前編では、山下さんがMCを務めた「ALL LIVE NIPPON Vol.6 」の感想や3回MCを務めたからこそ感じた成長についてお話していただきました。後編では、山下さんが担当する番組の盛り上げ方や目標とするパーソナリティ像をお伺いしてきました。

――前編はこちら

リスナーを育てるのも使命!?

――2時間の生放送を1人でするために、ネタを探すことはありますか?

僕自身アクティブに動いているので、何かしらネタはありますね。ネタを作るために出かけるとかはあまりしないんですよ。楽しかったことをそのまま話す方が、自然な感じがするんですよね。わざわざネタを作るために、目的の場所へ行って話しちゃうと、ぎこちなくなりそうな気がして。

――お忙しい中、大変ではありませんか?

むしろ金曜日の25時~27時を楽しみにしています。「話したいな」とか、「もっと伝えたいな」という気持ちが大きいから、あまり忙しくてしんどいと思ったことはないですね。ただ、ドラマや映画の撮影が入ってくると、ドラマ撮影してからラジオ生放送。ANNが終わるのが夜中3時で、翌朝またドラマ撮影で仕事に向うときは、「ヤバイな」って思いますけど(笑)。

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――話すときに、どう話すと面白くなるかとかは事前に考えていますか?

考えて紙に書くと、あんまり面白くなくなっちゃうんですよ。オチまで持っていかなければならないプレッシャーを感じて、どんどん空回りしちゃって。だから、できるだけ何も考えずに、いろんな人の話を聴いて、話し方を学んでいます。僕、出身が関西で、お笑いやバラエティをよく観て育ったんですよね。話し方やテンションの持ち上げ方が体に染みついているので、話の内容を組み立てずにフリーで話している感じです。

――だから、メールへのリアクションもできるわけですね。「エビフライの尻尾は食べますか?」というリスナーからの質問(1月26日)に真剣なトーンで答えて、最後までツッコまないのが個人的にツボでした(笑)。

リスナーを育てるという使命があるのかなっていうのがあります。僕のラジオを聴くのは10~20代の女性ファンが多いと思うんです。お笑いのセンスを一緒に磨いていってほしいなって思ってたりします(笑)。

――山下さんのヘビーリスナーを山下さんの番組だけじゃなく、ラジオ全体のファンにしようという考えはあるのですか?

あります。ラジオって1週間あってパーソナリティが曜日ごとで替わることで、色が変わってきます。ANNには面白いコーナーがいっぱいあるから、ぜひ聴いてほしいですね。僕もラジオ聴けるときは聴いていますよ。

2回目は「行きたくない」と思った

――先ほど「金曜の25時~27時が楽しみ」とおっしゃっていましたが、最初からそうでしたか?

いや、全くそんなことはなくて。最初はひどかったですね。初回なんか緊張しすぎて、オープニングのフリートークが1分以内に終わっちゃって。原稿は飛ばしちゃうし、どこ読んでいいか分からなくなって。思い返したくないですね(笑)。

――実は初回を聴いていました(笑)。ものすごく緊張されていましたよね。

いやー、緊張しましたよ。だから、2回目は本当に行きたくなかったです。緊張でご飯を食べられなかったほどですから。1人でしゃべって何も返ってこないのが、当時は不思議な感覚で。面白いことを言うと、誰かがツッコんでくれるのが普通だと思っていたんです。最初はゲストがいないと本当に怖かったですね。

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――1人でやれると思ったきっかけは?

生放送でも、「○時〇分頃にCM」とか「×時×分頃からこのコーナー」って、時間の目安があるんです。慣れてくると話したいことが膨らんで、進行を無視して話し続けたことがあったんです。そのときは、スタッフさんが予定を変更して時間調整をしてくださって。「時間に関してはある程度スタッフさんに任せて、こっちは好きにしゃべろう」と思えたときに、「できるかな」と感じました。

――いわゆる「キューシート(進行表)」にとらわれていた、と。

最初は「時間通りに進めないと」という感覚があったんですが、最近では時間で区切ることはしないようにと心がけています。気にしすぎて自分自身が萎縮しちゃって、話がつまらなくなったら良くないので、進行だけを意識しすぎないようにはしています。

自分の好きなものを前面に出していきたい

――山下さんがしゃべり手として目標としている人は?

僕、所ジョージさんがすごく好きで、所さんのような素敵な大人になりたいという大きな目標がありますね。パーソナリティとしては、「目標とされる側になりたい」というのが目標です。今は手探りの段階なんですが、僕にしかできないラジオは絶対あると思っています。

それと、尊敬するラジオパーソナリティでいうと、岡村(隆史)さんですね。1994年から始まった番組が今でも続いていて、昔と変わらず面白いです。岡村さんの番組を目指して、続けられるのであればできる限りANNは続けたいですね。

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――ちなみに所ジョージさんのANNは聴いたことがありますか?

あります。所さんのカラーが常に出ている番組だなと思いました。所さんって、日常生活を切り取った話を、喋り続けていて。

たくさん番組がある中で、僕は『所さんの世田谷ベース』(BSフジ)とANNがすごく好きで。自分のカラーを思う存分出していいことを分かっているような気がするんです。『世田谷ベース』は、「ついて来たいヤツだけついて来い」みたいなスタイルなんですよ。「自分が好きなことをするから、共感できるやつは観てみなよ!」という感じが伝わってくるんです。

番組ではマニアックなお話もしていて。マニアックだけど、あれ?意外とみんな体験したことあるんだなぁ、と感じるんです。

僕も釣りやスニーカーなどマニアックな話をラジオで伝えていきたいと考えています。今、僕のラジオを聴いている方は、三代目 J Soul Brothersのファンが多いかもしれないですけど、僕の目標としては、釣りが好きな人、スニーカーが好きな人、ファッションが好きな人、音楽が好きな人が、僕の放送を聴いて面白いと思ってもらうことですね。

『オールナイトニッポン』はビギナーでも楽しめる

――最後に、ラジオを聴きたいんだけど、どこから手を出せばいいか分からない人たちにメッセージを頂けますか?

パーソナリティを約3年務めて、ラジオでしか楽しめないことってたくさんあるんだなと改めて発見することがあります。特にANNは生放送で、リスナーの耳に直接語りかけるような2時間になっている。これはANNの1つの魅力です。

ラジオを聴くきっかけなんて、例えば気分が上がらないとき、ちょっと音楽を聴きたいなと思うとき、寂しいとき、ドライブのとき、などなんでもいいと思います。

ANNにはラジオの魅力がすべて詰まっていますので、まずは聴いてみてほしいですね。いろんな番組を聴いていくうちに、新しいラジオに触れて、世界が広がっていくのかなと思います

学生だったころ僕はANNを聴きながら勉強していて、1人の大人として、男として、育ててもらった印象があるんです。下ネタも含め(笑)。

金曜25時から放送している僕の番組は、男女問わず楽しめる内容になっていますので、ぜひ聴いていただけると嬉しいです。

番組概要

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放送局:ニッポン放送他(全36局)
番組名:『三代目J Soul Brothers 山下健二郎のオールナイトニッポン』
放送日時:毎週金曜日 25時~27時(『オールナイトニッポン』は月~土曜25時~27時)

出演者プロフィール

山下健二郎

京都府出身。2010年に劇団EXILEに加入。同年9月、三代目 J Soul Brothersのメンバーに加入し、パフォーマーとして活動。現在は役者、イベントMCとしても活躍している。2015年4月から『オールナイトニッポン』金曜を担当。

インタビュー・写真

jigazo

豊田拓臣
1979年、埼玉県生まれ。
中学生からラジオを聴き始め、ずっと聴き続けていたら、ラジオ番組の紹介記事やしゃべり手のインタビューをして原稿を書くことが仕事になったフリー編集者/ライター。

自称・ラジオ解説者。
著書に『ラジオのすごい人たち~今こそ聴きたい34人のパーソナリティ』(2012年、アスペクト)がある。
一般社団法人日本放送作家協会会員。
特定非営利活動法人放送批評懇談会正会員。

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【ラジオな人】祝50周年!オールナイトニッポン 三代目JSB山下健二郎さんに聞いた「ALL LIVE NIPPON」の裏側【前編】

2017年の10月で50周年を迎えた『オールナイトニッポン』(月~土曜、25時~27時、ニッポン放送他)。その金曜日を担当しているのが、三代目 J Soul Brothersのパフォーマーであり、個人としても活躍している山下健二郎さんです。オールナイトニッポン50周年記念イベント「ALL LIVE NIPPON Vol.6」1日目のMCを務めた山下さんに、イベントの裏話と、番組に対する思いを伺いました。

――『ALL LIVE NIPPON(以下、ALN)』MC、お疲れ様でした。1月26日の番組でもおっしゃっていましたが、大変でしたか?

大変でした。ALNは3年連続でMCを務めさせて頂いたんですけど、1年目、2年目に比べると、僕が踊ったり、コラボだったりっていう企画が多かったんで、「これはやばいな」と。ただ、今回は新内(眞衣)さんが一緒にMCをしてくれたんで、非常に助かりましたし、毎回いてくれたらいいなと思いましたね(笑)。

――ラジオで2時間生放送をするのと、イベントのMCは違いますか?

全然違いますね。アーティストのライブを観て、その後に感想を聞いたりしますし、質問の内容も相手によって変えたりしています。今回はソロアーティストもバンドの方がいらしていて、準備時間は長かったです。当日は、「その間をつないでください」みたいな指示が多くて(笑)。つなぎの話をいろいろ考えたりしながら動いていたので、難しいところはありましたね。

――事前に話の内容も考えていたんですか?

そうですね。本番でいきなり台本をポンと渡されるのはさすがに厳しいので、事前に「ザックリとした台本は早めに頂きたいです」とはお願いしていました。

――今回のALNは『オールナイトニッポン(以下、ANN)』50周年を記念したイベントでもありました。過去2年と比べて、違うところはありましたか?

やっぱり歴史あるANNのパーソナリティをやらせてもらっているありがたみや責任感はありましたね。

番組に関しては、最初の1年目は右も左も分からないまま過ぎていったんですけど、2年目、3年目になると、客観的に自分の放送を聴き直して、気になったことはメモするようになり、意識が変わったかなと思います。

言葉で伝えることが大切

――三代目 J Soul Brothersの7人で活動しているときと、ANNで1人でしゃべっているときで、気持ちは変わりますか?

グループと個人は全く別です。グループとしてはリーダー2人がしっかりしているんで、安心感があるんですよ。
個人の仕事では不安になることもあります。1人で戦っていかなければいけないので、もっとしっかりしようという気持ちが芽生えますね。個人的に、1人で仕事をして売れたいっていう気持ちもあります。個人の活動も、三代目 J Soul Brothersとして返ってくるんで、グループを強くしたいって思いがあるから、みな個人で活動をしているんです。

――その個人活動の中で、山下さんにとってANNはどういう場ですか?

僕が1週間に1回2時間という短い時間で、唯一自分の言葉でリスナーに伝えることができる場所ですね。最近はSNSで情報を伝えるのが主になっていますけど、「今、僕はこういう思いですよ」とか、「三代目 J Soul Brothersはこういうグループとしてやっていきたいです」というのを、直接リスナーの方に伝えることができる場が僕はここしかないので、非常に大事にしています。

――やっぱりSNSが発達しても、ラジオで伝えるのとは違いますか?

全然違うと思っていて。文字で伝えるのもすごく大事なことなんですけど、話しているときのテンションや温度感で、伝わり方が違ってくると思っています

コーナー発の第2弾発売決定!

――『山下健二郎を作った50のこと。』Vol.②の発売決定、おめでとうございます。

ありがとうございます。シリーズ化できたのがうれしいですね。あれはただの書籍じゃなくて、ラジオで話した内容に沿って写真を撮ったりもします。Vol.①のときは、番組に「山下健二郎を作った50のこと。」ってコーナーが生まれて、「これが書籍化したらすごく面白いよね」と、番組2代目ディレクターの冨山さんがおっしゃってくださり、それが今では形になりました。願えば叶うんだと強く思いましたね。

Vol.①は、改めて撮り直したところもいっぱいあって、僕たちが活動している場をなるべく写真に収めて、形になったんです。Vol.②に関しては撮り下ろした写真が多いかもしれないです。ラジオで生まれたものなので、先に僕の言葉を表現して、言葉に沿うような形で写真を撮っています。

――コーナーで話す内容は、どれぐらいの時間をかけて考えているのですか?

僕のことを知ってくれている放送作家さんやディレクターさんと、放送前に打ち合わせしてテーマが決まるんですけど、「どうしてもこういう話をしたいな」とか、「最近思ったことを話したいので『50のこと。』に入れてください」と提案もしています。

後編へ続く。

番組概要

放送局:ニッポン放送他(全36局)
番組名:『三代目J Soul Brothers 山下健二郎のオールナイトニッポン』
放送日時:毎週金曜日 25時~27時(『オールナイトニッポン』は月~土曜25時~27時)

出演者プロフィール

山下健二郎

京都府出身。2010年に劇団EXILEに加入。同年9月、三代目 J Soul Brothersのメンバーに加入し、パフォーマーとして活動。現在は役者、イベントMCとしても活躍している。2015年4月から『オールナイトニッポン』金曜を担当。

インタビュー・写真

豊田拓臣
1979年、埼玉県生まれ。
中学生からラジオを聴き始め、ずっと聴き続けていたら、ラジオ番組の紹介記事やしゃべり手のインタビューをして原稿を書くことが仕事になったフリー編集者/ライター。

自称・ラジオ解説者。
著書に『ラジオのすごい人たち~今こそ聴きたい34人のパーソナリティ』(2012年、アスペクト)がある。
一般社団法人日本放送作家協会会員。
特定非営利活動法人放送批評懇談会正会員。

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