県内では受診できない化学物質過敏症 山梨県の対応に疑問

渡辺麻耶が木曜日のDJを担当するFM FUJIの番組『Bumpy』(毎週月曜~木曜、13:00~18:50)内のコーナー「CLOSE UP TODAY」(毎週木曜、17:35~)。11月9日のオンエアにフリージャーナリストの松田宗弘さんが出演し、化学物質過敏症に対する山梨県の対応について解説しました。

松田:先月に続き、今日もだれしもがある日突然なりうる「化学物質過敏症(CS)」の2回目です。前回は化学物質過敏症の「入門編」でした。今月、来月は「山梨編」のお話です。11月10日付の山梨新報1面トップで掲載する記事を今日は1日早くお届けします。

麻耶:前回のおさらいからですが、改めて、化学物質過敏症はどんな病気なのでしょうか。

松田:健常者の許容量の数万から数十万分の一の超極微量の化学物質に接しても、頭痛、めまい、咳、粘膜の炎症、関節・筋肉痛、疲労・倦怠感が常態化する「神経系の機能障害」で、突然発症。発症するかしないか、発症した時の症状は個人差が大きいのが特徴です。アレルギー疾患との合併や、呼吸困難、アナフィラキシーショックになることもあります。

原因物質は農薬や除草剤、接着剤、溶剤など多様な揮発性有機化合物(VOC)。新築・増改築の室内VOCで発症する「シックハウス症候群」は、CSとともに1990年代から顕在化し、どちらも保険適用されています。2010年代には、合成洗剤、柔軟剤、芳香剤・香水、除菌・消臭剤のVOCで健康被害を起こす「香害」が急増しています。シックハウスも香害もCSの「入口」で、より重度のCSに発展し得る関係です。また、CSとシックハウス症候群は「病気」ですが、香害はその手前の「健康被害」です。

CS疾患者は100万人を超えるとされますが、発症メカニズムの解明はまだ途上で、診断・治療ができる医療機関は全国でも少なく、県内にはありません。

麻耶:前回の放送で松田さんは、「保健所と病院に確認したら、過敏症の診断や治療ができる医療機関が山梨県にはないことが分かりました」と言われていました。それなのに、「県は県内医療機関の受診を促している」とも指摘されていました。この矛盾は多くのリスナーが気になっていると思うのですが、詳しく伺えますか。

松田:私が「過敏症の診断・治療ができる病院はどこにあるのか」を確認したのは、県内4つの全保健所と、山梨大学医学部附属病院と県立中央病院です。保健所は「分からない」、病院は「対応できません」という回答でした。それで複数の患者に聞くと「県内では対応できないので、東京などの専門医療機関に行くのが常識」ということでした。

麻耶:そうなると、「県が県内医療機関の受診を促す」という意味が分かりませんよね。どう理解したら良いのでしょうか。

松田:化学物質過敏症の担当は県の福祉保健部健康増進課で、ここの清水さんという課長に伺いました。県ホームページには、「化学物質過敏症と思われる症状でも、他の中毒やアレルギーなどの病気であることもあり得るので、最寄りの医療機関で内科、アレルギー科、皮膚科などの専門医にまずはご相談ください」と書いてあります。その下に、健康相談窓口として4つの保健所の電話番号が記載されています。

素直に読むと、「県内の医療機関で診断や治療をしてもらえそうだから、まず、保健所に問い合わせよう」となりそうですが、よく読むと、化学物質過敏症の診断や治療には一切触れていません。巧妙ですよね。だから、保健所に聞くと、「分からない」、「県内医療機関では対応できない」、「診断書を書ける病院はない」ということになります。

清水課長に重ねて聞くと、「対症療法として記載しています」という回答でした。つまり、頭痛・めまいなら内科・小児科、目がかゆいのなら眼科の受診を勧めているというのです。かゆいのなら、かゆみ止めをもらう、というような話で、化学物質過敏症の治療ではないのです。清水課長は「過敏症の診断も治療も県内ではできません」と認めました。

麻耶:だとすると、HPには誤解を生まないように「化学物質過敏症の診断や治療は山梨県内の医療機関では対応できませんが、症状を緩和する対症療法は、最寄りの医療機関にご相談ください」などと分かりやすく書いてほしいですよね。

松田:当然です。私は清水さんに、取材の中で訂正・修正を求めましたが、福祉保健部長と協議の上、後日、「HPの修正はしません」と回答してきました。このように誤った方向に導くことを「誤導(ごどう)」といい、この言葉を明日の記事の見出しで使っています。

さらに問題なのは、健康増進課は県の知事政策局にも同じ説明をしており、知事政策局は「県内の医療機関で化学物質過敏症に対応できる」と誤解をしていたことです。

もうひとつ。9月中旬、長崎知事に「化学物質過敏症や香害などの患者・健康被害者の実態調査」を求める要望をした、香害被害者・支援者による市民団体「カナリア・ネットワーク全国」の共同代表の深谷桂子さんという、県内在住の軽度の患者の方がいて、その回答にも同じことが書かれ、誤導されていたのです。

深谷さんは、私より香害や化学物質過敏症などにはるかに精通した方で、「患者の実態調査」については事実上の“ゼロ回答”だったので、清水課長に回答書の問題点を指摘、改善を求めましたが、応じる気配はまったくありません。

麻耶:誤った記載や説明が正されないとすると、松田さんは、どうすべきとお考えですか。

松田:県がHPの記載や知事政策局、深谷さんへの説明を訂正し、正確な情報を発信することは県の責任ですから、速やかに訂正してもらわなければいけません。このHPを見て、すがるような気持ちで保健所や病院に問い合わせても、問題の解決にはなりませんから。県は県内では対応できないと認めているのだから、診断・治療ができる県外の専門医療機関の一覧なども表示すべきです。

報道やジャーナリズムの役割は「権力の監視」で、われわれ報道機関は、県が間違っていると分かれば、裏付けを取って、是正へ向け論理的かつ建設的な批判をしなければいけない。今回はその典型例です。次回は、深谷さんが要望した患者の実態調査に県健康増進課が応じなかったこと、この調査の意義などについてお話しします。

Bumpy
放送局:FM FUJI
放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~18時50分
出演者:鈴木ダイ(月)、上野智子(火)、石井てる美(水)、渡辺麻耶(木)
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花がテーマのメッセージ紹介!阿佐ヶ谷妹「これならお姉さんにも咲かせられる」で口論にも花が咲く

4月29日の『大竹まことゴールデンラジオ』は祝日のため大竹まことがお休み。『ツツジ、ナデシコ、カーネーション お花の話』をテーマに皆さんから頂いたメッセージを、阿佐ヶ谷姉妹のおふたりと砂山圭大郎アナウンサーが紹介した。

――小学生の頃、祖母が切った庭のツツジを学校の教室に飾っていた、というメッセージ――

江里子「あらー素敵。おうちに立派な枝ぶりのものがないと、なかなかそうやってお裾分けでききないから、すごいわね」

美浦「そうそう、お花を学校に持ってきてくれる子いたもんね」

江里子「私はね、高校の時、お花の水を取り替える人だった。(笑)」

美浦「水を取り替える人だったの?お花係?」

江里子「別に係じゃないけど」

美浦「自主的に変えてたの?」

江里子「自主的にお花の水替える係してたの。1人だけ見てくれてる人がいてたの。江里子さんはいつでもお花の水替えてるわねって言ってくれて」

美穂「いいじゃない」

江里子「いいかな?(笑)」

――アマリリスはあまり水をあげなくても花が咲いたというメッセージ――

美穂「(資料を見て)これほら、きれいなアマリリスですね。なんか手間をかけないと咲かなそうな花ですけど、ちょっとだけお水あげれば綺麗に咲くということで、いいですね。これだったらお姉さんも咲かせられるんじゃない?」

江里子「なんで私がお花咲かせられない人みたいなことになってるの?」

美穂「お姉さんほら、よく枯らせるから」

江里子「私は枯らせたんじゃなくて、プチトマトを育てたら、カラスに持ってかれちゃったって話でしょ?」

美穂「ガジュマルの木みたいの枯らしたじゃないの?」

江里子「ガジュマルの木は枯らしたっけ?あっ、確かに水を吸わなくなっちゃったのね」

美穂「水をちょっとでいいなら、これ私にもいいわね」

江里子「あまり水をあげないアマリリスって、『あまり』が多くて、ちょっとドキドキしちゃいました」

美穂「あまりあげるとよくないんでしょ?」

江里子「あまりアマリリスにあげるとね」

美穂「ちょっと分かんなくなってきた(笑)」

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