政府の雇用保険料引き上げ方針は財源不足補うための増税の予兆か

雇用調整助成金の財源が底を尽いて、私たちの負担が増やされようとしている。元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎さんは、レギュラー出演しているRKBラジオ『櫻井浩二インサイト』で「コロナ禍で増えた財政支出を補う、将来の負担増への予兆」と指摘した。

元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎氏

経済が回復する前に雇用保険料負担が増える?

雇用調整助成金は、従業員を休ませた企業に対し、休業手当分を国が支給する制度で、コロナ禍での雇用維持のため、支給の上限を日額約8300円から最大1万5000円に引き上げるなど特別な運用がされていて、支給総額は既に5兆円近くに達しています。財源は雇用保険料で、本来は企業が負担する積立金から支払われますが、それだけでは足りなくなり、今は企業と労働者が折半で負担する失業給付の保険積立金や、国の一般会計からも繰り入れて対応しています。そのため政府は、雇用保険料を来年度引き上げる方針で、上げ幅の調整に入ったようです。実は、新型コロナの流行前は、積立金がかなり貯まっていて、保険料率は引き下げられています。本来は、給料の0.6%を従業員、0.95%を企業がそれぞれ保険料として支払う仕組みですが、今は0.3%と0.6%です。これを、0.5%と0.85%にそれぞれ引き上げる案などが浮上しています。それでも本来の保険料率よりは低く、そもそも財源が枯渇してきたからやむを得ない面もありますが、経済がまだ回復していない中での引き上げには「その前に、未消化のGoToトラベル予算などを回すべきじゃないか」といった声もあります。

簡単に「負担増やむなし」とは言えない不正受給の多さ

さらに大きな問題は不正受給の多さです。今年10月の時点で、不正な申請や受給は全国で292件、23億円を超えています。ネット上では「不正な手口を指南する」という書き込みもあり、この数字も氷山の一角という見方もあります。実際は働いている従業員を休ませたように装って、受け取った助成金を会社の運転資金に回すケースが多いとされ、不正が明るみになったものの中には、日本旅行業協会の前会長が代表を務める旅行会社もありました。さらに、違法とまでは言えませんが、内閣官房参与だった石原伸晃氏や、大岡敏孝環境副大臣といった、政治家の政党支部まで助成金をもらっていた例を見ると、なかなか「負担増やむなし」とは言いにくいでしょう。

雇用保険料の次に来るのは増税議論か

とはいえ、ほかにも持続化給付金のおよそ5兆5000億円をはじめ、コロナ対策に使われた公的資金は既に60兆円を超えていて、将来の負担増は避けられそうにありません。来年夏の参院選までは表立って言われないでしょうが、その後の予算編成ではきっと、何らかの増税が議論されるはずです。雇用保険料引き上げ検討はその予兆ともいえるでしょう。

櫻井浩二インサイト
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 6時30分~9時00分
出演者:櫻井浩二、高橋早紀、潟永秀一郎
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※放送情報は変更となる場合があります。

鈴木おさむ“小説SMAP”メディアでの取り上げられ方に言及「テレビの本ですが、やはりテレビでは紹介しにくいわけです」

科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 4月13日(土)、4月20日(土)の放送ゲストは、ベストセラー作家への道を歩んでいる、元放送作家の鈴木おさむさんです。20日(土)の放送では、著書である“小説SMAP”こと『もう明日が待っている』(文藝春秋)の内容や、出版前の裏話などについて伺いました。


鈴木おさむさん



1972年生まれ、千葉県出身の鈴木さん。19歳で放送作家としてデビューし、それから32年間、さまざまなコンテンツを生み出してきました。
2024年3月末をもって放送作家・脚本家を引退。現在は、「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、スタートアップ企業の若者たちの応援を始め、コンサル、講演などもおこなっています。
3月27日(水)に刊行した著書『もう明日が待っている』は、発売2日で累計発行部数15万部を突破。同著の著者印税は、すべて能登半島地震の義援金として寄付されます。

またTOKYO FMでは現在、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのリーダー・陣さんとともに音楽チャートラジオ番組「JUMP UP MELODIES」(毎週金曜13:00~14:55)のパーソナリティもつとめています。



鈴木:(『もう明日が待っている』には)「黒林さん」というプロデューサーも出てきます。(本名は)黒木(彰一)さんと言って、54歳でお亡くなりになられた方です。ずっと一緒に番組を作っていて、この(小説の)なかでもマイケル・ジャクソンを(SMAP×SMAPに)引っ張ってきた、すごくファニーなキャラクターの人です。

茂木:あれもすごいことでしたね。

鈴木:そうです。マイケル・ジャクソンを呼んでね。「まぁ、小説だからいいか」ということで、呼んだ金額まで書いているんですけど(笑)。その黒木さんがご病気で、「もしかしたら危ないかも」と思って。だから今回、よりスタッフの話を残したんですよ。

ちょうど、この本のゲラ(※誤字・脱字などのチェックをおこなうために仮に印刷した印刷物)が全部出てきたときに、黒木さんのご病気が少し悪くなって、「会いたい」と言われて会ってきたんです。

それが金曜日だったのですが、(出版元の)文藝春秋に頼んで、ゲラをまとめて表紙を付けて仮の本にして渡すことができたんですよね。たぶん読んでくれて、その夜に「おもしろかったです。ありがとうございます」というメールが来ました。シンプルな文でしたが、メールを打つのもしんどかったと思います。なぜなら、金曜日に読んでいただいて、月曜日の夜にお亡くなりになられましたから。それぐらい体力的にも限界のなかで(本を読んで、メールをくださった)。

茂木:でも、間に合ってよかったですね。

鈴木:そうなんです。それでお葬式に行ったら、娘さんが「うちの父は本を読むのが本当に好きな人で、最後の本がこの本になりました」と言ってくれて。だからそこも含めて、僕らスタッフのなかでも本当に最後に「〇(丸)」を付けることができたというのもあります。

でも僕がおもしろいなと思うのは、テレビのためにずっとやってきて、言ってみれば(『もう明日が待っている』は)テレビの本なんですけど、やはりテレビでは紹介しにくいわけですよ。

茂木:いろいろな事情でね。

鈴木:はい。テレビのランキング番組の“(小説売上)ランキング”に入っているのですが、(紹介されるのはタイトル名と僕の名前)「『もう明日が待っている』鈴木おさむ」だけで、SMAPの「ス」の字も言わない。

それは仕方がないんです。だけど、放送作家が最後にテレビの本を書いて、それがテレビで紹介されないというのもおもしろいし、だからこそ絶対にミリオン(100万部)売れてほしいと思います。

番組では他にも、鈴木さんが今後の目標について語る場面もありました。


(左から)鈴木おさむさん、茂木健一郎



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4月20日(土)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎

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